幸せの余韻を十二分に満喫したあと、我に返った俺たちは、クライマックスシーンで映画館をあとにするという暴挙に出ざるを得なかった。  
いくら周りに人がいなかったとはいえ、音を聞かれてたら、何をしてたかは容易に想像がつくからな。  
てか、ここってこういう利用者多いんじゃね?  
慌ててハルヒの手を引いて外に出ると、あのハルヒが今にも消え入りそうな顔で、真っ赤になってうつむいている。  
暗がりでは、あんなに大胆だったが、光の下では普段の団長様に戻ったということだろう。  
なんとなく気まずい思いで、なはは、と苦笑いしつつ顔を見合わせると、ハルヒの顔には先程の残渣が、まだ少しこびりついていた。  
そのちょっと怒ったような、はにかんだ笑顔と、あり得ないはずの物体のコントラストが、光の下でより鮮明に映える。  
まずいなこりゃ。さっきあれだけ出したのに、またムクムクと元気になっちまいそうだ。  
「あー、ハルヒ、その、ちょっと化粧室に行ってきたほうがいいかもしれないぞ」  
「え?まだ残ってる?」  
俺の視線に気づいたのか、不思議そうな表情で自分の顔をぺたぺたと触りながら、  
その指を舐めるハルヒは、自分の大胆すぎる行動に気づいたのだろう。  
うなじまで真っ赤になりながら、小声でバカッと叫ぶと、全速力で化粧室に駆けていった。  
5分程かかって出てきたハルヒの顔は、すっかり朝に会ったときと変わらぬ様子に戻っていた。  
もっとも、目が合うたびに真っ赤になってそっぽを向いてしまうから、朝とまったく同じってわけではないけどな。  
「えーと、今日はこれからどうする?腹ごなしに喫茶店にでも行くか?」  
「・・・そ、そうね」  
蚊の泣くような声で答えるハルヒは、さっきからしきりとスカートのすそを気にしながら、  
もじもじと落ち着かない様子で辺りを見回している。  
自分でも信じられないくらいの量を飛ばしたからな、目立たないけど、どっかにこびりつけちまったのかもしれん。  
「あーハルヒ、喫茶店の前にちょっと服屋にでもよっていこうか?」  
「ひゃ!?え、いや、なななんでもないわ!じゃあ○○デパートに行くわよ!」  
「OK。そうしよう」  
ということで、とりあえず俺たちは、最寄りのデパートの女性向けファッションのフロアーを目指した。  
ここは男一人では絶対にうろつけない魔境だからな。これを機会にちょっと一回りするのも悪くなかろう。  
と、思っていたのだが、エスカレーターを降りたところで、ハルヒに足止めされてしまった。  
「あんたは、ここで待ってなさい」  
「ああ、別に構わんが、なんでだ?」  
「すぐに戻るからつべこべ言わないの、いーわね!」  
ビシッと人差し指を突きつけると、俺の素朴な疑問にも答えず、ハルヒはターっと小走りでどこかに駆けていってしまった。  
ああ見えても年頃の女の子だし、男に見られたくない買い物でもあるんだろう。ちょっと寂しいが仕方あるまい。  
妹もいつかはこんなことを言い出す日がくるんだろうかと、感慨にふけりつつ、待つこと数分。  
さっきとはうって変わって、落ち着いた様子で戻ってきたハルヒだが、目だけは不安げに泳いでいた。  
「ま、待たせたわね」  
「いいさ。それじゃ、ちょっくら他の階でも探索するか」  
あからさまにほっとした顔を見せるハルヒの様子を察して、とりあえず、雑貨屋などが集まるフロアーに移動することにした。  
さっきまで目をあわせようとしなかったハルヒも、奇妙キテレツな小物をためすがめす見ていくうちに、  
いつもどおりの元気を取り戻してくれたようだ。  
「見なさいキョン!これ、あんたにそっくり!」ってなんでここでまたトナカイねたを蒸し返すかね。  
「ねえキョン、これ可愛いと思わない?」「ああ」「キョン、これ可愛いと思わない?」「そうだな」  
「こ れ か わ い い と お も わ な い ?」「ハイハイ分かりましたよ」  
3回目であっけなくギブアップした俺は、そのへんてこりんなヌイグルミをプレゼントさせられる羽目になった。  
「ありがとっ!」ってコラ、無理やり買わせたくせに、そんな満面の笑顔で礼をいうな。反論する気も失せるじゃないか。  
どこがいいんだか俺にはさっぱり理解できんが、ハルヒはその物体をまるで宝物のように、ぎゅっと胸に抱えて、  
ずーっとニコニコと微笑んでいる。まあこんなに嬉しそうなら、その価値は十分にあるに違いない。  
 
