『もし谷口が女だったら・・・』
谷口が手紙でキョンを呼び出して・・・
「・・・キョン?いるか・・・?」
「おう谷口。待ちくたびれたぜ。」
「すまんなキョン・・・。こんな時間に・・・。でも来てくれて嬉しいぞ・・・。ありがとな・・・。」
「何、気にするな。・・・ところで何で入り口のところにいるんだ?中に入ってこいよ。」
そう、谷口は何故か教室に入ってこようとしなかった。明かりをつければ俺たちが不法侵入しているのがバレてしまうため、教室は暗いままだ。
「あ、ああ・・・。でも、驚くなよキョン・・・。」
「?俺が何に驚くんだ?」
俺が首をかしげていると、意を決したように谷口が教室に入ってきた。
俺に歩み寄ってくる国木田。近づくにつれ、その姿が月明かりでよく見えるようになってきたのだが・・・。
「・・・お、お前、どういう格好してるんだ!?」
そう言った俺を誰が責められようか。誰だって自分の男友達が、その学校のセーラー服を着ていたらこんな反応をするだろう。
「あ、あのな・・・キョ・・・」
俺は今世紀最大の馬鹿を力の限り殴ってやった。
「谷口!お前が変態なのは知ってたが女子の制服盗むとは何事だ!ついて来い、警察に突き出してやる!」
「ちょ、ちょっとキョン。待って、待ってって。ねぇ〜」
その後事情を聞いた俺は丁重にお断りした。
以後、谷口を見た者はいない。