元の世界へ戻ってきて1ヶ月。  
はじめはさすがに戸惑っていたこの世界にも  
少しずつ慣れ初めているようだった。  
 
「あかね殿、一つお願いがあるのですが」  
 
『神子殿』はどうにか卒業してくれたものの  
彼の堅苦しい言葉はいつまでたっても変わる気配が無い。  
「なぁに?頼久さん。」  
軽い溜息をつきながら隣にいる恋人に顔を向ける。  
もうそろそろ寝ようと、ベッドの中から時計に手を伸ばしていたところだった。  
 
「あの・・・、頼久をバター犬にしていただきたいのです。」  
「・・・・はぁぁぁぁぁぁ!?!?」  
真剣な眼差しでそう言い放った彼。  
とても冗談で言っているようには見えなかった。  
「どうせまた天真君が変なこと吹き込んだんでしょう!もぉぉ〜〜」  
今度は深く溜息をつく。  
 
ことの起こりはその日の昼の出来事だった。  
 
 
この世界のことをとにかく何でも吸収したいと、  
図書館へ行って大量の本を借り、天真の家へ寄ったときだった。  
「なぁなぁ、頼久、バター犬って知ってるか?」  
「・・ばたーけん?なんだそれは。新種の犬か?」  
先日犬の図鑑を読みながら一折頭に入れたはずだったが  
初めて聞く名前に頼久も興味津々である。  
「いや、犬じゃなくてな。  
こうこうこういうのをバター犬っていうんだよ。てかお前のことじゃね?」  
「な、なんだと!?主人にそんなことをしても許されるのか!?」  
「それが忠誠の証っつーかさぁ。バタ犬だったら許されんだよ。」  
疑わずに素直に聞き入れる頼久に、天真もからかい半分で吹き込んでいく。  
「お前京でもさぁ、のど渇くとたまに『神子殿の蜜が飲みたい・・・』とか  
キッモイこと言ってたじゃん?」  
「きもい・・・?き、気持ち悪いとはなんだ!  
私はこの世で一番あかね殿の蜜が美味だと思っている!」  
お前にはわかるまいがな、とふっと鼻を鳴らして誇らしげに語る。  
「そうそう、だからさ、お前あかねにバター犬にしてもらえよ。  
・・・思う存分、好きなだけ舐められるぜ?絶対なるべきだな。」  
 
「ば、ばたーけん、か・・・。」  
深刻な面持ちでその場に座り、じっとなにかを考え込みはじめた。  
数分後、意を決したかのように立ち上がると、  
「礼を言う。」とひとこと言ってさっさと家を出て行った。  
すたすたと帰っていく頼久の後姿を見送る天真。  
 
「頼久ー!鼻血ふけよー!」  
頼久が何を想像していたのかは言うまでも無い。  
 
「バター犬とは主人への忠誠と愛を誓うものだと。  
あかね殿・・・。どうか、お願いいたします。」  
「だめ!!だいたい主人とかそういうの、こっちにきたらナシって言ってるじゃない!」  
「あかね殿・・・。」  
必死に懇願するも返される言葉は変わらない。  
頼久はとうとう目を潤ませてあかねの瞳を見つめる。  
もともと犬体質なのだ、今更そう簡単にぬけるものではないらしい。  
 
「・・・わかったわ。でもひとつ条件があるの」  
「!・・なんでしょうか!」  
「バター犬の間は私のことご主人様って呼ぶの。  
わたしが命令したとーーりに動いてもらうんだからね?」  
(さすがに引くでしょっ、これは。)  
いくら頼久でもプライドってもんがあるだろう、と思っていたのだが。  
「・・・もちろんです!!」  
瞳を輝かせ、満面の笑みを浮かべる彼。  
幻覚か、彼の後ろで尻尾が大きく振られているように見える。  
 
