何だか長門の様子がおかしい。
声をかけてもすぐに答えない。まあ、無口なのはいつものことだが……。
視線もゆっくりしか動かないし、その水銀のような瞳もなんだか虚ろだ。
「長門、大丈夫か?」
「…………………ん」
まさか、長門に限って、いきなり風邪引いた……とかじゃないだろうな?
いや、ヒューマノイドなんだから故障と言うべきなんだろうか。
それとも……?冬山での長門の苦しそうな表情が頭に浮かび、俺は冷や汗をかいた。
「…………………平気…………ただ、」
ただ?
「…………………Nortonを入れただけ」