我に返った俺は荒い息のまま長門に電話を掛けていた。  
 長門なら……長門なら全て答えてくれるはずだ。  
『理解している』  
 長門……俺……。  
『あなたが悩む必要はない』  
 そう言ってくれるのは有難い……けどな、悩むなって言われて、はいそうですか、ってわけにはいかんだろ……これは。  
 本当に無意識だったんだ。気がついたらこんなことに……。  
『私から……宇宙全体から視れば、全ての事象に正義も悪も存在しない。全ては、起こるべくして起こったにすぎない』  
 やっぱり俺がやったことは人として間違っているのか?   
『そうではない。あなたにとって鬼畜な行いでも、相手にとってそれが悪とは限らない。相手がそれを望んでいれば、それは悪とは言えない』  
 もう少し解りやすく言ってくれ、こいつは俺にこうされる事を望んでいたのか?   
『解らない』  
 ずいぶんと冷たいな。  
『ただ、これは私という固体での主観でしかないが、あなたのとった行動は正しかったと思う。きっと彼もこれを望んでいた』  
 ……。  
『私はあなたを支持する。あなたは間違ったことはしていない。……信じて』  
 ありがとよ、長門。  
 
 俺は改めて目の前に横たわる裸の人物に目をやった。  
 腹ばいの姿勢で尻を高く突き上げている。  
 尻の穴からは俺のものと思われる白い液が次から次へと溢れ出し、ふとももを伝って部室の床を汚していく。  
 俺は古泉を犯してしまった……。  
 
 まだ切っていなかった電話の向こうから長門の声が聞こえた。  
『……ケダモノ』  
 
了  
 

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