「もしもし長門?すぐ来てくれないか。  
 俺?いや、駄目なんだ。なぜか離れたくないような……  
 と、とにかく来てくれ。頼む。……わかった。ありがとう」  
一体俺は何をしているんだ。  
「すー……すー……」  
再びコタツで寝ている妹の横に入る。そして、  
「ん……」  
キスをする。もう何度繰り返したことだろう。  
俺は断じて妹に欲情などしていないし性の対象としても見たことはない。  
だが今日は何か奇妙だ。  
と言うのも今日の俺は、妹にキスがしたくて仕方ないのだ!  
……いや、引かないで欲しい。俺は本気で悩んでいるのだ。  
はたして敵の攻撃なのか宇宙から飛来した病原菌なのか。  
それとも俺の性癖か。  
「んっ。」  
妹が反応した。あわてて顔を離す。  
「……あっ。ねぇ、また?」  
「うっ、」  
「さっきからなんであたしにひっついてるの?今度は抱きしめてるし」  
「な、なんでだろうなぁ。きっとお前が可愛いからだな、うん。」  
「変なの……すー…すー…」  
俺は妹が寝たのを見計らって再び抱き上げ、  
 
ピンポーン  
「…ん…キョンくん誰か来た…あっ!また!」  
「悪い悪い。出なくちゃな」  
「キョンくんのヘンタァイ」  
妹の罵声を浴びながら玄関に向かう。助けてくれ長門。  
 
「なに?」  
「助けてくれ。変なんだ。」  
「落ち着いて。」  
「わかった、まずだな……」  
「あ、ユキちゃんだ。こんにちはー。」  
可愛いなぁもう。  
「えっ…どうしたのキョンくん…んむっ!?」  
はっ。やってしまった。顔を離すと妹と俺の口の間を唾液の糸がひいている。  
しばらく呆然とそれを眺めていた妹だったが、  
「あ……や……キョンくんのばかぁ!!」  
「ぉぶっ」  
俺にビンタを喰らわせて走って行ってしまった。  
 
「……とまあこういうわけなんだ。」  
「……」  
とてつもなく冷たい目をしていた長門だったが、何かに気づいたように近寄ってきた。  
「わかったのか?」  
「たぶん」  
そう言って長門は試すように呟いた。  
「……お兄ちゃん」  
ガバッ  
「な、長門ぉー!!…………はっ。」  
気づくと俺は長門を押し倒してキスをし、  
胸を揉みながら太股に股間をすりつけていた。  
「あ……ごめん」  
「……いい」  
満更でもなさそうな顔をしていた長門は、身をひるがえして玄関へ歩いていった。  
「どこ行くんだ?」  
「もう治した。朝倉涼子を問いただしてくる。」  
あいつか。帰ってくるまでにスネてる妹をなだめるとするかな。  
 
「悪かったよ。なぁ」  
「知らない。ハルにゃんに言っちゃうから」  
「そ、それは勘弁……」  
「じゃあ……責任取ってくれr  
ピンポーン  
「お、長門だ」  
「……もう絶対言っちゃうから」  
 
「痛ぁい。長門さんったらグーで殴ったのよ?自分もいい思いしたくせに。」  
長門に手を引かれている朝倉は頭を押さえている。  
「彼女の仕業だった」  
「なんで連れてきたんだ?」  
「仕返ししてもらってかまわない。煮るなり焼くなり」  
「酷いわ長門さん。キョンくんそんなことしないよね?」  
朝倉が俺に抱きついてきて切なそうな顔をする。  
ええい騙されんぞ美少女め。  
「今の彼女は能力を使えないようにしてある。好きにして。」  
と言って長門は出ていった。  
 
俺の部屋に移動。  
敵の女に仕返しか……少し悶々としてきた。  
「今エッチなこと考えてたでしょう。」  
「か、考えてねぇよ。」  
「いいのよ?エッチなことでも」  
「……したいです。」  
「じゃあSMコースと優等生凌辱コースと純愛コースどれがいい?」  
「……凌辱から純愛コースで」  
「へぇ。まぁあたし処女なのにSMってのも変よね。」  
本当にさせてくれるのか。宇宙人万歳。  
 
「ちょっと、何するのよ!」  
「とぼけるんじゃない!お前がやったってことはお見通しなんだよ。」  
「くっ…」  
「さぁて、楽しませてもらうとするかな。」  
「い、嫌、嫌よ!」  
「ジタバタすんな!……待った朝倉。もうちょい気の弱い子で。」  
「はいはい。」  
 
「きゃっ…」  
「お前だったとはな。」  
座りこんだ朝倉に詰め寄る。  
「キョンくん許して…」  
「許すわけないだろ。さて何をしてやろうか」  
朝倉の腕を掴み、引き寄せる。青がかった髪からはいい香りがした。  
「乱暴なことしないで……」  
「なに言ってんだ。何されるかくらいわかってるだろ?」  
朝倉の頭を掴みキスをする。朝倉は抵抗しない。  
「……なんで抵抗しないんだ。」  
「あたし…キョンくんになら、いいよ。」  
「なっ…」  
「本当は、キョンくんと涼宮さんが仲良くしてるのを見たくなかっただけなの。  
 それでキョンくんを困らせてあたしが助けたら、キョンくんが振り向いてくれるかもって思って…」  
「……」  
「それから…それから…」  
「もう言わなくていい。」  
「お願いキョンくん…乱暴にじゃなくて…優しくして?」  
「…わかった。」  
 
朝倉に優しく愛撫をし続ける。そろそろ大丈夫だろうか。  
「入れるぞ。」  
「あっ…痛い…痛いよ…」  
朝倉の腰の下に血が垂れている。  
「……じゃあ、動くぞ。」「痛っ…んっ…あっ…」  
朝倉は涙を流しながら耐えている。  
「大丈夫か?」  
「うん…キョンくんのだから…平気。」  
腰の動きを早くすると、朝倉が俺にすがってくる。  
「んっ…くぅっ…」  
「朝倉の中…凄い締まって…」  
「あたしもキョンくんのに押し広げられて…気持ちいい…」  
続けるうちに朝倉が痛さを感じなくなっているようだ。そろそろ限界が近い。  
「あっ…あっ!…」  
「朝倉っ…!出るっ…!」  
「中に…出してっ…!ああっ!!」  
ドクッ…ドクッ…  
「あ…出てる…キョンくんの…いっぱい…」  
「……」  
「キョンくん…ごめんね?ありがとう。」  
「ああ。」  
俺は朝倉に優しくキスをした。  
 
「楽しめた?あたしもう帰るわね。  
 それと今の映像、長門さんに見せるから。」  
「ああ。……って待て!」  
長門は翌日、一言も口を聞いてくれなかった。  
<終わり>  

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