そうこうするうちに、時計はそろそろ12時を越えていた。  
「昼飯はどうする?ハルヒ、どっか行きたいところあるか?」  
「ここのデパ地下は、○×レストランのランチメニューがテイクアウトできるって前にテレビが言ってたわ。  
いつかSOS団でレストランを開くときの偵察よ。がっちり味わってやろうじゃないの!」  
ううむ。有名ホテルのレストランランチをテイクアウトときましたか。最近のデパ地下はすごいね。  
と、戦々恐々してみたものの、意外なほどのお手軽値段でランチボックスを手にした俺たちは、  
デパート屋上のベンチでお昼を頂くことにした。  
昔は安っぽい遊具が散在していた屋上も、今はすっかり様変わりしちまったようで、  
都市緑化なんたらの影響か、小奇麗な庭園になっていた。  
しかも日曜の割には空いていて、そこかしこに陣取るカップルにとって、意外に便利な穴場になっているようだ。  
 
4月前とはいえ、ぽかぽか陽気が心地良い。ランチボックスはさすがにハルヒが厳選してきただけあって、  
お値段が逆に法外とも思えるほどうまかった。  
といっても、その9割は満面の笑顔で、ほおばるハルヒの様子を見守っていたせいであるが。  
俺の視線に気付くと、ハルヒは真っ赤になって、ぷいっと横を向いてしまった。悪いことしちまったかな。  
こいつも一応女の子だ。食べている様子を見守られるのは、それなりに恥ずかしいのかもしれん。  
「あ、あのさ・・・その、さっきは悪かったわね」  
ああ、そっちのことか、と、ちょっと安堵しつつ、腹がいっぱいになった俺は、うららかな日差しの下で、  
チラチラとこちらを睨んでは目を逸らす団長様との会話を楽しむことにした。  
「いいって、デパートで待ちぼうけを食らうのは、妹の世話で慣れてるからな。  
といっても、あいつの場合はおもちゃ売り場だけどさ」  
そうなのだ。デパートに行けば、最低1時間はおもちゃ売り場から離れない妹を監視するのは、いつも俺の役割だった。  
その間に両親は、つかの間の夫婦水入らずを楽しむんだろうから、これも親孝行ってもんだろう。  
「いや、それだけじゃなくてさ、その、映画館で・・・あのさ、あんた、あたしのこと軽蔑した?」  
俯いたままのハルヒは消え入りそうな声で、きわどい質問をぶつけてきた。  
でもまあ、なんというか苦笑いするしかないかな、これは。  
「そのことだったら、こっちこそすまん。いやいや、ありがとう、だな。それにあれは100%俺のせいだから、気にしないでくれ。  
そんなに気にされると、思い出しちまって、また収まりがつかなくなりかねないし。なーんてな、ははは」  
と、笑い話にしてこの話題を打ち切ろうとした俺は、初めて見るハルヒの怯えるようなまなざしに気付いた。  
「ちがうのよ。あれは、あたしが・・・その・・・あんたさえよければ、いつでもまた・・・」  
と、そこまで言って、その言葉の重要性に唖然とする俺の表情に気付いたハルヒは、  
「なんでもないわっ、じゃねっ!」  
顔をこわばらせてパッと立ち上がると、脱兎のように駆け出した。  
ここでこいつを行かせてしまったら、おそらく俺たちは一生ぎこちない笑顔でしか話せなくなる。  
無意識に動いた右手は駆け出そうとしたハルヒの腕をつかんで引き寄せ、逆にひざの上で横抱きにしていた。  
パニック状態でワタワタと暴れるハルヒをみて、自分でも気味が悪いくらい冷静にな判断を下したと思う。  
そう、俺は迷わずその桜色の唇を吸っていた。  
「!!!」  
驚愕ですべての動きを停止したハルヒは、やがて観念したようにゆっくりと目を閉じた。  
なんか順番が逆な気もするが、一応これがこの世界でのファーストキスってやつだ。  
心ゆくまでたおやかな唇を堪能した俺は、名残惜しいながらも、いったん離れた。  
 
