「ああっ!ん…っ」  
「お前が、悪いんだ…」  
ぎしぎしとベッドのスプリングが激しく軋む。  
夜も近い冬の夕刻、闇が濃くなってゆく望美の部屋には、部屋の主である自分と将臣しかいない。  
(どうして…こんなことに…)  
 
望美にはなぜ将臣がこのように怒りを露わにしているのか、まったく検討がつかなかった。  
ただ、いつものようにあの家で八葉達と話していただけなのに。  
部屋から出てきた将臣は、急に表情を険しくしたかと思うと、望美を彼女の家までひっぱっていったのだ。  
…仲間達は驚いていたようだが、追いかけてはこなかった。  
 
服を首までたくし上げられた状態で、流されるまま激しい愛撫を受ける。  
何を怒っているのか尋ねても返事はない。ただ行為の激しさと熱さがエスカレートするのみ。  
その一方的な気持ちが、望美には悲しかった。  
「…いつも、お前はそうだ…」  
「将臣くん…?」  
そう思っていた時ふと愛撫が途切れ、涙にかすむ視界に将臣を映す。  
彼はどこからか、見たことの無い棒のような物を取り出していた。  
その方面に疎い望美には、そのゴムに覆われた物が俗に言うバイブだということがわからなかった。  
「俺がどんな気持ちで、ずっと…!」  
ぐいと足を広げられたと思った次の瞬間、将臣は自分のものと同じくらいのそれを望美に突き立てた。  
「!っつ、やあっ…!」  
しつこいほどの愛撫と表面の柔らかな素材のため、望美の中が傷つくことはなかった。  
しかし初めての乱暴な挿入に、彼女は引きつるように胸をそらせる。  
…これまで何度かこういった秘め事を交わしていても、彼はいつも優しかったのに。  
将臣はどこか苦しげな表情で、だがその手を緩めることなく奥まで突きたてた。  
 
「や、だ…これ、抜いて…っ」  
「…まだだ」  
「…!?」  
かちり、と硬い音。その刹那、望美の中でバイブが激しく振動を始めた。  
「あああぁっ!!」  
いつも感じる熱い挿出の感覚ではない。冷たく、重く、鈍く響く…未知なる快感。  
無機質で規則的な振動が、充分過ぎる前戯で焦らされていた望美を翻弄する。  
「いや、やぁ…っ!まさ、おみく…んっ、ぁ…!」  
将臣は秘所を広げさせられて喘ぎ、自分を呼ぶ少女を見下ろす。  
たくし上げただけの服に、未だ足にひっかかっている下着。靴下だって無論履いたままで。  
小さな玩具に乱れる、元幼馴染。まるで妹を犯しているようで、彼は強烈な背徳感と征服感に酔う。  
「俺だけを見ろよ…なあ?望美…」  
「…は、あぅ…んんっ」  
上気した頬も、男を誘う桜色の唇も、潤んだこぼれそうな翡翠の瞳も、全て自分のものになったはずなのに。  
「奴らばっかり、見んなっ…!」  
「ひぁ…!やあぁぁっ!!」  
強く抱きしめ、そう吐き捨てたのと望美が一段と高く啼いたのは、ほぼ同時だった。  
 
 
おわり  

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