「な、長門よ……」  
「なに」  
「なんで、こんなっ……う、動かないでくれ」  
「……」  
 少しばかり不満げな長門の瞳。俺の体の上からその視線が降ってくる。  
 全裸の俺の体の上に、同じく全裸の長門がまたがっている。  
 ギンギンに勃起しまくった俺の男性は長門の柔らかな肉の入れ物にずっぽりと……  
つまりセックスしているわけだが、なぜこんなことになったのかは省略する。  
 突然長門のマンションに呼び出されていきなりこうされちまった、というだけで  
十分だろう。なにしろそんなことすらどうでも良くなるくらいに長門の中はスゲーわけで。  
 
「お、お前の中、すげー、気持ちよすぎて……出ちまいそうだ」  
「……そう」  
 という長門の声はほんの少しだけ嬉しそうな色がある。泣きたくなるくらい切ない、  
長門の腰の動きが止まる。一息つける。  
「……ああ、熱くて、ぎゅうぎゅう締めてきて、こうして入れてるだけで射精しそうだ」  
「……」  
 微妙な笑みに似た表情が長門の端正な顔に浮かぶ。喜んでるのか。  
「しかし、お前の体、なんでこんな……えっちなんだ?」  
「…えっち?」  
 長門の怪訝な声がする。  
「ああ。すげえ、イイってことさ」  
「私は情報収集のために作られた対有機生命体用ヒューマノイド・インターフェース。  
 私が作られた時点では、性交に関する器官は本来任務に必要ないため省略されていた」  
 どことなく寂しそうな目で長門はそう言った。  
「……」  
「だが、私はあなたとより深い接触をしたいという欲求を抑え切れなかった。  
 もしその欲求を満たされなかった場合、以前のように蓄積したエラーで世界を再構築してしまう  
 恐れがあった。だから私はあなたとこうして性的接触に至る親密な接触をすることに決めた。  
 そのために必要な器官は再構成し生成した。どんな性器が男性の欲求に合致しうるかは  
 データベースで精査した。私の膣はあなたの陰茎のサイズに対して最適な大きさと深さ  
 を有しているはず」  
 
 そう言う長門の声の響きがねっとりと溶けそうな粘膜越しに俺の勃起に伝わってくる。  
 イキそう。出ちゃいそうだ。  
 
「ところで」  
 そう言う長門の声がどことなく違った印象の色を帯びたのは気のせいだろうか。  
 
「あなたは私の体がいいと言った」  
「あ、ああ、言ったが……それがどうし――  
「あなたは誰と比較してそう判断したのか教えて欲しい」  
 なっ……長門さん?目がマジですよ?  
 
「あなたは「私の体」がいい、と言った。つまりほかの女性の肉体と比較して  
そう判断したのは明白。あなたが以前に誰と性交したことがあるのか私は興味がある」  
 そう言うと長門は再び腰を使い始めた。  
 熱くて、襞のある長門の狭い膣が俺の肉棒を締めながら擦りあげていく。  
 ミミズ千匹とか、カズノコ天井とかいう言葉の真の意味を俺は知った。  
 ううう・・・で、出るっ  
 
 全身が白く弾けた。生まれて初めての精通の時みたいに、痛みと恐怖を感じるほどの  
純粋な射精感。海綿体の中を精液が駆け上っていくドクドクする感覚が脳裏を焼く。  
 肉棒から精液を搾り出すように、長門の中は俺の竿に絡みつき、ぎゅ、ぎゅ、と刺激してくる。  
 
 ああ、とかうわあ、とかいう情けない声をあげながら、俺は長門の中にどろどろの白い粘液を  
大量に吐き出していた。まだまだ止まらない。長門が射精している肉竿を違った角度で  
刺激してくる。ぎゅ、ぎゅ、と二段、三段と締められる。  
 それに反応して腰の中が空になりそうなくらい、激しく射精をしてしまう。  
 
「…はぁ……な、なが「まだ」  
 
 そう言うと、長門は再び腰を上下に動かし始める。ぬるぬるの膣内が俺のイったばかりの  
勃起を扱き始める。あ、また…  
 
「あなたがその人名を白状するまで休ませない」  
 そう言う長門の目はマジだ。  
「あなたは誰と比較して言ったの?」  
 そういうと長門は腰の中を締めるようにする。亀頭がざらりとする膣奥にぎゅっと  
食い締められる感触がする。ぞくぞくする快感が再び腰から駆け上がってくる。  
「……誰と?」  
 そう言ってくる長門の中はすごく熱くて、気持ちよすぎる。  
 体の中からせりあがってくる射精感を必死に耐えるが、うねうねと動き出す  
長門の括約筋の動きにそんなガマンなんてのはすっ飛んでしまう。  
 
「わ、わかった、言う、言うから腰動かさないでくれっ」  
 瞬時に長門の腰使いがぴたりと止まる。やっとのことで荒い息をつく俺。  
「誰?」  
 冷たい言葉が振ってくる。この甘美な拷問を止めさせるためには本当のことを言うほかない。  
 
 
「…………だよっ」  
 
 
 俺がその人名を口にすると、長門は  
「そう」  
 とだけ言った。そして無表情のまま、以前にも増して激しい腰使いで俺を攻め立て始めた。  
「なっ……長門っ、言ったじゃないか、ちゃんと言ったのに――  
「あなたの記憶を上書きする」  
「…くっ…うぁっ……そ、そんなに締めないでく――  
「あなたの脳内に存在する女性の体の記憶は私のものだけであるべき。  
 以前の性体験の印象を薄れさせるために、今日は一晩中あなたと性交をする」  
「っ…ふっ、な、ながっ――  
「今晩だけで不足であれば明晩も。それでも足りないのであればそれ以降の日も」  
 
 気持ちよすぎて声も出せない。熱い粘膜の壷が激しく俺を擦り、締め上げ、撫でねぶり、  
吸い上げてくる。  
 
 
 結局その晩、長門が許してくれたのは一度も抜かずに八回の射精をさせられたあとで、  
また次の夜にも同じことをする、という約束をした後のことだった。  

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