「どうしたんだよハルヒ?言ってみな」  
至近距離で目が合うと、まぶしそうに逸らすハルヒは、必死に何かを伝えようとして、それでもかたくなに口を閉ざしたままだった。  
喉まで出掛かっている言葉は、こいつにとって、命をかけてもいいくらいの一生一代の告白なのだろう。  
わなわなと震える唇が愛おしい。  
今ここでこいつの言葉を引き出してあげなければ、俺の方がずっと後悔を抱えることになりそうだ。  
「ハルヒ。言え。言わないと、今日のことをみんなにばらすぞ」  
全くでたらめだ。そんなことをすれば、自分の方がずっと困るにきまってる。  
だが、逃げ道を開ければ、言葉は自然とあふれ出す。  
「ちょっとそんな。でも・・・その、あたしは・・・」  
もう一押しが必要だな。それにしても、どこをどう間違ったら、こんな言葉が出てきたんだろう。  
いくら思い返しても分からない。が、結果的に、それは俺たちの今後を決める言葉となった。  
「お前は今日から俺のものなんだハルヒ。いやとは言わせないぞ!」  
その強い口調に、ハルヒはびくっと震えて全身を硬直させた。  
そして、かたくなに閉じられた目が再び開かれたとき、その瞳には、安堵と恍惚の光が浮かんでいた。  
「そっか。今日からあたしはキョンのものなんだよね」  
ハルヒの心を縛っていた理性の光が消え、代わりにちろちろと情欲の炎があふれ出す。  
「ああ、そうだ。今日から涼宮ハルヒは俺のものだ。だから、言いたいことがあるんだろ。全部言え」  
「うん。あの、あのさ、あたしはきっと変態なのよ。前に恋愛は精神病って言ったけど、あたしのはかなり重症。  
だってさっき、キョンの、その、キョンのをしゃぶりながら、あたし気持ち良すぎて意識が何度もなくなってた。  
あたしは昔から指しゃぶりの癖が抜けなくて・・・何度も直そうとしたけど、ダメだったの。  
あたしんち、昔から親の留守が多くて、小さいときは指をしゃぶっていれば安心できたんだけど、今はその・・・」  
そこまで言って、おずおずとこちらを見上げるハルヒの頭を、俺はゆっくりとなでた。  
くすぐったそうにするハルヒは、安心したように、告白を続ける。  
「今日ようやく分かったの。あたしは口で感じるのよ。  
さっきキョンのを口に挿れてもらったとき、あんまりにも気持ちよくて、びっくりして離しちゃったの。  
それからまた挿れてもらって、口の使い方を教えてもらって、口全体がキョンでいっぱいになって、  
なんか頭がキョンで溢れてきちゃって。それで・・・」  
きょどきょどと目を泳がせるハルヒは、許しを請うように何度もこちらをチラチラと見上げては、慌てたように視線を逸らす。  
そんな必死な反応が可愛くて、ついつい虐めたくなってしまった。  
「じゃあもしかして、ものすごい濡れちゃったのか?映画館のトイレに行ったあと、もじもじしてたろ」  
ハルヒはヒッと小さく悲鳴を上げたあと、うなじまで真っ赤にしながら、観念したように小さくコクリと頷いた。  
「だってしょうがないじゃない。その、びっくりするくらいびしょびしょで、  
トイレで脱いだけど、替えなんて持ってきてないし、それで、さっき、洋服屋さんで」  
そりゃあそんな理由で下着を買うとこを男に見られたくないよな。どうりで慌てて走っていったわけだ。  
「ってことは、映画館からここまでは、ノーパンだったってことか?」  
俺のぶしつけな質問に、またびくっと震えたハルヒは、今にも泣きだしそうな顔で、  
朝比奈さん張りの小動物のような視線を俺に向けた。  
やばい。可愛すぎる。こんな顔されたら、ますます虐めたくなるじゃないか。  
自分のどこにこんな加虐心があったんだか知らないが、俺は不思議なほど自然に、命令を下していた。  
 
