組み敷かれた四肢は自由を失い、薄闇にほの白く浮かぶ乳房だけが荒い息に上下していた。  
神子は衣を纏わぬ露わな姿を見られまいと、首を横に向けて瞳を固く閉じている。  
かすかにふるえる口元に、男の粗野な唇が半ば強引に押し付けられた。  
頼忠の舌が、神子の唇を割り入って小さなその舌を絡めとると、強く、そして弱く吸い上げ、  
口腔を侵食する。  
柔らかな唇の端を熱い舌が這うと、  
体を支配する痺れるような快感に知らず声が漏れた。  
 
「神子殿――――」  
 
名を呼ばれ、おそるおそる開けた目に、男の引き締まった裸体が飛び込んだ。  
「 私に・・・触れては下さいませんか?」  
頭上で拘束されていた両手の戒めを解かれ、いざなわれた先には神子を求める頼忠自身が脈打っていた。  
  (熱くてすごく固い・・・・)  
だだをこねる幼子のように首を振る神子の額に下ろしたくちづけが、ふいに固くなり始めた乳房の頂に触れる。  
「 はっ・・ぁ・・・ ぁあん 」  
その頂を円を描くように舐め上げられると、思わず頼忠を握っている手の力が弱くなってしまう。  
「 どうしました・・・・やめてもいいと言いましたか――?」  
 
「 い・・・・やんっっ!! 」  
神子を責める舌は激しさを増し、漏れる小さな喘ぎ声がしんと静まった閨に響く。  
「 ―― 声を出さないで・・。人が来ます。 」  
 
神子の反応を確かめるようにして、頼忠の長くしなやかな指が淡い叢を分け入り花芯を探る。  
軽く指を抜き差しすると、淫らな水音を伴って甘い泣き声が上がった。  
しとどに溢れた蜜が太股を伝って、床に脱ぎ捨てた夜着に花びらを散らしていた。  
内部を掻き回されると、もう、絶え間無く上がる嬌声を我慢できない。  
愛液がねっとりと絡みついた己の指を蜜壺から抜き取ると、頼忠は神子に見せる様にして舌で舐めとった。  
 
「 いやらしい匂いですね。 」  
 
「 ・・や・・・・・・・・!! 」  
顔を逸らしても、卑猥な水音は否応無しに耳朶をくすぐる。  
唾液と愛液にまみれた指が再び神子の奥深くに挿し込まれ、不規則にその内部を冒していく。  
指が与える刺激だけで達してしまいそうになるのを、唇を噛み締めて耐えていた神子の手が、  
おそるおそる、頼忠に、触れた。  
 
熱い肉の棒をなぞるようにして撫で上げると、頼忠の端正な眉が顰められる。  
神子は先程頼忠がしたように自分の指を咥えると、隠微な音をさせながら唾液をまぶしつけた。  
透明な唾液が糸を引いて、月明かりの中に妖しく光る。  
滑りの良くなった指は、頼忠を愛撫するにもう十分な程濡れそぼっていた。  
再び触れたそれからは、抑え切れない欲望の飛沫が溢れている。  
その先端に指先で刺激を加えると、びくんと震えて反りあがった。  
割れた腹に沿って立ち上がった肉棒が、神子を欲して固く、大きくなっている。  
 
「 ―― 愛しています ・・・・この頼忠の想いを、どうか受け入れて下さい 」  
 
熱く猛った切っ先が、潤んだ窪みにあてがわれると、神子の腰が弾かれたようにはずむ。  
「――――ーっ!」  
逃げる体を左の腕で強引に引き寄せると、閨に甘い女の香りが立ちのぼった。  
夜着の端を握り締める手にそっと指を絡めると、唇を這わせる。  
上気した肌の上を、頼忠の付けた所有の証が、舞い散る薄紅の桜色に染めあげていた。  
「や ―― 見ない・・・で 」  
触れられて熱を帯び始めた花芯が、頼忠を求めてひくついている。  
「・・・・・私のものです。ここも・・ここも・・・」  
 
頼忠は神子の腰に手を回し、軽く引き上げると激しく突き入れた。  
「 あっっ・・あああっ! 」  
堪りかねたように、神子が細い腰をくねらせる。  
まだ入ったばかりのそれは、固く張り詰め、信じられないくらい大きくなっている。  
その先端が、出入りを繰り返すたびに入口に引っかかり、繋がれた部分からぐちゅぐちゅと音があがる。  
「 はぁぁぁん!・・あぁっ、あっ、あぁぁ!!」  
床と肩の間に差し込まれた腕を抜くと、頼忠は神子の唇に人差し指を添えた。  
「 静かに・・・・・ 」  
静まり返った閨に、互いの性器がたてる卑猥な音だけが響いた。  
激しく打ち付ける腰が、神子の足の付け根に当たる音。抜き挿しする肉棒が、肉壁を擦りあげる音。  
「 ――聞こえますか? 」  
「・・・・いや・・いやぁぁ・・」  
「 では・・こうですか・・・?」  
己の体を挟み込んでいた神子の両足を左右に大きく開くと、その足首を掴み  
高く持ち上げて腰を深く合わせる。  
繋がりが先程よりも深くなり、更に奥で頼忠を受け入れることになった体は汗ばみ、  
押し寄せる悦楽に打ち震えていた。  
 
