そうですね。可能世界という言葉はご存知でしょうか?  
そう、あらゆる可能性の数だけ世界が分岐、生成されるという、あれです。  
 
今あなたは湯飲みを持っていますが、あなたがその湯飲みを持とうと思って持った瞬間に、  
湯飲みを持たなかったあなたがいる世界、持とうとして落としてしまったあなたがいる世界……  
などが同時に生まれ分岐して、それぞれの時系列に従って時を刻んでいる……と考えたことは  
ありませんか。  
 
つまり、この世界のあなたは何かを決断、または、選択したことになっているわけですが、  
実際には、あらゆる可能性が実現した世界が可能性の数だけ分岐する、とまあ、  
そんな感じの考え方です。そう世界は可能性の数だけ無限に生まれ存在する。  
 
そこで、ある時系列上の特定の存在の時間に着目して、その間に並列に存在するそれぞれの  
可能世界ごとの物語を順に見ていけばどうなるでしょう。  
 
そう、たとえばあなたの物語を。  
着目するのはあなたが高校に入学してからの一年としましょうか。  
 
あなたは北高に入学し、涼宮さんと出会い、SOS団に参加して色々な騒動に巻き込まれながら  
一年を過ごす。そして、その一年の終わりに次の可能世界のあなたに着目するわけです。  
 
その物語を見ている存在――仮に上位者とでもいいましょうか――は、あなたが過ごした一年、  
または、過ごしたかもしれない一年を、連続して見続けることができます。  
 
もちろん可能世界ですから、それぞれの世界のあなたが存在している社会が、  
同じ構造を持っているとは限りません。  
ある世界では、あなたが高校に入学する時点で、まだ自動車が実用化されていないかも  
しれませんし、別のある世界では、すでに宇宙旅行が一般化しているかもしれません。  
 
そのように上位者は、あなたという存在に着目して、それぞれの可能世界で実現した、  
あなたが過ごしたかもしれないあらゆるイベントを観察することができるわけです。  
上位者の視点では、あなたは可能性の数だけ同じ高校一年のときを過ごすことになります。  
絶対に同じ一年では無い、あなたの高校一年を。  
そう、たとえばあなたが過ごしたかもしれない、高校一年のときのあらゆるパターンの  
クリスマスをね。  
 
え? そんなことをする理由ですか? 上位者がそうする理由ね、ふむ。  
そうですね、上位者は、あなたの高校一年のときの物語が好きなんでしょう。  
 
物語というものは、どんなものであれ、いずれ終焉を迎えます。  
しかし、その物語を、特定の登場人物によるその物語を見続けたいと考えたならば、  
可能世界に着目すればいいんです。  
 
そう、きっと娯楽なんですよ。上位者のね。  
 

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