『涼宮ハルヒの唇』  
 
 
「映画につれてってあげるから明日8時半に駅前集合。勘違いするんじゃないわよ、不思議探索特別編なんだからね!遅刻は死刑!いーわね!」  
深夜に突然かかってきた電話は、慌ただしく用件だけ伝えると、いつもどおりに返答する間もなく切られた。  
男にとって電話は情報伝達の手段だが、女にとっては電話そのものが目的である、などという男脳女脳論は団長様には当てはまらないらしい。  
相変わらず人の話を聞かないやつだ。  
しかたなく、財布の中身を確認する4月を目前にした春休み。連日の不思議探索のおかげで、どんどん目減りしてく俺の懐具合は、  
本日我が家を舞台に「確率の不思議を探索する」という名目で行われた、どんじゃら大会のおかげで割と余裕がある。今日は気持ち悪いくらいにツキがよかったし、古泉はどんじゃらも激しく弱かったからな。  
ただ、副賞でついてきた一日団長権は、どう使ったもんかね?  
 
明くる翌日、朝食時に今日の俺の予定を知ったとたんに、何を勘違いしたのかニヤニヤ笑いを浮かべっぱなしの妹の見送りを背中に受けながら、  
30分前到着を目標に家を出た。今日くらいはヤツに奢らせてやる。  
 
しかし、そこにはすでに、当該人物が待ち受けていた。まったくいつから待ってんだろうね、こいつは。  
だが、遠目にはいつになく緊張しているようにもみえる。いやはや、珍しいこともあったもんだ。  
「おそい、罰金!」  
俺に気づいた団長様は、片手を腰に当てながら、ビシッと鼻っ面に人差し指を突き立てた。近すぎだ。指紋まで判別できるぞ。って、いつもと違って淡い色のマニキュアが塗ってあるじゃないか。  
「へえ、かわいいなそれ」  
俺の視線に気づいたハルヒは、瞬間的に茹ダコ並みに真っ赤になった  
「へ!?あ、こ、これは、た、たまたまよ、たまたま。母さんが新しい色を買ってきて、練習台のモルモットってやつ?  
みくるちゃんの買い物に付き合ったら、お気に入りの色を見つけるのに時間が掛かっちゃって、それでその・・・・・・とにかく、いいのよ!」  
と、大慌てでよくわからない言い訳を並べたと思ったら、ぷいっとそっぽを向いてしまった。なんかまずいこといったか俺?  
指先だけでなく、今日のハルヒは、普段の活動的な服からは想像もつかないほど、こじゃれた格好をしていた。  
なんとノースリーブのブラウスに、落ち着いた色のジャケットをはおり、丈の短めなタイトスカートの足元はショートブーツで固められている。  
中身はともかく、外面の良さは一級品だからな。ブランドなんぞはさっぱり分からんが、まったく違和感がないどころか、  
 
「な、なによ、笑いたければ笑えばいいでしょ!」  
まじまじと見つめる俺の視線が気になるのか、ハルヒはアヒル口を作りつつ、少し悲しげにこちらをチラチラと伺ってくる。  
「そ、そんなことないぞ。あまりにも綺麗で、思わず見惚れちまっただけだ」  
思わず口をついてしまった正直な感想に、大きな目をさらに丸くした団長殿は、  
何か言いげに口を2、3度パクパクした後、耳まで真っ赤になってうつむいてしまった。  
「・・・ありがと」  
こんなに素直な反応が来るとは驚天動地だ。やばい。いつもと雰囲気が違いすぎて、  
こっちまでキョドっちまう。これじゃあまるで初々しいカップルじゃないか。いや待て俺。  
こいつはハルヒだぞ。傍若無人で、唯我独尊で、焼肉定食で、えーととにかく落ち着け俺。  
バクバクと16ビートを打つ心臓を落ち着かせるために、深呼吸しようと突き出した手を、何を勘違いしたのか、ハルヒが握り返してきた。  
しかもこいつはいわゆるひとつの恋人繋ぎってヤツじゃないか。驚いてハルヒをまじまじと見つめると、「なんか今日暑くない?」などと、のたまいながら、  
真っ赤な顔を手でパタパタと仰いでいる。どうにも扱いの困ることだが、振り解くのも忍びないので、俺たちはそのまま電車に乗って映画館へと向かった。  
 
