平泉から頼朝の軍勢を退け、それから三月程たってようやく和議にこぎつけた頃。  
この戦の最大の功労者である白龍の神子は、藤原の御館の屋敷の一角で  
何不自由のない生活を送っていた。銀と共に。  
さまざまな困難を乗り越えて絆を確かめあった二人は  
神子の生まれた異世界に、しばらくしたら旅立つ予定だ。  
今宵は、藤原の郎党の者が銀のために一席設けていた。別れの宴である。  
私もいきたい、と望美は食い下がったが、  
銀は深い憂いに満ちた顔で、望美を引き寄せながら言った。  
「彼等と自分は共に戦った友であるけれど、酒臭い男の息を  
清らかなあなたに吹きかけたくないのですよ、神子様。  
あなたを他の男の目にさらしたくないという、  
私の気持ちを分かっていだだけますね。」  
そういって、一人で宴に行く手筈を整えたのだが  
望美が門前に立ち、彼を見送る時にため息まじりに呟いた。  
「本当は少しでもあなたと離れているのは心苦しい....」  
「うん、私もだよ、だから早く帰ってきてね。」  
「もちろんですよ、私のいとしい....神子。」  
銀は名残りおしそうに望に口づけ、馬上の人となった。  
 
銀を見送った後、望美は庭の縁側に腰掛けて  
十六夜の月を見上げた。  
こうしていると走馬灯のように過去のことが思い出されてくる。  
京で時空を超えた銀との始めての逢瀬。  
熊野で銀の兄の知盛と共に舞った夏の日。  
壇の浦で知盛と戦い、殺したこと。  
鎌倉に追われていた窮地の時に銀を出会ったこと。  
 
私は出会った当初は銀に知盛の面影を重ねていた...  
 
それでも、彼との逢瀬を重ね、絆を深めていくうちに  
彼の傷付いた心を癒したいと思い、銀自身を見つめるようになった。  
そして彼の魂についた呪詛を払い、異郷の神に打ち勝ち  
ともに運命を切り開いてきた記憶は望美の心を暖かくする。  
 
幸せの余韻に浸っている時、奥の茂みから人陰がうごめく気配がした。  
「誰...?」  
「その声...白龍の神子だな」  
聞き覚えのある低い声に望美の魂は凍り付く。  
...この声は  
恐る恐る声のする方に振向くと、闇の中に浮かび上がってきたのは  
月の光に輝く銀色の髪  
刺すような鋭い瞳。伶俐な口元。  
赤と金の甲冑。両の手には抜き身の剣。  
 
間違えるはずもない....知盛  
 
「どうした?お前が追い掛けろというから、逆鱗を使って追掛けてきたんだぜ。  
少しはうれしそうな顔をしたらどうだ?」  
「知盛..いったい何をいってるの?あなたは私が壇の浦で殺したはずだよ。  
あなたも平家も滅びたのに、なぜここにいるの?それにどうやって逆鱗を手に入れたの?」  
「俺を殺した?平家を滅ぼした?おもしろいことをいう。  
あんたのおかげで和議がめでたく成立しといういうのに。」  
混乱する望美をしり目に、知盛は剣を望の足下に投げた。  
「抜けよ。今回も俺を楽しませてくれるんだろう」  
「いやよ。私にはもう誰かと戦う理由なんてないもの。」  
「あんたにはなくても、俺にはある。」  
ひゅっと知盛の切っ先が望の肩先をかずめる。  
「今のはわざとはずしたけど、次はもうないぜ....?早く抜けよ。」  
望美は観念して剣を抜く。  
しかし自らの危機にさらされても戦意は湧いてこない。  
知盛の閃光のように繰り出される切っ先を  
受け止めるで精一杯で攻勢には転じられない。  
勝負がつくのは時間の問題だった。  
知盛の稲妻のような一閃で神子の剣を宙にとんだ。  
 
「...つまらんな。」知盛は吐き捨てるように言って、  
神子につかつかと歩み寄り、  
神子の着物の襟をつかみ、力任せに衣を横に引き裂いた。  
途端に神子の肩があらわになり、胸元がはだけた。  
「っ.....いやっ..!!」  
「...肩の傷がない...な」  
「傷...?」  
望美は羞恥と怒りに混乱しつつも、  
知盛をみつめた。その顔は明らかに動揺していた。  
「お前は、俺に逆鱗を与えた神子ではないのか。」  
 
知盛は望美にいままでのことを打ち明けた。  
和議が結ばれる前日の宵に突然表れた白龍の神子  
彼女は自分に傷を負わせ、逆鱗を渡し自分を追掛けてこいと  
言って去っていった。去る真際、神子は肩の傷を知盛に見せて言った。  
あなたが逆鱗を使って私をおいかけているうちに、  
どこか違う時空に迷い混んでしまうかもしれない。  
あなたが神子にあったとしても、それは私とは違う選択をした私かもしれない。  
肩に傷があるのが私だよ。あなたを選んだ私だよ。と  
 