「 聞いて――下さい 」  
いったんぎりぎりまで抜いた肉茎をもう一度最奥まで貫くと、一段と大きな水音が響いた。  
「 ひっ――!! 」  
感じていた男の体の重みがなくなると、擦れあう熱い肉の部分だけにいやでも意識が集中する。  
背を反らせて少しでも快感を感じまいとすると、敏感になった陰唇にも頼忠の律動が伝わってくる。  
その刺激が、神子だけではなく頼忠をも、体の芯から甘く溶けてしまうような渦に引き込んでいく。  
「 ぁぁ・・・もう・・もう・・ぁぁんっ!い・・きそ・・はぁあんんっ! 」  
頼忠は神子の中に埋まっている肉棒を、ゆっくり文字を描くように動かした。  
そして、固く尖った乳首を指の腹でこねる。  
「 まだ・・・・駄目です 」  
「 んあんっ!」  
くちゃくちゃと湿った音が、更に高くなる。  
ゆっくりと焦らすように動く頼忠の腰に、神子が合わせてくる。頼忠の下で、白い尻がうねっていた。  
「 神子殿・・・・・愛しています、あなたを・・ 」  
胸を触っていた頼忠の手が、尻をこねる。  
 
「 あぁあんん!頼忠さ・・ん・・・わ・・たし、もう・・・・っっ!!ぁあん!あっ、あっ、はぁっ!!」  
頼忠は神子の足を持つ手を離すと、体を進めて激しく腰を振りだした。  
神子の唇から絶え間ない嬌声が漏れる。  
「 まだ――いいとは言っていませんよ? 」   
高みにのぼりつめようとしていた矢先に猛った雄を引き抜かれて、  
神子はその余韻だけで達してしまったようだった。  
膝をガクガクと震わせ、目を薄く開いたままぐったりと横たわっている。  
「 駄目だと言ったでしょう・・・ 滑りが良くなってしまう 」  
肩で息をつく神子を引き寄せると、座した自分の足の上に腰を落とさせる。  
濡れて冷たくなった蜜壺に、熱い楔が再び埋め込まれた。  
神子の体が、ぷるぷると大きく震える。  
「 ああ・・・・駄目だと言ったでしょう・・・。 」  
頼忠は、神子の胸を掌で包み込んだ。  
「 んーーーっっっ!! 」  
全身が敏感になってしまっている神子は、それだけで声を上げる。  
「 ―― 仕置きが必要ですね 」  
広い背に掻きつく神子の手を自分の首に回させると、自由になった両手で腰を掴み、引き寄せ、打ち付ける。  
ぴしゃりと尻をたたくと、合わされた腰が跳ね上がった。  
野太い肉棒は少女の秘宮を容赦なく陵辱し、高みへ、高みへと誘う。  
 
「 あっ・・・・やだっ・・・・んんっ・・・・・んっ・・・! 」  
先刻意識を手放した時の名残りが溢れだし、  
頼忠自身を伝ってその太腿へと伝わっていく。  
「 ひ・・・どい・・わたし・・だけ、こんなにッ・・あぁぁっっ!  
より・・たださんは気持ち良くない・・の・・?」  
律動に体を揺さぶられながら途切れ途切れに問いかける神子の髪を、大きな手が優しく梳き上げる。  
「 まだそのような口がきけるのですね―― ?・・・では」  
一際激しく、大きく腰を使うと、露を受けた花弁の如き肉襞への出入りを繰り返した。  
更なる快感を求めて擦り、突き入れると、頼忠を締めつける神子の収縮がきつくなっていく。  
常なら、女との交わりで己の冷静さを欠くことなどなかった。  
その露な姿を美しい、と思うことも。悦楽の波に浚われる表情を愛しい、と思うことも。  
そして何より、そんな神子の唇に、腰に、乳房に、漏れる喘ぎ声に、その全てに、  
劣情をかきたてられる自分がいる・・。  
――ぢゅっ・・ずちゅっ・・・くちゅっ   
いつ知れず、より深く頼忠を感じようとしてか、神子の腰が前後にゆらめいていた。  
もう抑えきれなくなった頼忠自身の枷が、その淫らな姿によって消し飛び、  
背筋を這いあがるような快感に痺れる。  
自らの限界を神子の中で感じながら、抱き締める腕に力を込めた。  
「ぁぁんっ・・・ぁあ・・・、気持ちいいの・・あ・・・っっ・・んっ、んっ、んっっ!」  
「 ――っ・・・・・・・神子・・殿・・っっ 」  
 
――ぐっ、と手を添えて秘所から抜き出したその先から、白濁した欲望の飛沫が飛び散った。  
 
 
 

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