「ハルヒ、今日買ったやつ見せてみな」  
??という顔をしたハルヒは、ヌイグルミの袋に手を伸ばそうとするが、ぎゅっと抱きしめてその行動を止める。  
「それじゃなくて、他に買ったんだろ」  
さらに???という顔をしていたハルヒは、俺のいった意味が分かった途端、プルプルと激しく首を降った。  
だめだ。可愛すぎる。これじゃ、もっと虐めてくださいっていってるようなもんだ。  
あくまで優しく頭を撫でながら、俺は冷酷に命令を続けた。  
「俺のものになったんだろハルヒ。じゃあいま身につけてるものも俺の物だ。俺は自分のものを確認するだけだよ」  
「な、なに言ってるのよ、このエロキョン!だってほら、ここじゃ誰か他の人に見られちゃうかもしれないし、  
それにそれに慌ててたから、可愛いの選べなかったし、えーとそれにほらその」  
パニくりながら必死にスカートのすそを押さえて言い訳を考えるハルヒ。  
だが、よく聞いてみると、別に俺に見せることを拒否してるわけじゃないな。じゃあ、そのわだかまりを取っ払ってあげましょう。  
ってことで、俺はジャケットを脱ぐと、横抱きにしているハルヒの肩からかけた。  
しおらしく縮こまってしまった華奢な体は、それだけですっぽり覆われてしまう。  
「よし。これで見えないぞ。ほら周りを見てみな」  
「キョ、キョン〜」  
一歩一歩追い詰められながらも逡巡するハルヒは、目尻に涙をためて許しを乞うてきた。  
しかし、俺は、その瞳に一瞬浮かんだ恍惚とした光を見逃さなかった。  
「だめ。ハルヒは可愛いからダメ。ほれっ自分でスカートずり上げて、下着を見せなさい」  
駄々っ子に言い聞かせるように、よくわからない理屈で諭すと、ちらりと周りに目をやったハルヒは、  
ぎゅっと目を閉じたまま、観念したようにジリジリとスカートを上げていった。  
 
ゆっくりと顕になっていくハルヒの太もも。  
ピンと今にも弾けんばかりに張り詰めたそれは、劣情を抱くことをためらわせるほど、健康的に輝いていた。  
だが、ぴっちりと閉じられた股の付け根から布地が現れた瞬間、  
その健康さは、布地と織り成すコントラストと相まって強烈な破壊力をともなって、俺の理性を突き崩した。  
次第に顕になっていくハルヒの秘部を守る最後の砦は、シンプルなコットン製で、しかも、スカイブルーの横じまだった。  
ぐはっ!わかっていらっしゃる!!!正直堪らないとかいうレベルじゃねーぞ!!!!!!!!  
ハルヒにしてみれば、初めて好いた男に魅せるための下着は、もっとかっこいいものがよかったのだろう。  
だが、これは、どんなに高級な下着よりも、男の理性を奪うのに効果的だった。  
 
状況を確認しよう。今、俺は燦々と輝く太陽の下、人目が少ないとはいえ、  
デパートの屋上で、ハルヒの下着と、それを恥らう乙女の表情をじっくりと鑑賞している。  
そして、その体勢は、ハルヒが俺のひざの上に横抱きに座っている状態だ。  
つまり、ハルヒの小ぶりながらも、みっちりと存在感を示すお尻の下に、愚息が息づいているわけだ。  
当然のことながら、この天上の神々すら垂涎するであろう眺めで反応しないほど、俺は年を食っちゃいない。  
いくらジーンズとスカート越しとはいえ、密着しているハルヒには、自分の行為が、俺にもたらす反応をはっきりと認識しているはずだ。  
ハルヒよ、すまんが、これは条件反射みたいなもんだと思ってくれ。愚息の窮屈さを悟ってくれたのだろう。  
ハルヒはちょっと位置をずらそうと、もぞもぞとお尻動かした。当然、柔らく弾力に富んだ感触がダイレクトに刺激する。  
 
