「能力の使用に制限が掛かった」
とある放課後、無口な宇宙人が発した言葉である。
「なんでだ?」
「……その、なんだ、あまり好き勝手されても、困る。……らしい」
何したんだこいつは?
「主に生活費の念出、つまりは」
つまりは?
「……馬」
……そうですか。
「しかし、大丈夫なのか?」
「問題無い。平均的なサラリーマンの生涯収入は既に超過している」
「……いや、そうじゃなくて。危険な事になったりしたらって事なんだが」
「問題無い。変身をする事で制限を解除できる。……見たい?」
「……まぁ、一応」
「インフォメーションソートシステムアーップ」
いきなりか?
何そのポーズ?
何この妙にメタルなBGM?
何この三原色が絶妙に混じった後光?
「ぐあっ」
あまりの光量に目がチカチカする。
多分長門であろうシルエットが網膜に飛び込んでくる。
何その衣服の分解?
何その感きわまった顔?
ゴテゴテした布が長門の体に付くと背後からの光が消えた。
「……魔法少女ユキ」しっかりとポーズを決めた長門が呟いた。
「邪魔すると……死ぬよ」
……そっちかよ。