「そしてお前は、俺が以前にあった神子とは違う時空にいる、違う選択をした神子...なのだな」  
望美は強くうなづいた。  
私は彼女とは違う。私が選んだ人は....この人じゃない。  
私が選んだのは、あなたの弟、銀だよ。  
そう正直に知盛に言うべきか逡巡している最中、  
突然、知盛は神子を後ろから強く抱きすくめた。  
「人違いだからといって、このまま去るのは惜しいな。」  
柔らかなうなじに口付けながら囁く。  
「せっかく時空を超えてきたんだぜ。楽しませてくれるんだろう?」  
「だめ...だめだよ、こんなの!」  
肌がぞわぞわと泡立つのを感じて、知盛から逃れようともがく  
「クッ...無駄な抵抗するなよ。力で俺にかなわないさ。  
もっとも俺が以前に会った神子どのは間違っても男に組み敷かれるような隙は  
みせなかったがな。」  
ゆっくりと衣服の上から望美の胸をもみしだく。  
その刺激に絶えきれず、神子は甘い呻き声をもらした。  
抵抗する望美の両の手を高くかかげ、床に押し倒す。  
望美の乳首を強く吸い、舌でチロチロと刺激する。  
「っあぁ....はあっっぁああ」  
望美は出かける際の銀の笑顔を思い浮かべた。  
銀を裏切りたくない。この人は銀じゃない。なのに銀とするときと  
同じように身体がいやらしく反応してしまう....  
望みの上気した顔を見つめながら、知盛はため息まじりに言った。  
「男がいるんだろう?戦が終わり、その男に愛され守られていくうちに  
腑抜けたか。」  
いいながら、望美の茂みに指をぷつりと沈みこませる。  
そこは十分すぎるほどに潤おっていた。  
「あん....だめぇっ...そこは...!」  
かまわず中をかきまわす。望美の中に熱い疼きがうまれ、  
嬌声をあげそうになるのを必死でこらえる。  
「素直じゃないな。...お前は俺を斬り付けた神子とはちがうかもしれない。  
でも俺の事を欲してやまない気持ちは同じはずだ....そうだろ?」  
「...っちが.....!」  
刹那、神子の胎内の肉が知盛の指ををきつくきつく締め上げていた。  
蜜がとめどなく溢れ、知盛のものを胎内の奥深くに誘う。  
「っあ........いやあぁああぁっ!」  
 
なん...で....?こんなのいやだ........銀...ご...めん.......  
知盛は指を引き抜き、神子の蜜でしたたるその指を一本ずつ嘗めながら  
意地悪く言った。  
「こんなにも俺のことを欲してくれて、光栄だぜ...?源氏の神子殿。  
お前がいくら否定してもお前の身体は正直なものだな。  
おれのものを深くくわえこんで、離そうとしない....いやらしい身体だ」  
「やめて...聞きたく...ない...!」  
「もっといってやるさ。お前はいやらしい体だ。ほら...」  
知盛は望美の乳首を舌先で転がし口づけ、片方の乳房を揉みしだく。  
知盛の唾液に染まるにつれて望美の乳首はしだいに固くなっていく。  
そして衣服に隠れた、自身の昂りを、時たま神子の蜜壷に押し付けては、煽る。  
知盛のものは固く屹立していた。それなのに余裕の表情をくずさず  
望美を散々じらし、弄んでいた。  
「あっ....くっ!...いやあああ」  
「いいぜ、もっと啼けよ。」  
知盛の舌はうなじや背中を丁寧に嘗め上げ、正確に望の性感帯を探り当てた。  
知盛が舌を動かすたびに、胎内にある疼きはますます熱く昂ってくる。  
しまいには頭の芯がしびれるような快感の波が襲うようになった。  
「この人は....きっとたくさんの女の人としてきたんだろうな。」  
薄れゆく意識の中で、望みはぼんやりそんなことを考えた。  
遠い夏の日の熊野での出来事。  
知盛は望美が共に舞った、あの日。  
二人の吐息が、心臓の鼓動が重なった瞬間。  
舞が終わると望美は今まで経験したことのないような陶酔と疲労を感じ  
しばし放心したような状態になった。  
そんな望美を、知盛は無言で引き寄せ、労るようなに肩にもたせかけた。  
やれ光源氏のようだ、頭の中将のようだと知盛をほめそやしていた  
近隣の村の娘は二人を羨望のまなざしで見つめた。  
とりわけ、その中で一番美しかった娘は射るような挑戦的な瞳で  
望美を見つめた。  
後日、望美は知盛と将臣の潜む小屋に行くと  
若い娘が頬を染めて、小屋からでてくるところにでくわした。  
首には唇の跡がうっすらとついていた。  
知盛は上半身裸で、けだるそうに娘を送りだした。  
望は二人の匂いたつような濃密な空気にたじろいで逃げ出した。  
きっと、あの子は知盛の舞を見ていた娘の一人なのだろう。  
共に舞っていたときは、誰よりも知盛の魂に触れた気がしたのに。  
私は一体、知盛に何を求めていたのだろう?  
 