うん。これ無理。てか、この子わざとやってない?  
ぎりぎりの理性を保っていた最後の砦があっさりと崩れると、俺は片手でハルヒの肩を強く抱き寄せて、  
もう一方の手でハルヒの太ももをまさぐった。  
しっとりと滑らかで、きめ細かく指に吸い付くような感触。それでいて指を押し返す弾力。ぐっと力を入れれば、  
指の間からみっちりと柔肌がはみ出るくせに、一瞬後にはその完璧な形に戻っていく。  
俺の興奮に反応するように、ハルヒの太ももはしっとりと汗ばんでいった。  
白磁のような肌は、うっすらと上気して桃色がかっていき、より滑らかで、吸い付くような感触を増していく。  
夢中でハルヒの太ももを楽しんでいた俺は、頬を朱色に染めて苦しげに浅く息をつく桃色の唇を発見し、  
おぼれるものが空気を求めるように、むしゃぶりついた。  
激しく口をこじ開けようとする俺の攻撃に対し、おずおずと迎撃に差し出された舌を乱暴にすすり、  
さらにおかえしとばかりに、唇の裏側から頬の内側までを丹念に嘗め回す。  
さっきとは違う濃厚な大人のキス。1分も続けないうちに、ハルヒの秘部を守る布は、明らかに分かるくらいに湿り気を帯びてきた。  
こいつが口で感じるってのは、本当のことらしい。ついうれしくなって、ハルヒのすべてを貪らんばかりに、その小さな口を蹂躙し続けると、  
5分もしないうちに、びくりと体を硬直させ、ぐたっと体の力を抜いた。キスだけで、本当にいっちまったのか。  
末恐ろしい感度だ。だがこれで満足してもらっちゃ困るぞハルヒ。これから息子でさらに満足してもらうんだからな。  
 
俺は幸せそうにボーっとするハルヒに荷物を持たせ、お姫様抱っこで抱え上げると、なるべく人目のつきにくそうなベンチに移動した。  
途中で我に返ったハルヒは、恥ずかしさのあまり、パタパタと暴れて降りようとしたが、ぎゅっと強く抱きしめると、  
すぐに観念したようで、軽い怨嗟と媚を含んだ目で俺を睨んでいる。周囲からは、バカップルを見守る生暖かい視線が突き刺さる。  
普段の俺なら恥ずかしさのあまり逃げ出していただろうが、ハルヒの瞳は俺の羞恥心を麻痺させるのに十分な威力を秘めていた。  
 
ちょっと行くと、ちょうどいい具合に生垣と丸テーブルに遮蔽されたイスを発見した。  
これならあまり目立つことはあるまい。俺はそこにハルヒをそっと下ろして、隣に座った。  
すがりつくようにぴったりと身を寄せてくるハルヒからは、男の理性を根こそぎ奪いつくすフェロモンが漂ってくる。  
とりあえず、先程の続きで太ももを撫で回すと、潤んだ瞳を閉じて唇を突き出してきた。  
それをわざと無視して、おでこに軽くフレンチキスをすると、ちょっと不満げに尖る唇が愛しい。  
「またキスでイきたいのか、ハルヒ?とんだ淫乱だな」  
びくっと震えたハルヒは脅えた様子で目をそっと開けた。軽蔑されたと勘違いしたのだろう。  
その目には涙が浮かんでいる。その切なくなるほど不安げな表情を十分に堪能した俺は、謝るようにゆっくりとキスをした。  
うっとりと目を閉じたハルヒは、今度は自分からおずおずと舌を絡めてくる。  
その積極性をほめるように、その甘い舌を吸い上げると「んっ!」と悩ましげな声を上げたハルヒは、  
顔を斜めに傾けて腕を首にからめ、積極的に唇を貪ってきた。  
あえて何もせずにいると、自分の敏感なポイントを俺に教えるかのように、長く濃厚なキスを施してきた。  
何度もお互いの唾液が行き来し、唇の端から垂れる。  
初フェラであれだけのテクを披露した才能はここでも遺憾なく発揮され、小さな舌がリズミカルに俺の口内を舐め上げていった。  
やばい、このままじゃ背骨まで蕩けそうだ。  
悩ましげな吐息を漏らしながら、スパートをかけるハルヒの唇を、俺は断腸の思いで引き剥がすと、  
その華奢な肩をぐいっと掴んで股間の辺りに引き寄せた。お互いの口から濃厚な唾液がたらーと糸を引く。  
なんで?と問いかけるように小首を傾げるハルヒは、何をすべきか分かった瞬間、顔がぱっと明るくなり、  
命令される前にいそいそと俺の足の間に挟まれるポジションに跪いた。  
ジッパーに伸ばされる手を押しとどめつつ、回りを確認し、俺はハルヒを隠すように、ジャケットをふわりと膝にかける。  
「これで周りからはほとんど見えないからな。さて、ブラウスのボタンを外してみようか」  
興奮に上気していたハルヒの顔が強張る。  
一年前ならいざ知らず、初めて好いた男に肌をさらすのが野外となれば、いくらハルヒとはいえ、嫌がらないはずがない。  
「キョ、キョン!いくらんなんでもそんな、でも、その・・・」  
羞恥で真っ赤になったハルヒは、両手で胸元をぎゅっと押さえ、フルフルと頭を振りながら、懇願の視線を俺に送ってきた。  
やっぱり今日のハルヒは可愛すぎる。だが、その目はいじめてくださいって言ってるようなもんだぞ。  
俺はその手を引き剥がすと、きっちりと留められたブラウスの第一ボタンを外した。  
無理やりに怒ったような表情でこちらを睨むハルヒ。だが、ボタンを外しやすいようにちょっと胸をそらせたのを見逃すはずもない。  
やれやれ、こいつは露出の素質もあるようだ。  
 
