そう言われた途端にまぶたが砂袋でもつるされたかのように重くなり、俺は着せ替え人形のようにそのまま後ろに倒れた。
遠のく意識の中で長門の、
「朝倉さん、どうして……」
という蚊の羽音のような声と、朝倉の不敵な笑みを記憶に残して俺の意識は消滅した。
…………。
「……さん、ちょっとそっち持って。 よいっしょっ」
俺のズボンがずらされるのを感じて俺の脳は一気に覚醒状態に移行した。
「何をやってる」
目を開けてみると朝倉が俺のズボンに手をかけてもう膝の辺りまでずらしていた。
俺は周りを見渡した。 どうやら俺はリビングから七夕の時に俺と朝比奈さんが寝ていた部屋に運ばれたらしい。 おまけに後ろで手を縛られて身動きが取れないときたもんだ。
「何ってズボンをずらしてる以外に見える?」
「そういう意味じゃない。 俺のズボンをずらして何をする気だと聞いてるんだ」
「女の子が男の子のズボンをずらしてすることなんて限られてると思うけど違う? ね、長門さん」
朝倉が微笑みかけた方向を体をよじって見てみると、長門が両手で口を押さえて座っていた。
長門は顔をリンゴのように赤くして、驚いているんだろうか目は見開いていたが、瞬きをする事もなくじっとこちらを見ていた。
「この子奥手だからこうやってお膳立てしてあげないと何も出来ないのよ」
「かといってお前がする事でもないだろ。 あと後ろの縄かなんかをほどいてくれ」
「うん、それ無理。 だって解いたらあなた逃げちゃうじゃない。 それに……」
「うおっ……」
そこで言葉を止め、最後の布の砦に手を置いてそのまま俺の息子をさすってきた。
朝倉の手の体温が布越しに伝わって、まぁこんな事を言うのも悔しいが冗談抜きで気持ちいい。
「ほら、こんなにやる気じゃない」
朝倉の猛攻により俺の最後の砦はあっさりとポールを立ててしまった。
そして朝倉が長門をチラチラ見ながら俺のトランクスに手をかけたところで行数が足りない。勝手にリレー(しかもエロ方向に)したことを深く反省はしている。