...私は...私は..あの子と同じ目的できたんだ。  
....知盛が欲しくて...  
 
朦朧とした意識をただよっていると  
知盛は望美の口を強く吸った。  
「何も考えるなよ。今は俺の事だけを考えろ。」  
「あなたのこと、考えてたよ...」  
「クッ...かわいいことをいう」  
知盛は望美の肉芽を吸い上げた。思う様舌で、嘗め上げ、ねぶる。望みのなかから  
行く筋もの行く筋もの蜜があふれだす。  
堪えきれずに、望は知盛を哀願するような目で見上げた。  
「..言えよ。俺が欲しいと俺のものが欲しくてたまらない...と」  
神子ははらはらと涙を流し、しかしはっきりと言った。  
「あなたが...欲しい。」  
「いい....返事だ。」  
 
知盛は自身の衣服をはぎとり己の猛ったものを一息に神子の胎内の奥底にたたきつけた。  
「あああぁぁぁぁっっ」  
引き裂かれるような一瞬の痛みと、待ち望んでいたものを迎え入れる喜び。  
そして襲って来る悦楽の波。  
ずちゅ ぴちゃ くちゅ   
こよなく卑猥な水音が部屋になりひびく。  
だが神子はそんなものに気をとられていなかった。  
今は、自分を弄ぶ美しい獣のような男を自身の蜜壷の中に  
縛りつけることで頭がいっぱいだった。  
 
めくるめく快感の中で神子は知盛のものが、灼熱の蛇のように感じた。熱く猛った蛇。  
望美の胎内で、鎌首をもたげ熱を帯び、むさぼりつくす。  
私はこの蛇の与える悦楽から逃れることができない。  
ならばいっそ悦楽にこの身をまかせよう。  
神子は知盛の動きにあわせて、腰を動かしはじめる。  
ひどく淫猥に、なまめかしく  
知盛は目を細めて、ささやく。  
「きれいだぜ......神子。もっとお前の乱れる姿がみたい。もっとお前を感じさせてくれよ。」  
ふいに、この男を愛しい、と想う気持ちがこらえきれなくなって神子は知盛の首筋に口付けの  
雨をふらせる。  
 
知盛の褐色の肌、筋肉質の腕、汗と麝香の薫り。  
揺れる銀髪の髪。  
全てが、共に舞った、熊野の夏を想起させる。  
 
ああ、知盛あなたの言う通りだ。  
あなたは私が熊野であった知盛ではないけど、あなたの中に確かに彼はいる  
私はあなたを傷つけた神子でない。けれども彼女は私のなかに確かにいる。  
 
「なあ、神子...俺の女になれよ...」  
神子の首筋にゆっくりと舌を這わせながら、  
知盛は低くかすれた声でささやく。  
本心からだった。この女を手放したくない。  
決して他の男に渡したくない。  
 
望美は熱にうかされたような瞳で知盛を見上げ、  
ゆっくり微笑む浮かべた。  
 
その微笑みの美しさに知盛は息を呑む。  
 
「もう二度といわないから...聞いて。好きだったの。熊野であった時から  
忘れられなかった......でも、今私が一番大切なのは銀。」  
 
それから深く息を吸い込み、潤んだ瞳で知盛を見上げた。  
「だけど.....今はあなたが欲しい。欲しくてたまらないの」  
「神子....」  
「とも...り...のすごく熱いよ....」そう言いながら神子は  
知盛の昂りをきつく締め上げる。  
「....お前のものも....な」  
「もっと.....」  
「くっ....そんなに締め付けるなよ」  
熱くたぎった神子の蜜壷に、自身の昂りをぎりぎりまで引き抜き、沈め、かき回す。  
神子は嬌声を上げ、乱れる。  
神子の胎内の熱い弄流に限界を感じた知盛は  
望美の胎内の奥底に自身の欲望をたたきつけた。  
 
行為を終えた後も、しばらく二人は恋人同士のように  
寄り添っていたが、空が白みはじめると知盛は去っていった。  
きっと、はるかな時空で会った神子を探しにいったのだろう。  
遠い時空の彼方で、知盛と自分とは異なる選択をした神子が結ばれることを願った。  
 
そして自分自身のことに思いをめぐらす。  
銀...私はあなたを選んだんだよ。ポツリと望美はつぶやいた。  
 

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