ゆっくりと順々にボタンを外して行くと、ほんのりと桜色に染まった首もとから、華奢な鎖骨がのぞいた。  
そのあまりのか細さに、つつっと指を滑らせると、滑らかでひんやりとした感触が脳髄にまで響いた。  
「ぁんっ」  
ゾクゾクするような加虐心にあおられた俺は、ボタンがはじけるのも構わずに、襟元に手をかけ、一気にバッと押し開いた。  
シンプルなデザインの白いブラが白磁の肌に映える。  
いつか体育の前の着替えで見ちまったときもずいぶんとグラマーだと思ったが、こいつは想像していた以上に着痩せするようだ。  
1年の時の流れの雄大さに余裕をなくした俺は、真っ赤になってうつむくハルヒに命令を下した。  
「自分でブラを外せハルヒ。俺に胸を見せるんだ」  
ハルヒはもはや一切の抵抗を見せず、弟のわがままに仕方なく付き合う姉のような視線で咎めつつも、  
どこか嬉しそうにブラのホックを外した。  
朝比奈さんには及ばないものの、十分な質量を持った乳房が、拘束を解かれてプルンと弾ける。  
それは見事なくらいなお椀型で、そのふくらみは胸部全体を覆うように、たおやかに広がっていた。  
そして、すでに十分な大きさを持ちつつも、将来さらに豊かさをますであろうスロープの先端には、  
綻びはじめた蕾を思わせる薄桃色の乳首が息づいている。  
その可憐さと相反するように、何かを期待してピンと勃った乳首に手を伸ばし、  
中指と人差し指の間に挟んでコリコリと刺激すると、ハルヒは堪らず甘い吐息を漏らした。  
「んっぁっふぁっ」  
初々しい反応が、激しく劣情をそそる。  
初めて男から与えられる刺激に戸惑うように喘ぐハルヒを見た瞬間、俺の中から抑えようのないドロドロとした劣情が沸き起り、  
気がついたら人差し指と親指でその華奢な乳首をつまむと、思いっきりねじり上げながら、グリグリと左右に捻っていた。  
「きゃふっ かっはぁぁっん」  
ハルヒが白目を剥いてビクンと跳ねる。男からは想像も付かないが、強烈な痛みを伴う刺激なのだろう。  
さすがにやり過ぎたか、と反省した俺がその手を緩めると、ハルヒは下唇をかみながら、咎めるような視線を向けてきた。  
だが、そこには非難よりも明らかな期待と媚が混じっている。  
このマゾ女め。ムラムラと湧き上がる理不尽な怒りをそのままぶつけるように、  
俺は再びハルヒの豊饒な胸に手を伸ばし、一切の遠慮をせずにグリッと鷲掴みにした。  
「あはぅん!かはぁ、んっあんぁん」  
ハルヒは苛烈な揉みつぶし攻めの痛みを、涙を流しつつも嬉々として受け入れ、嫌がるふりをしながら、さらに誘うように胸をそらした。  
刺激になれていない柔肌が、情け容赦ない力の前に真っ赤に変色していく。  
その悪魔的な美しさに、残虐なほどのドス黒い欲望が巻き起こり、俺は脂汗を流すハルヒの様子にかまわず、  
無我夢中で変幻自在に形を変える豊かな乳房を蹂躙していた。  
その天使のような柔らかさを十二分に堪能し、ふと我に返ると、  
ハルヒは顔を涙でぐしゅぐしゅに濡らしながら、完全に意識を飛ばしていた。  
 