着いた先は、いつかミヨキチと来た単館系映画館だった。知っててここを選んだんだじゃないだろうな?  
しかもハルヒの見たい映画も、B級の匂いがぷんぷん漂うスプラッタ系ホラーだった。それもR-15指定のマニアックなやつ。お前こういう映画好きだったっけ?  
「この映画は本物のお化けが映ってるっていうんで、本国では公開差し止め騒ぎが起きたものなのよ。まあ映画に映るほど間抜けなお化けもいないでしょうけど、一応チェックしておくのがSOS団団長としての勤めだわ!」  
そんな分かりやすい煽りに引っかかるなよ。まあいいんだけどな。俺もこの一年でこういったジャンルには、いやでも強くなったし。  
でも、映画館に入った途端、ジャケットの袖をひしっと掴んでいる手が、微妙に震えているのは何故なんだろうな?ハルヒの意外な一面に、思わずにやける自分を無理やり封印した俺は、割引券を厳かに下さった団長様のために、  
チケットどころか、勢い余ってパンフとコーラとポップポーンをも購入していた。券売り場のおばちゃんの、初々しいカップルを見守るような生暖かい視線が突き刺さる。  
まあ勘違いとはいえ、いちいち訂正するのも大人気ないからな。とりあえずそういうことにしておくさ。  
 
そんなことはさておき、相変わらず広いとは言いがたい劇場は、日曜日だというのに閑散としていて、ほとんど貸切状態だった。  
やはりマニアックすぎる映画なんだろう。せっかくなので、昨年と同じくベストポジションと思われる中央の席に陣取ろうとした俺を、ハルヒは確固たる意思を持って押しとどめた。  
「真正面から睨みつけたらお化けだって恥ずかしがって出てこないかもしれないじゃない!まあ、こ、この辺の席がいいんじゃないの?」  
と、ハルヒが指し示したのは、上段の右隅に程近い3人がけの小さなシートだった。ふむ。  
真正面からは怖いならそう言えばいいのに。その微笑ましいチョイスを受け入れ、俺たちはそこに腰を下ろした。  
もちろんこの時点で俺は、わざわざ人から離れた席を選んだハルヒの秘めたる狙いなど、まったく知る由もなかったが。  
 
映画が始まると、予想通りの紛うことなきB級ホラーだった。画面の端に本物の幽霊がしのんでいそうな雰囲気は微塵にも感じられない、  
あからさまなハリウッドムービーだ。とはいえ、びっくり演出のたびに小さく叫び声を上げるところを見ると、意外にも団長様はお気に召したようだ。  
そのたびに俺の腕にすがり付いてくるのは、まあ条件反射ってヤツだろうよ。だが、毎回毎回弾かれたように慌てて離れるこいつがちょっとかわいそうなってきた。  
いくら相手がハルヒとはいえ、怖がる乙女に変な遠慮をさせるのは、漢としてあるまじき振る舞いだからな。  
と、誰へ言い訳をしてるんだか分からないが、遠慮がちに俺の裾を掴んでいた手をそっと握り返すと、驚いた猫のようにこちらを見つめていたハルヒは、ゆっくりと、ぎこちなく俺のほうにもたれかかって来た。  
シャンプーのほのかな香りが鼻をくすぐる。うーむ、やはり高校生のデートってのはこうでなくちゃ。って相手はハルヒで、今日は不思議探索番外編だったな。いかんいかん。  
 
湧き上がる邪念を振り切るためにも、俺は映画に集中することにした。テンプレートをなぞるようなベタな展開であるが、  
ネットサーフィンが唯一の団活であるハルヒが選び抜いただけあって、いい感じのサプライズとマニア心をくすぐる笑いに満ちている。  
で、ストーリーはそろそろクライマックス・・・の前に、一息ついたあたりで、俺は体の一部の違和感に気づいた。  
 
それは、正体不明の怪物に追い詰められた主人公とヒロインが、篭城した密室で愛を確かめ合うという、ありきたりでお約束な濡れ場ってやつを見ていたときのことだった。  
R-15指定がかかっているだけあって、それなりになんというか、モザイクこそ掛かるような代物ではないものの、声援のひとつも送りたくなるシーンだ。  
隣に座るハルヒは興味津々で食い入るように見つめて・・・いるかと思ったら、さっきから困ったよう顔を伏せている。  
そういえば、こいつは意外とウブなんだっけか・・・ってちょっと待て、その顔は伏せすぎじゃないか、ハルヒ?  
 