・・・どうやら神子の前ではプライドもなにもないらしい。  
 
あかねはとうとう忠犬の説得(おもに目力による)に折れてしまった。  
抱きすくめられ、熱いキスを浴びせられる。  
 
「きょ、今日だけなんだから・・・」  
「・・・それはまた、最後にもう一度聞くことにしましょうか。」  
さっきまであんなに下手に出て、まんま忠犬の顔を見せていたくせに  
いざ、ことが決まるとなんだか不敵な笑みを浮かべ、偉そうである。  
「今日だけなんて・・・言わせませんよ、ご主人様。」  
「もっもぉ・・・頼久さんてば・・・っんっあ・・・」  
耳たぶを噛まれ、パンティをするすると脱がされてゆく。  
耳から首筋、肩にかけて弱い部分を唇でなぞられ体が僅かに反応してしまう。  
そんな敏感な彼女を熱い瞳で見つめる。  
 
頼久は引き出しの奥からなにか小瓶を取り出したかと思うと、  
液体を手にとって彼女の前で舐めて見せた。  
「なにそれ・・・?」  
「バターを溶かしたものですよ。バター犬ですから。」  
にこりと微笑むと二本の指で、まず乳首にすりつけた。  
「ひゃぁ・・・!」  
もう片方にも塗って、両の乳房の先端を指でころころと転がす。  
「いつ見てもいやらしい・・・すぐ固くさせるんですね。」  
「頼久さんの触り方が・・・いやらしいの!・・・んっふぅぅん・・・  
あ・れ・・・なんか変だよ・・・?乳首が熱くてぴりぴり・・・するぅ・・・。」  
バターを塗られた先端だけが熱をもっていた。  
気づかれましたか、と微笑み、また先端を指先でつねってみせる。  
「あぁぁん・・・!」  
「普通のバターじゃないんです。・・・ご主人様を気持ちよくさせるためのお薬を  
少しだけ混入させていただきました。」  
 
確信犯だと、気づいたときには遅かった。  
 
バターでべとべとになった胸を、後ろからやわやわと揉みしだく。  
先端だけ執拗に液体を塗り重ねられ、そこだけが異常に熱を持って固くなっていた。  
「こんなに真っ赤にして・・・。痛々しいほどですね」  
わざとそこだけ触れずに乳房のみを揉み続ける。  
「頼久さ・・・おねがい、さわって・・・」  
「どこを、ですか?ご主人様。」  
優しい口調と優しい笑顔で静かに尋ねる。  
「ち・・くび・・さわってほしいの・・・」  
顔を真っ赤にして、泣きそうな目で。  
こんな恥ずかしい言葉は言いたくないに違いないが言わずにはいられないのだ。  
「仰るとおりに。」  
彼女の前に体を動かし、柔らかな胸に顔をうずめる。  
真っ赤に染まった先端を指先でいじり、片方を唇に含んだ。  
「ふぅぅ・・・ん!」  
白い背中がしなる。  
忠犬・頼久は突起を舐めながら時折強く吸い上げる。  
「は・・あぁぁ・・・き、きもちぃぃ・・」  
いつもならなかなか言わない言葉を、うっとりとした目をして呟く。  
(あぁ、もっともっと乱れて欲しい・・・!)  
頼久は強く願った。  
 
