ある冬の夜のこと…
「…あれ?ここキョンくんのベッドだ。」
何かベッドの中にいると思ったらまた妹がトイレの帰りに道を間違えたらしい。
もう小5だというのにこいつは異様にネジの抜けたまま育ってしまったらしく、
一時期は病気じゃないかと疑ったりしたものだ。
「………」
反応するのも面倒なので放っておいたのだが…なかなか帰らない。
「キョンくん起きてる?」
寝てるから帰れ。
ぺちぺち
………頬を叩かれる。
「(キョ〜ンく〜ん)」
今度は耳元で囁いてきやがる……徹底無視。
「…キョンくん寝てる。」
寝たふりに関しては定評のある俺はこれしきのことでは動じないのだ。
わかったら早く帰れ。この寒さで布団から出たくないのはわかるが。
「……にはは〜」
と、急に仰向けだった俺の体を転がして自分の方に向け、右腕を引っぱり出して
自分の枕代わりにする…ってやりすぎだ。ここまでやったら誰でも起きるぞ。
「…ちょっとだけ…」
今度は俺の左腕を引っぱる妹。そして、
ちゅぱっ
ちゅぱ?なにやら左手に不思議な感触が…
「んっ……」ちゅぱっ
……なんなんだこの状況は。黙々と俺の指を舐める妹。
「…ぁ……」ちゅぷっ
……突然指を噛み切りやしないだろうな。
意図の掴めない行動に自分の妹に奇妙な感覚を覚える。
赤ん坊が黙々と意味不明な行動を続けるのを見ている時のような……不安を感じているのだ。
「ふぁっ……んんっ…」
布団の中で幼い足がモゾモゾ動いている。妹の顔が目の前にあるこの状況、
目を開けられないので正確には把握出来ないのだが、右手は俺の左手を
掴むのに使っていて左手は何か別のことをしているようだ。…やがて、
「んああっ!……う…ぁ…」
体を痙攣させたかと思うとぐったりしてしまった。
「……もっと…」
妹は体を起こすと俺を転がして上に乗ってきた。
また仰向けになった俺の上で妹が呼吸を荒げている。
「はぁっ……はぁっ……キョンくん…」
その瞬間俺は全てを知ることになった。
俺にまたがっている妹。
俺の腹の本来妹の股間が触れるはずの場所に……
モゾモゾと動く妹の左手の感触があったのだ。
腹の上の感触が動く。
「んっ……」
わかってしまった。
「…あっ……」
こいつは……
「んんっ…キョン…くぅん…」
秘部を濡らし…自分を慰めていたのだ。
急にさっきまでは幼さしか感じなかった妹の体に女を感じ始める。
寝言のように耳に響いていた声は艶のあるあえぎ声にしか聞こえなくなり、
赤ん坊のそれのように動いていたはずの妹の右手は
今や頬を這う度に妖しく俺を発情させていた。
「ああっ…くぅ…はぁっ…ん…」
くちゅ…くちゅ…
股間から漏れる水音が部屋に響く。指の位置が俺の頬から唇に移ると
それに合わせて妹の左手が激しく動く…
「んあっ!………キョンくん…」
突然妹が体を前に倒したと思うと、
……ちゅっ
口付けを受ける。俺の唇を舐め回し下唇をはむはむと味わっている。
腹に当たる指の動きはますます激しくなる。
「あっ…キョンくん…あっ…!……んっ―――――」
絶頂が近いようだ。妹の体がせわしくうねり…そして、
「ああっ!あっ…あっ…………ああああッ!!!」
…どさっ
力尽きた妹は俺の胸の上に落ちた。
「はぁっ…はぁっ…」
………まさかこいつがこんなことを…
しばらく呼吸を整えていた妹が口を開く。
「………キョンくんのせいだかんね?」
何がだ。
「キョンくんは……あたしの……」
何だ。
「………おやすみ」
妹がベッドから降りる。ドアの方へ歩いていく音。
…バタン
行ったか。どいつもこいつもよくもまあ心配事を増やしてくれる。
俺はただでさえハルヒと長門で手一杯なんだ。
お前にかまってる暇なんざ………いや…そうか。
おそらく寂しかったのだろう。
俺が急に熱心に部活を始めて家にいる時間が少なくなったから、ただ単に寂しくなっただけだろう。
そう思っておく。そうとでも思っておかないと…
…いきり立った股間に手を触れる。
「…あいつをどうにかしちまいそうだ…」
<終>