無い、無いぞ。
コンピ研から接収した螺旋回廊のディスクが無い。
机の上も、下にも無い。
ちっ、喜緑にでも聞いてみるか。
「喜緑君、机の上に在ったディスクを知らないかね?」
「一体何のディスクでしょうか?」
相変わらずの笑み。
ベッドの下の物は机の上ですよと、言わんばかりの母さんの微笑みだ。
「らs、い、いや来期の予算案のデータだ」
「あら、それは大変。でも安心して下さい。」
何を安心できる物か?「予算案なら全て記憶しております」
そうですか、あぁそうですか、そうですか。
「てっきり螺旋回廊と書いているディスクの事かと」
目眩がしたね。
「そ、それは探して無いけど……どこにあったのかね?」
「さぁ、やましい物ならベッドの下から机の上に移動してるのでは?」
何それ?全部バレてる?
「hahaha螺旋の予算回廊なんて探して無いさ」
気まずい沈黙の中喜緑の微笑みだけが輝いていた。
ちなみに家の机の上にディスクが在ったのはまた別の話だ。