「ではご覧ください。僕が神(涼宮さん)から戴いた力を!!」
部室に俺と古泉の二人っきりの時を見計らって超能力を見せてくれ、と頼んだら快く承諾してくれた訳で。
とうとうマジものの超能力を見られる、と内心ワクワクしてたのだが……。
……おい、古泉。なんで服を脱ぐんだ。
「何を言ってるんですか。全裸が僕の戦闘衣装です」
お前が何を言ってるんだ。全裸の時点で衣装もクソもないだろ。
そんな俺の言葉も無視し、最後の砦も落ちて産まれたままの姿となる。見たくもないもの見せるんじゃない
目が腐って瞑れて独眼竜になるじゃないか。
見たくない姿になった古泉はさらに吐き気のする行動に出た。腰を、カクカク、動かし、はじめた。
「エビの脱皮エビの脱皮エビの脱皮エビの脱皮」
……おい、古泉それはもしかして……
「その通りですよ」
ちょっとまて、誰にかけるつもりだ!俺か、俺なのか!?
「違いますよ、あなたではありません。もうすぐこの扉を開ける人にです」
そう言い、部室の入り口に視線を注ぐ。そこの犯罪予備軍、なに言ってんだよ。下手をしたらお前の人生
終わるぞ。まじで。
「……今日、朝比奈さんは掃除当番で遅れています。いつもの通りなら今一人でこの教室に向かってる筈」
じゃあ、お前は次に部室に入ってくる人物を知っていて、そいつにかけると……そういう事か。
くそっ、卑猥な笑みが憎たらしい。
「そうです。僕の標的はただ一人20秒後に部室に入ってくる………長門さんです!!!!」
その意味深な前フリはなんだったんだぁぁぁぁぁ!!!!!!
と、叫んでる場合じゃない。20秒って言ったな、早くどうにかせんと、アレが炸裂する。
だが遅かった。無常にも扉は、開いて、しまった。
「来ましたね、いきます。吉六会 奥義
奈 良 づ く し!!!!!!!!!!!!」
うぼぉあぁあああぁあああぁあああ!!!!!!!!!!!!!
その日俺は勇敢なる戦士の伝説と死に様を同時に目撃してしまった。