俺は最近非常にハルヒに悪戯をしたくなる。
無論ハルヒを朝比奈さんと同じ目に遭わせるほど俺は大人気ない訳ではないので、
毎日どうしようもない我慢を強いられてしまっているわけだ。
まあ、こんなものはハルヒの言う一時の気の迷いってもんだろうと楽観していた。
しかし、残念ながら古泉に弁舌され、長門の意味不明な説明を聞く羽目になってしまった。
簡単に言おう。俺の頭はハルヒが望んだ事により、
ハルヒに悪戯するように仕向けられてしまったらしい。
そりゃハルヒの退屈を紛らわすほど大層な頭でない事くらい百も承知だが、
俺としてはアホな餓鬼みたいに擽りに熱中するのは御免だ。
しかしハルヒの望みに勝てないのもまた事実だろう。
そして文化祭の終わった後のある日。
俺達はまたいつかのように野球をしていた。
しかし今度は適当に集めたメンバーばかりで、ハルヒは超監督の腕章を爛々と輝かせ、
朝比奈さんはスタンドで応援に集中させられていた。
その試合の中盤、この適当なチームが負け掛かってしまった時、
ハルヒと朝比奈さんはチアガール衣装で応援を始めていた。
いかん、早速悪戯癖の電波を受信してしまったようだ。
あのすらりと伸びたおみ足や、
セクシーな胸元や内心不機嫌とはいえあのニッコリとした顔に悪戯をしたい。そう思ったのだ。
そして古泉に呼ばれた。またか。
●<大変な事になりました。また閉鎖空間が発生したようです。
●<さて、今度は勝って乗り切るか、それともあなたが涼宮さんの怒りを抑えるか…
この時既に俺の理性は崩壊し掛けていたらしい。
古泉とはいえ公認されたのだから止められる云われはないだろう。
俺はベンチの奴と即交代し、ハルヒの元へズカズカ進んでいった。
●<おや、冗談で言ったのに・・・・
遅い。今の俺に聞く耳はないからな。
ハルヒは丁度飲み物を取って来た所で、グラウンドの端っこの目立たない所を歩いていた。
周りに人気はないし、古泉も目を離してくれたようだ。
俺がハルヒに突進して行くとハルヒも気が付いて怒ってきた。
しかしそんな事はお構いナシだ。
「あんたなにやってんの?こんな所で油売ってないで真面目に打ちなさいよ!えっ、ちょっと・・・・」
俺はハルヒの背後に回った。そしてハルヒの耳に軽く噛み付いたのだ。
丁度いつもハルヒが朝比奈さんにやってるみたいにな。
「嫌ぁああああああっっっ!!」
普段ならまずお目に掛かれないであろう、ハルヒの姿。
夢でも閉鎖空間でもない、現実のグラウンドの一角で、
あのハルヒが悲鳴を上げているのだ。さらば俺の理性。フォーエバー♪
そしてまた噛み直す。するとハルヒの身体がビクッと震える。
「や、馬鹿、やめなさぁい!」
「野球で負けたくらいで不機嫌になるなよ、ハルハル。」
「その言い方恥ずかしいからやめてっ・・・やっ、駄目なのそこっ・・・・」
「いつもお前が朝比奈さんに悪戯してる所じゃないか」
「みくるちゃんは萌えキャラなんだから別なのぉ・・・・」
「お前の方が萌えキャラだと思うぜ。普段あんな笑顔で暴走しといて、いざとなるとこれだもんな。」
そしてハルヒの耳元に息を吹きかける。
「可愛いぜ、ハ・ル・ハ・ル」
「やっ、嫌っ!気持ち悪い!」
ハルヒの身体が小刻みに震える。
「本当に気持ち悪いと思ってるのか?じゃあ日頃の朝比奈さんに代わって復讐してやるよ」
ハルヒの背後からそのふっくらとして張りのある胸に手が伸び、そして・・・
「きゃぁーーーーーーーーっ!」
朝比奈さんでもこんな分かりやすい悲鳴は上げないな。
こんな恥ずかしい声上げるのは世界でもお前だけだと思うぜ。
良かったな。自分だけ特別なところがあって。
「不意打ちよっ!反則なんだから!」
こんな季節に足を震わせて汗びっしょりになりながら言われてもな。
ついでにチアガールの衣装の上から下着が透けて見えてるぜ。
「馬鹿っ!あたしはこういう事に興味はないのっ・・・」
そうかい。じゃあ俺も次の手に出るか。
後残ってる部分と言ったらここしかないだろう。
俺はハルヒのスカートに後ろから手を入れた。
このタイミングで焦らすのは趣味じゃないんでな。一気に手で揉み始めさせてもらおうかね。
「いやんっ!やぁああああああっ!」
ハルヒは身体を仰け反らせて瞬間的に硬直した。
息が荒くなってもいるし俺の手は既にベトベトだ。
「ところで応援はどうした、ハルハル」
「そのあだ名で呼ばないで・・・・」
「ちゃんと応援出来たら名前で呼んでやるよ」
ハルヒは今にも倒れそうで、フラフラになりながらも黄色いボンボンを手に取った。
本当は意外と素直なんだな、こいつ。
そして力の抜けたハルヒ超監督様の応援が始まった。
「ふれぇ〜、ふれぇへぇ〜〜えすおーえず・・・」
先程もそうだったが、本当にこいつは朝比奈さんよりもこういう事に弱いらしい。
まあ言うとおりにやってくれたのだからご褒美の時間としよう。
俺はまたハルヒのスカートの中に手を突っ込み、同時に耳元に口を近づけて言った。
「可愛いぜ、ハルヒ」
「ひゃああっっ!!!!」
本当に短い悲鳴だったが、同時に身体を激しく痙攣させたかと思うと、
ハルヒはその場に倒れこんだ。足元に小さな水溜りが出来ているのが生々しい。
言い忘れたがちゃっかり横にビデオカメラを置かせて貰っていた。
来年の文化祭では「長門ユキの復讐」は取りやめにして、
ハルヒの闘絶ビデオを上映した方が良さそうだな。
しかもハルヒの名前は片仮名だから本名と作中の名前が同じになる。
涼宮ハルヒの名前がこのビデオで世に広がるんだぜ?良かったじゃないか。
「ばっ・・・・・馬鹿ぁっ!」
最早反抗する気力もないらしい。
しかしこいつの体力がそう簡単に尽きるとも思えないので、もっと付き合ってもらう事にしよう。
そう、今夜もな。