「こちらもこんなに疼かせて・・・。たっぷり塗って差し上げますね」  
「だ、だめ・・・っそこは、だめ・・・!」  
抗議の声を発するも体はいうことを聞いてくれない。  
膣はなぜか、彼の言葉に嬉しそうにひくつくばかりだった。  
「・・・頼久の愛撫でどうか存分に乱れてください・・・」  
「あぁぁあああ・・・!」  
瓶から直接バターを垂らし、指でぬるぬると広げていく。  
クリトリスにも親指と人差し指でしっかり擦り込ませる。  
「やっや・・・っっ!そんなにいっぱい塗っちゃ・・・あぁああ・・」  
彼の腕を止めようと重ねた白い手もそのうち一緒にそこをなぞっていく。  
愛しい主人のそんな様子を頼久はたまらない気持ちで眺めていた。  
「こんなに淫らなあなたは初めて見ます・・・」  
熱い溜息が漏れる。  
可愛い声で喘ぐ姿に頼久の胸も大きく高鳴っていく。  
「よ、りひささぁん・・・熱いの・・・っもぉ擦らないで・・お願い!んああぁ」  
「どうして嘘ばかり仰るのですか?・・はぁっ・・・  
こんなに熱く濡らしているのに・・・。頼久にご命令ください。  
愛するご主人さまの望むことを全てして差し上げたいのです。」  
あかねを後ろから抱き込むように座り、  
両足を大きく開かせ熟れた膣を広げ、2本の指で中にまでバターを擦り付ける。  
際限なく求められても構わない。自分を欲してたまらなくさせたい。  
この体から離れられなくなるように。  
 
彼女に無数のキスを浴びせながら、執拗に両手でそこをまさぐり続けた。  
 
あかねの体は頼久の指が動くたびに大きく震えていた。  
愛液はとめどなく溢れ、指を圧迫する柔なかな肉はひくついて止まらない。  
 
「ふぅん・・・あぁ・・っね、頼久さん・・・」  
「どうされましたか?」  
「あ・・つくてたまらないの・・・あぁっっ・・触ってるところ全部・・舐めて・・」  
「もちろんです。・・待っていましたよ・・・」  
熟れた花弁に差し込んだ指はそのままで、体を動かす。  
目の前でひくひくと疼くものを頼久は潤んだ瞳で見つめ、溜息を漏らした。  
手首まで濡らすほど伝ってくる愛液に思わず喉を鳴らす。  
「・・はぁ・・・っいやらしくてたまりません・・・!」  
「ひゃっあぁぁぁああ・・・!」  
待ちに待ったものにむしゃぶりつき、溢れる蜜を飲み干していく。  
「んく・・・っん・・・。あぁ・・やはりご主人様の蜜が一番美味ですね・・」  
「頼久さん・・・っもっと・・もっと・・っ」  
可愛い声でそんな淫らなことを言われ、胸が押しつぶされそうになる。  
「じゅるる・・・ぐちゅ、ぐちゅ、じゅぅぅぅぅ・・・っ」  
蜜のあふれ出す場所と、その上で赤く尖る実を交互にすすり上げる。  
ゆっくり味わうように舌を上下させ、また激しく吸い付く。  
あかねはあまりの快楽に腰を何度も跳ね上げた。  
頭は朦朧とし、もっともっと快感を欲してしまう。  
ずっと頼久の舌に犯されていたかった。  
 
悦びに体を震わせ、頼久の舌に敏感に反応する。  
いつの間にか彼の頭をしっかりと抱え込んでいた。  
そんなあかねの様子を伺いながら彼女に尋ねる。  
「頼久を・・・これから毎晩バター犬として扱っていただけますか?」  
「ん・・・うん・・・っ毎晩して・・・っあっあぁぁぁ・・!」  
親指と人差し指で赤い実をぐりぐりと揉みあげる。  
びくびくと反りあがるものを彼女の眼前に持って行き  
頼久はずるいとわかりながらも言葉を続けた。  
「夜だけといわず・・・朝も昼も、蜜をいただけますか?」  
「ん・・・あぁぁぁああ・・・っ頼久さんの好きなだけ、あげるからぁ・・・」  
「ありがとうございます・・・。それでは。」  
「あ、あ、あぁぁぁぁぁああ・・・・・っっっ!!!」  
ずぶ、ずぶ・・・と  
欲したものに満たされた瞬間、あかねは達した。  
 
その後も何度と無く貫かれ、頼久の精液を体の中で受け止めると、  
あかねは疲れ果て、すぐ眠りについた。  
 
あかねの寝顔にキスを落とすと、頼久も目を瞑る。  
 
明日から存分にバター犬として尽くすのだと  
心に強く決めて。  

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