やばい、またやりすぎちまったのか!?  
慌てて抱き起こし、人工呼吸を施すように舌をからめると、ハルヒはその刺激によって意識を取り戻したようだ。  
顔から首筋、胸板のすべてが桜色に上気し、浅く荒い息でたおやかな胸が上下する。だが、その虚ろだった瞳に、  
包み込むような優しさと、ゾクゾクするような劣情が含まれることを確認した瞬間、俺の中で、また何かがはじけた。  
俺はまだボーっとするハルヒを無理やりひざまずかせると、その小さな頭をがっしりと掴み、喉奥にイチモツを突き入れた。  
口内を性感帯とするハルヒは、その刺激によって否応なく完全に覚醒させられ、暴力的な刺激を嬉々として迎撃し始めた。  
目尻から涙をこぼしつつ、突きこまれる瞬間に思い切りバキュームし、引かれるときは唇をすぼめながら、  
舌を丸め、頬の裏側を最大限利用してカリ裏をこそげるように刺激する。  
まったくこれでフェラ初日だからな。慣れたらいったいどこまで上達するのやら。  
 
いったん冷静になった俺は、この口を十分に堪能することにした。  
闇雲に突き立てるのではなく、ゆっくりと味わうように棒でハルヒの口をかき回すと、  
俺の意図を察したハルヒは、少しバキュームを緩め、上目遣いで挑発的な視線を送りながら、  
こちらの動きに合わせるように丁寧に舌を這わせてきた。  
とりあえず、モチモノ検査と行きますか。  
まずは、上顎裏。カリで引っ掛けるように引きずると、複雑な襞が心地良い。下の口で言えば数の子天井ってヤツかね?  
まったくこんなところまで完璧だなんて、本当に器用なやつだ。  
そして頬の内側。こちらは押し込めば押し込むほど、モノ全体を包み込むようにどこまでも伸び、  
キュッと頬を窄めたフェラ顔からくっきりと亀頭の形が浮かび上がる。  
気の強い団長様の顔を内側から愚息がかき回す様が激しく征服感をそそり、突き破らんばかりの愛しさがこみ上げてくる。  
次に、唇。一度くわえ込んだら二度と離さぬと言わんばかりにキュッと棒を締め上げつつ、  
その感触はあくまで柔らかく、常に密着しながら理性を根こそぎ溶かしていく。  
アヒル口の女はフェラが上手いってのはどうやら本当のことらしいな。  
さらに、自在に動く舌。ちょっと硬めな先っぽでコリコリと鈴口を刺激しながら、  
適度にザラついた刺激と粘り気をもつ舌全体が、奥へ奥へと引き込むようにネットリと締め上げる。  
てか、どうやったら1枚の舌でこんな動きができるんだ?  
そして、これらすべてを掻き分けながら突き進むと、  
その奥には、まるで俺の形に合わせたような狭い喉奥が、強烈締め付けで迎撃してくる。  
いわゆるディープスロートってヤツだ。普通ならこんなに深く侵入されたら、苦しさで吐き出してしまうはずなのに、  
ハルヒは陶酔の表情を浮かべながら、さらに奥に引き込むようにバキュームを強める。  
縦構造は唇、舌、喉穴の3連コンボ。それに横からは頬が密着し、上顎裏が絶え間なくカリを刺激する。  
そして、これらが一瞬の遅滞もなく見事な連携を保ちつつ、頭を大きく振りながら舐め上げるんだから、もはやこっちは打つ手なしだ。  
 
存分にハルヒの口を堪能した俺は、変幻自在に動くハルヒの頭をがっしりと固定すると、再び容赦なくガンガンと腰を打ちつけ始めた。  
本来なら地獄の苦しみも、口全体を性感帯とするハルヒにとっては、すべての刺激が脳をとろかす快感となる。  
壊れたおもちゃのように、なすがままにされているハルヒであったが、  
その瞳は弟の手を引いて公園で遊ぶお姉ちゃんのようにキラキラと輝いていた。  
 