落ち着け。とりあえず現状を確認しよう。おーけー。さっきまでのハルヒは、俺の腕を抱え込むようにして映画を楽しんでいた。  
ちょっと抱え方がきつ過ぎるのは、ホラー映画の鑑賞には、ありがちなことだ。俺の二の腕から肘あたりが、想像していた以上に大きく隆起した柔らかな感触を味わってしまったのも不可抗力というもんだろう。  
途中でさりげなくシャツの袖を捲り上げたのは、暑くなってきたからであって、深い意味はない。そこ、へんな誤解をしないように。  
 
で、問題のシーンが始まった。マニア向けに作りこまれた映画だけあって、こういうシーンも、レベルが高い。  
とある人物なら「・・・ユニーク」と評すであろうが、今はそんなことはどうでもいい。あんまりこういうシーンをまじまじと見つめていると、後でどんな仕打ちを受けるか分からんからな。  
とりあえずハルヒの様子を横目でチラリと伺うと、団長様は見る気なんてないわ!と声高に主張するかのように、俺のつま先あたりに視線を固定していた。  
今日はこいつの意外な一面ばかり見るな。とはいえ、ハルヒがこっちに気づいてないんなら、朝比奈さんや長門に通報される心配もあるまい。  
なによりも映画に集中しないと、製作者に申し訳ないだろう、ってことで遠慮なく・・・ふむふむ。そうきますか。  
ほほう、最近のR-15はここまでやるんか。おっ、貪るような熱いキスを繰り返していたヒロインの頭が、自然と主人公の下腹部へ・・・  
って、おいおい、画面から切れてるとはいえ、何をしているかは一目瞭然じゃないか。しかも、臨場感あふれる生々しい音が足元から・・・けっこう音響にも凝ってるなあ。  
おおう、まるで自分がされているような感触まで・・・ってハルヒさん?  
 
さて、もう一度落ち着いて、現状を確認しよう。敵を知り、己を知れば何とやらだ。  
さっきまでハルヒは映画から目をそらし、俺のつま先の方あたりを凝視していた。  
ということは、まあなんというか、俺の若さゆえの身体の一部の変化がばっちりと観察されてしまったわけだ。  
とはいえ、こいつは映画に現れる幽霊なんぞよりも、よっぽど珍しいほんまもんの清純派女子高生だからな。  
ジーンズのファスナーとトランクスのボタンを開けてくれたのは、あまりにも窮屈そうな体の一部を見かねただけであって、他意はあるまい。  
いやはや、こいつにこういうさりげない優しさがあったなんて目からウロコだな。で、開放された愚息が怒髪天をついて勢い良く飛び出してしまったのは、自然の摂理ってもんだ。  
いや、この時点で異常事態に気づいてはいたんだ。だが、ここで変な挙動を示せば、ハルヒにあらぬ誤解を与えて、傷つけてしまうかもしれない。  
今日一日を気まずい雰囲気で過ごさないためにも気合を入れて映画に・・・って、このシーンは、気合を入れれば入れるほど、局所集中的に気合が入ってしまうじゃないか  
。いかんいかん。心頭滅却すれば火もまた涼しだ。そうだ、素数を数えよう。1匹、2匹、3匹、4匹・・・うぉい!これじゃ羊じゃねーか。  
というわけで、ひんやりとした何かが愚息にからみついたことに気づかなかったのは、心頭を滅却しすぎた集中力がなせる不可抗力ってやつだ。  
そうそう、俺がそのすべすべとした感触のものに手を添えて、上下運動を促してしまったのも、無意識のなせる業であって、こんなことに何か意味を求めるのは野暮ってもんだ。  
 
・・・いや、そろそろ白状しよう。俺はこの時点で、ハルヒとばっちりと目が合った。  
拒絶する気があるのなら、ここでやさしく手をどかすべきであっただろう。  
ハルヒのことだ。このあと何事もなかったように、いつも通りに傍若無人に振る舞い、それなりに楽しい休日を過ごせたに違いない。  
だが、時折明るくなる暗がりの中に浮かんだハルヒは、目を潤ませて、震えながら祈るようにこちらを見つめていた。  
美少女のこんなに無垢で必死な上目遣いを断れるやつがいたらここに来い。俺は小さくうなずくと、ハルヒの小さな頭を軽くなでてやった。  
そのときのハルヒに浮かんだ表情を、なんと表現すればいいのだろうか。  
俺の肯定を認めた瞬間、羞恥と緊張で強張っていた表情が、春風に当てられた淡雪のように溶けていき、  
そのあとには、自分が受け入れられた安堵と、すべてを受け入れる真摯な覚悟が残されていた。まさにそれは、少女が大人へと脱皮してく瞬間にのみ許される、深く澄み切った笑顔だった。  
 
