「早く良くなってね、キョン。」
「…だから俺はもう大丈夫だって」
「駄目よ。ちゃんと寝てないと」
ここは病室でベッドに寝ているのは俺。
しかし本当の病人は、横で俺を看病しているハルヒだ。
「ねぇキョン、あたしまたあの怖い夢を見たの。」
「…そうか」
「キョンがね?…あたしの目の前で…バラバラにされて
…血が…あたしの顔に……あっ……あっ……」
「!わ、わかったハルヒ、言わなくていい。」
「……うん」
その夢とは現実にこいつの目の前で起こったことだ。
俺は再びハルヒを取り巻く勢力の一つに目をつけられ、命を奪われかけた。
長門のお陰で死ぬことはなかったのだが、その場にこいつがいたのがまずかった。
ハルヒは長門に"元通りくっつけてもらった"俺がいくら話しかけても反応せず、しばらく長門が
様子を見ることになったのだが…帰ってきたのは別人のようになったハルヒだった。
「ねぇキョン…しよ?」
「ああ。」
ハルヒがベッドに入ってくる。
あの日からハルヒは俺と離れることを極度に怖れている。
そして長く一緒にいるうちに、俺とのより深い関係を求めるようになってしまったのだ。
「んっ…キョン…あたし以外の人と…しちゃダメだからね?」
「わかってるよ」
「…んぁっ…ん…」
ハルヒはいつも俺が病人だから、と自分から動いてセックスをする。
支配的なまでに束縛しながらも、子供のように甘えてくる。
「キョンとキスできるのはあたしだけ……キョンとエッチできるのも
あたしだけ……キョンの子供を産むのもあたしだけなのよ。
わかった?キョン。…だからあたしとずっと一緒にいなきゃ駄目なの。
いえ、これだけ一緒にいればもう絶対に離れ離れにならないわ…安心して、キョン…ずっと一緒よ…」
ハルヒはいつも怯えていた。
俺を失いたくないからともっと俺の近くにいようとしていた。
そんなハルヒを見るのは辛い。
……必ず元に戻してやるからな。