熊野にて。
「神子…とても良い匂い。」
背後から覆いかぶさる様に私のうなじに顔を寄せ、鼻先をこすりつけてくる。
こうしていると白龍は人間の子供と何らかわりない。
兄弟のいない私は、突然出来たこの美しい弟の様な存在が可愛くて仕方なかった。
「…本当にもう、白龍は望美にベッタリね?」
「先輩は白龍に甘すぎますよ。」
苦笑いを滲ませた朔と、眉間に立て皺を寄せた譲が言う。
あの頃を思い出していた。
…可愛かったなぁ、白龍…。
現代にて。
「神子のココ…とても良い匂い。」
そう言いながら私の股間に顔を埋め、ソコを恍惚とした表情で舐めてくる。
「あ、…っああっ、は…はく……りゅ…!ん!」
白龍は行為の最中、私のソコを舐めるのが大好きで、懇願してもなかなか辞めてくれない。
なんでも私の匂いが一番強く香る場所だからとかなんとか…。
恥ずかしくて仕方ないのに。
じゅるじゅると音を立て、今日も白龍はその場所に吸い付いている。
それにこうしている時でさえ白龍は、思ったことをそのまま口にするものだから…
「ほら、神子、こんなに濡れている。気持ちがいいんだね?」
「神子、神子はどこも美しいね…。ココもまるで百花の様に美しいよ。」
以前あまりの恥ずかしさに咎めたら、とても悲しそうな顔で、
「神子は私にこうされるのは、いや?思っていることを口にしたのだけれど…間違っている?」
と言われてしまい、それ以来拒否出来なくなってしまった。
無自覚な白龍に、私の些細な羞恥心など通用しないのだ。
「…いい?神子の中に入りたい。…いい?」
トロトロに溶かされてしまった私の秘所に大きな肉棒の先端を宛がってくる。
そのまま上下に擦られて、私は溜まらず腰を捩って強請ってしまう。
それを見た白龍が、徐々に私の中に入って来た。
「あ…あぁ…!」
「あ……み、こ。…神子…っ。」
全てを埋めた後、いつもそのまま抱き合っている。
暫くすると大きく息を吐いた白龍が、優しく私を見下ろしていた。
「とても、気持ちいい。…神子は辛くない?…私を…感じてくれている?」
挿入した後、白龍はいつも私を気遣う。
初めての時、私があまりにも痛がったものだから…。
こうして何度身体を繋げても、必ず私に確認するのだ。
「うん、大丈夫だよ。気持ち……いいよ?白龍。だから、もっと…。」
「うん。」
私の言葉を嬉しそうに聞いて、ゆるゆると腰を動かしてくる。
先端が抜け出てしまうギリギリまで抜け出して、抉る様に最奥まで。
ゆっくりとした動きで何度か繰り返し、私の中から新たに愛液が生まれるころには…
「あ、あ、ああ…っ、ん、!」
「はぁ、あっ、…神子、…神子っ!」
真新しいベッドが、使い古しの様に軋んだ音を上げる程、激しく揺さぶられる。
繋がったソコが粘着質な液体に塗れて熱を持ち、もうどちらがどちらの身体かわからなくなった頃、
「ああっ、……み、こ……っく…神子!」
更に加速をつけて白龍が腰を打ち付けてくる。
体中が震える程の悦が襲ってきた。
「あ、あぁ、っ、っ、…は…、はく、りゅ、う、ぅっ、もう、も、う…っ、駄目、ぇ!」
「うん…、神子、わ、わたし、も……っっ!……っ」
奥の壁に激しく白龍から迸った液体が当たる。
その打ち出しにあわせて思わず身体がビクビクと跳ねてしまう。
そうして暫く、二人きつく抱き合ったまま動けないでいた。
ようやく息が整った頃、私の髪を優しく梳きながら白龍が言う。
「神子、神子は素敵で、天にも昇る気持ちだよ。」
…毎回昇天しているのは私の方だよ、白龍…。
あの頃は…可愛かったのになぁ…。