意を決したように、ゆっくりと上体を伏せて愚息に顔を近づけたハルヒは、まるで聖遺物にかしずく聖職者の様に、それに丁寧なキスをした。  
びくりとモノが反応する。驚いたハルヒは許しを請うように、慌てた視線を俺に送った。苦痛を与えてしまったと心配したのだろう。  
俺はその勘違いを諭すように優しくその頬を撫で、もう一度、頭を股間へと導いた。再び繰り返される決意と慈愛に満ちたキス。  
そして、俺の反応も快感ゆえのものと理解したハルヒは、欲しかったおもちゃを与えられた子供のようにニッコリと微笑んだ。  
「くっ」  
おずおずと突き出された短い舌が、ソフトクリームをなめるように這い廻る。背骨を駆け上がるジンジンと痺れるような快感。  
稚拙でぎこちない舌使いが、逆にその質を倍化させ、必死さと好奇心にあふれた表情が快楽中枢を蕩かす。  
 
「ぐっ」  
唾液でてらてらと輝く愚息と、それに頬ずりするハルヒの無邪気な笑顔のコントラストは、凶暴なまでの快感を伴って俺の抵抗力を蝕んでいった。  
こうなるとこっちも暴発を抑えるために必死だ。だが、眉間にしわを寄せ、迫り来る快楽に耐える俺の表情は、こいつにとって最上級の褒め言葉すぎない。  
いたずらに成功した子供のように、いつもの100万ワットの笑みを浮かべながら、ハルヒはペロペロと舐め上げるピッチをだんだんと速めていった。  
 
「ぐがっ」  
まったく、こんな焦らし戦術をいったいどこで覚えてきやがったんだ。オーケー、もう降参だ。とっとと止めを刺してくれ。  
俺は、鈴口からにじみ出る先走り液を興味深げに舐め取るハルヒの頭を両手で掴むと、その小さな口に乱暴に息子を突き刺した。  
 
驚いたように目を見開き、狼狽した視線を泳がすハルヒ。  
初めて口腔を陵辱される驚きと、咽奥にかかる苦しさでえずいたハルヒは、ぶはっと愚息を吐き出してしまった。  
「キョ、キョン、あたし、その、ごめんね、ほんとに、えと・・・」  
急に凶暴な行為をされて、何か粗相をしでかしたと思ったのだろう。  
信じられないくらいにオロオロと狼狽して何度も謝るハルヒを見て、俺はこれがこいつにとって初めての経験であることを思い出した。  
「すまん、ハルヒ。あんまり気持ちいいんで、つい無我夢中に動いちまった。ほんとにすまん。大丈夫だったか?」  
まったく俺ってヤツは、なんてことを仕出かしたんだ。初経験じゃ焦らそうなどという意思があるわけがない。  
小声でハルヒに必死に謝りながら、何度も髪を梳くように撫でると、くすぐったそうに、はにかんだハルヒは、ようやく安心してくれたようだ。  
「別にいいの。でもあたし、まだどうしていいか分からないから・・・キョンが好きなように動いていいよ」  
俺に余計な心配をかけるまいと、健気に微笑んだハルヒは、先程の技術をマスターすべく、口を精一杯に開いて、愚息にむしゃぶりついた。  
 
だが、咥えてはみたものの、どうしていいか分からないハルヒは、上目遣いで指示を乞うてきた。急激に罪悪感と愛しさが募る。  
いったん口を離させて、前のシートとのスペースにハルヒをひざまずかせた俺は、ゆっくりと頭を撫でながら、小声で一つ一つ指示をはじめた。  
「まずはちょっと咥えて、そのまま舌を動かしてくれ。うん。そうだ上手いぞ。いてっ、歯は当てないようにしてくれ。そうそう、うん。それでいい」  
とりあえず亀頭を口に含ませながら、ねっとりと舌を回転させるように命じる。  
戸惑いつつも、必死に奉仕する美少女の顔に自分のモノが突き刺さる光景は、最上級の倒錯した快感を脳天に刻み込む。  
「じゃあ、少し奥まで咥えてみてくれ。そうだ。ゆっくりでいいぞ。うん。いけるとこまでいったら戻してくれ。よーし。くっ、上手いぞハルヒ。引くときには思いっきり吸いながら、唇と頬をすぼめるんだ」  
何事にも一生懸命に取り組むハルヒは、しばらくは命令を忠実にこなしていたが、独特のカンで、すぐにコツを掴んだようだ。  
初めは、チュパチュパと控えめに試行錯誤を繰り返していたものの、俺のあげるちょっとした反応を拾って、着実にポイントを覚えはじめた。  
そして、一度学んだ技術は決して忘れず、だんだんとジュボジュボと大胆な音で、モノを蕩かさんばかりに舐めしゃぶりはじめた。  
陰茎を咥えながら、上気した頬とトロンと潤んだ瞳で許しを請うように俺を見上げるハルヒは、この上なく淫らだった。  
だが不思議なことに、頬を極端に窄めたそのフェラ顔は気品にあふれ、むしろ涎にまみれるほどに優雅さを増していった。あまりの妖しさに新雪の平原を踏み荒らしたくなるようなドス黒い衝動が湧き上がる。  
だが同時に、このアンバランスな美しさは、どんな手段をもってしても、堕ちるどころか、昇華されていくだけだという確信があった。  
 
