テイク1 言い訳が長々しい。
「国木田、岡部に訊かれたら俺はペストと赤痢と腸チフスと黄熱病とインフルエンザと
脳梗塞と虫垂炎と左大腿骨骨折とノロウィルスとコイヘルペスと右ヒラメ筋肉離れと
肺気腫と便秘とヒロポン中毒と四日市喘息と酸素欠乏症とホームシックと
花粉症と突き指とヘルニアとストックホルム症候群を併発して死にそうだったと伝えてくれ」
「………ごめんキョン、もう一回言ってくれるかな?」
「だからな、腸チフスとペストとコイヘルペスと黄熱病と……」
キーンコーンカーンコーン
「はーい、授業を始めます」
(´・ω・`)
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〈インスペクタ・1〉
これでは納得がいかない。
〈インターセプタ・1〉
認める。
〈アスタリスク・1〉
──介入する。
実行。
終了。
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テイク2 そんな事言ったらそりゃあ
「国木田、岡部に訊かれたら俺は恋の病が発病したわけじゃないんだが、死にそうだったと伝えてくれ。 いいか別にこれは恋の病じゃないんだぞ」
気のせいか、さっきも言った気がするな。
「え、という事は彼女にでも会いにいくの?」
その国木田の(あからさまに声のでかい)発言にいっせいにクラスの女子が集まってきた。 国木田、わざとか……。
「彼女ってどんな人なの?」
「今からデート? あっついわねー」
「まったくまだ風邪が治ってないの? もうすぐ授業よ」
「彼女は犬は好きなの? 聞いといて欲しいのね」
ええい、鬱陶しい。
「とにかく今は話してるような時間は……」
キーンコーンカーンコーン
「はーい、授業を始めます」
(´・ω・`)
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〈インスペクタ・1〉
これでは女子生徒に捕まえられて抜け出せない。
〈インターセプタ・1〉
認める。
〈アスタリスク・1〉
──介入する。
実行。
終了。
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テイク3
「国木田、岡部に訊かれたら俺はペストと赤痢と腸チフスを併発して死にそうだったと伝えてくれ。 それから谷口」
以下略