波乱万丈な部活動をようやく終え、あの後妙に迫る古泉を地面に叩き伏せてから家に帰り着くと  
「あ、お帰りキョンくんー」  
 妹のヤツが俺にとことん甘い厄災を振り撒いたあのチョコ菓子を手にして俺を迎えてきた。  
 何で今日に限ってそんな局地的大流行な菓子を食べてるんだお前は。  
「えーとね、みよちゃんと話題になったからー」  
 ……何となく続きを聞くのがためらわれる話の流れだ。  
 その証拠に妹の瞳が宇宙的観察対象指定を受けているアイツが自称楽しい事という傍迷惑な何かを  
ひらめいた時の輝きを灯している。  
 そしてその瞳輝かす内容を実行した場合、十中八九どころか百パーセント被害を被るのは俺だ。  
 なので俺は至極当然のように部屋まで付いてきた妹からの好奇心がたっぷり詰まった  
言葉のセンタリングを迷わずスルーする。  
「そうか。もうじき夕飯だろ、菓子も程々にしとけよ」  
「ねー、キョンくんはポッキーゲームってした事あるー?」  
 あまりの直球にスルーしたはずのボールが顔面ヒットした。  
 全くこいつはみよきちと何て話題を話していやがるんだ。  
 小学生なら小学生らしくおしゃれ泥棒の話題ででも盛り上がっていれはいいんだ。  
 俺が小学生の正しい姿をじっくり教えてやろうと振り向くと  
「んー」  
今日何度目かのポッキーを咥え迫る妹の姿があった。  
 

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