もはや指示を与えるどころではない。間断なく湧き上がる快感に必死に抵抗すべく、意識を他に逸らそうにも、それを敏感に察知したハルヒが、さらに激しくキツツキのように攻め立てる。  
無理やり咎める表情を作って団長を睨むと、視線をあわせた瞬間に、ハルヒはすべてを蕩かす媚惑的な微笑を浮かべた。  
 
うん。これ無理。  
打ち上げられたスペースシャトルのように急上昇するフェラテクの前に、俺はあっけなく降伏を決心した。  
だが、このままなすがままにされしまっては、一生こいつに頭が上がらなくなる気がする。これはけっこう切実かつ重要な問題だ。  
一瞬のうちに覚悟を決めると、俺はハルヒの小さな後頭部に両手を添えた。こいつにも俺がスパートに入った事が分かったのだろう。ちょっと見上げてニヤリと微笑むと、すべてを任せるかのようにゆっくりと目を閉じた。  
 
甘いぞハルヒ。男の恐さをその体に刻み込め!急激に膨れ上がるドス黒い衝動を抑えようともせずに、  
俺はハルヒの頭を固定すると、まるでオナホールでも使うかのように、その狭い喉奥に向かってピストン運動を開始した。  
初めて男を受け入れた口腔が激しい陵辱に耐えられるわけがない。それでもハルヒは、突きこまれる度に訪れる苦痛を必死に受け入れた  
。ぎゅっと閉じられた目尻からは、ボロボロと涙がこぼれ、唇の端からはだらだらと涎が糸を引く。だが、それでもハルヒは俺を拒もうとしなかった。  
「出すぞハルヒ!思いっきり吸え!」  
驚くべきことに、自分でも無茶だと思う命令を、ハルヒは忠実に実行した。その健気さに、猛烈な愛しさと、相反するような加虐心を伴った快感が爆ぜる。  
 
最後の一撃を最も深い部分に突き入れ、すべてを開放した瞬間、俺は目の前が真っ白になった。脳から直接噴き出すような愉悦の激流。  
それは延髄を痺れさせながら背骨を蕩かして駆け下り、ハルヒの喉奥へと直接注ぎ込まれた。  
ビュクビュクと蛇口を全開にしたような勢いで放出される白濁は、もはや飲み下すなどという生易しい状況ではない。  
それでも頑張ってコクコクと喉を鳴らしていたハルヒも、そのあまりの量に、ぶはっとむせながら息子を吐き出してしまった。  
だが、止まるところを知らない奔流は、そのままの勢いで、まだあどけなさを残す美少女の顔を白く染め上げていく。眉間に、頬に、鼻筋に。  
俺の白濁を顔全体にねっとりと絡みかせたハルヒは、うっとりと陶酔の表情を浮かべていた。  
 
永遠に続くかと思われた長い長い噴出が終了すると、口中にあふれた白濁をコクリと飲み下したハルヒは、  
卵形に整った顎の下に手を添えて、糸を引いてこぼれ落ちてくるネバネバを一滴残らず集めはじめた。  
そして、手のひらに溜まった生臭いものを、まるでミルクを与えられた子猫のような表情で、ぺちゃぺちゃとおいしそうに舐め下していった。  
虚脱状態の俺と目が合うと、ハルヒは、はにかんだ微笑を浮かべながら、顔中に撒き散らされた白濁を指で集めては、丹念になめ上げていく。  
そして、ようやく勢いを失い始めた愚息を丁寧に舐め清めると、いとおしむように尿道に残った最後の雫をちゅっと吸い上げた。  
 
荒い息を吐きながら、その一部始終を呆然と見守っていた俺は、我に返った瞬間、猛烈な罪悪感と、取り返しの付かないことをしでかしてしまった自己嫌悪に襲われた。  
「ハ、ハルヒ、お、おれは、なんてコトを・・・!」  
だが、俺の唇に人差し指を当てて、その言葉をさえぎったハルヒは、愛しいわが子を励ますような穏やかな微笑を浮かべたまま、俺の頭をその胸にぎゅっと抱きかかえてくれた。  
暖かい手がいい子いい子をするように、優しく背中をさする。真っ白な幸福感に包まれた俺は、一生この唇から逃れられない確かな予感を、充実した喜びとともに噛みしめた。  
 

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