「出すぞハルヒ!」  
壊さんばかりに喉の最深部にイチモツを突き入れた俺は、胃に直接注ぎ込むように白濁を放出した。  
ほとんど意識を飛ばしていたハルヒは、それでも条件反射で、射精直前に思い切り吸い上げる。  
何倍にも加速された射精感は、何乗にも倍化された愉楽を伴ってハルヒの喉を駆け下り、  
体内のすべてを染め上げんばかりにぶちまけられていった。  
いったん腰を引いて喉奥から口中へターゲットを変えると、さっきあれだけ出したのに、まったく衰えを知らない濁流は、  
たちまち口いっぱいに溢れ、唇の端からこぼれ始めた。  
必死なバキュームで喉をコクコクと鳴らすハルヒの健気さに突き動かされるように、  
俺は射精しながらピストン運動を行い、ハルヒの気の強い顔を犯し続けた。  
かき混ぜられた白濁がブクブクと泡立ち、顎先から粘液が糸を引いて落ちる。  
容赦なく口内を暴れまわる俺の愚息に、さすがのハルヒも苦しげに眉根を寄せた。  
俺が欲しいのはその顔なんだハルヒ!  
更なる欲情にあおられて後頭部を引き寄せ、止めの一撃を喉奥に叩き込むと、  
最後の一滴まで放出したことを確認したハルヒは、だんだん力を失っていく俺のものを咥えたまま、ニッコリと微笑みを浮かべた。  
それは泥だらけになるまで遊んできたわが子を、目を細めながらたしなめる慈愛に満ちた聖母の微笑みだった。  
快感の余韻に虚脱状態に陥った俺に対し、ハルヒはきっちりとブラウスのボタンをはめながら、  
お掃除フェラを施し、俺の身づくろいまで整えると、いつかのように俺の手を引いて全速力でこの場から離脱した。  
 
「今日からは、勃ったらいつでも遠慮なくあたしの口を使うこと!オナニーなんて一切厳禁だからね!  
これは団長命令!逆らったら死刑なんだから!」  
へいへい。そんな極上の笑顔で言われなくても、一生そうさせてもらいますよ。  
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
おわり  
 
 
 
翌日、ずいぶんと長くかかる朝比奈さんの着替えの間に、  
一日中笑顔だったハルヒに負けず劣らず、ニヤニヤと嬉しそうなスマイル野郎に話しかけられた。  
 
「昨日はお楽しみでしたね」  
!!!!  
「おっと、そんなに怖い顔をしないでください。機関の者は何も見ていません。  
昨日、護衛チームから、あなた方の存在を一時的に喪失したとの緊急連絡を受けたんですよ。  
それで異常事態として関係者一同、長門さん宅に集合したわけです」  
あーそのなんつーか、やっぱり長門は全部見てたんだよな。  
「まぁそれが彼女の任務ですからね。もっとも、あなた方の周りには、非常に強力な情報遮蔽フィールドが張られていたそうで、  
朝倉さんを非常招集してまで頑張った長門さんですら、漠然としたことしか分からなかったそうです。  
ちなみに抽出した情報の解析を試みた喜緑さんは、今日は過労でお休みです」  
でも、いったい何でそんなことを教えてくれるんだ?  
「おやおや、やはり他の方々の様子には何も気づいていませんか。  
昨日、女性陣の会話を小耳に挟んでしまいましてね。こいつはちょっとした忠告なんですよ」  
そのザマアミロとでも言いたげな、初めて見る偽りじゃない笑顔が非常に癪だが、ありがたく承ろうじゃないか。  
「ご存知の通り、涼宮さんは中学時代に友人を遠ざけていましたからね。性的な知識には、かなり乏しいわけです。  
そこで、朝比奈さんと鶴屋さんが、お姉さんとして教えてあげることになったようなんですが・・・。  
言うまでもなく、涼宮さんが信じたことは実現しますからね。  
一晩にリボルバーじゃ物足りないわよね、フルオートで25ヤードピンヘッドが常識でふゅ、という程度ならまだしも、  
ダース単位ならさすがのハルにゃんも援軍がほしくなるに違いないっさ、それならグロス単位で数えるべき、  
いいえこの1ゼプト秒に16ヨタ回変化する流動的情報素子を解く鍵を得るには、それ相応のサンプル数が必要です、  
なんて会話を耳にすると、同じ男としては、さすがにちょっと冷や汗が止まりませんでした」  
 
おい、まさか今、中では・・・  
 

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