SOS団部室。
普段ならそこは、歓談その他諸々の、混沌とはしていたものの全体的に楽しい空気に包まれた場所であるはずだった。
今のあたしの目の前には、時計みたいに規則的にページを捲る有希も、あたしの我が儘におたおたしてるみくるちゃんも、
何を考えているのかわからないけどとりあえず笑ってる古泉君もいない。
焦点の定まらない目を、多分あたしを探すために必死に泳がせているキョンしか。
「ハ…ヒ… だい、じょ…」
喋るのも辛そうだし、そんな様子のキョンをみるあたしも辛い。
何か言わなきゃ、焦れば焦る程、舌は思うように動いてくれない。
前にこんな事があったとき、有希は救急車を呼んでくれた。
あたしはそれを思い出すとポケットの携帯電話を取り出した。
でも、ダイヤルしようとしたあたしの手を、キョンが制す。
「病院、は… だめ、だ… き…かん…」
最後に行った「キカン」というのが何の事なのか、あたしにはわからない。
何で病院がダメなのかも、わからない。
やっと落ち着いてきた舌で事を問おうとした時、キョンは気を失ってしまった。
それまでのドッとあたしの体に押し寄せてきて、
本当にキョンは気を失っただけなのか、もっと危険な状態なんじゃないか、そんな事を危惧する前にあたしも眠りに落ちた。
――――
眠りから覚めると、窓からうっすらと差し込んでいた光もすっかり去って、
夜の空気の孤独さが、部室の静けさを強調していた。
「…キョン!」
寝ぼけている場合じゃない。あたしは状況を思い出すと、キョンの体を強く揺さぶった。
手がピク、と動く。死んでいる訳じゃない、と解ると少しだけ安心した。
「……」
今思えば、あの時のあたしは頭が狂っていたんじゃないだろうか。
ただ、もうキョンと話したり笑ったりする事が出来なくなるかも知れない、
そんな不安が呼んだ、キョンとの思い出のフラッシュバックの中にあった映像を、あたしは忠実に再現した。
「…あのときは、あんたがいきなりしてきたのよね、コレ。」
あたしは、動かないキョンの唇に自分の唇を重ねた
そして…
エロシーン書けねえ。