俺がこの北高において最低学年の地位に甘んじているのも残り1週間をきってしまった。  
はっきり言って俺がこの1年間で学び、体験し、そして成し遂げてきた数多くのあれやこれやを考えれば、学年を一個進級させるだけなどとケチくさいことは言わず、  
一気に高卒資格、いや、いっそのこと大卒資格に各種職能試験資格に自動車運転免許までプレゼントしてくれてもけっしてバチはあたらないんじゃないだろうか。  
我が家の家計にも優しく、かつ学校側としても俺の通信簿を印刷する手間と経費を節約できて万々歳だろう。  
もっとも俺が北高からいなくなるなんてことになった日にゃ、俺の後ろの席を自分の指定席と決めているハルヒが黙っちゃいないだろう。  
俺の家はおろか、校長室にまで突貫して、北高史上最も悲惨な汚点を刻みかねず、そうなったら間違いなく尻拭いをするはめになるのは俺だ。  
そんな面倒をしょいこむくらいなら、SOS団雑用係として北高に在籍しているほうがなんぼかマシだ。  
未来から降臨した癒しの女神、朝比奈さんの給仕をうけられるという特典付きだしな。  
ともかくあと1週間、なんの問題もなく過ごすことが出来れば晴れて2年生だ。  
 
そう、けっして昼休みに生徒会室に呼び出されるなどということさえなければ、な……  
 
お察しの通り、俺は何故かこの時期に生徒会室に呼び出しを受けちまった。  
勘違いすんじゃねぇぞ。俺はいたって品行方正、模範的一般生徒だ。生徒指導の対象になるような問題は断じて起こしちゃいない。  
そもそも俺は学校とハルヒの間に立って被害を最小限にとどめている消波ブロックのような存在だぞ。  
感謝状の一通も貰ったっておかしくないくらいだ。  
いや、かといって今回の呼び出しが俺を表彰するためのもんじゃないことぐらいは俺にだってわかるさ。  
幸いだったのは呼び出し方法が校内放送やホームルームでの岡部からの連絡などといったかたちではなく、廊下をひとりで歩いていた俺へ口頭にておこなわれたことだな。  
前記2パターンのようなハルヒの耳にも入る手段を用いられた場合、昼休みといわず、情報が脳に到達した途端にエンジン全開で生徒会室に突撃してそこを爆破しかねん。  
相手にそれぐらいの予測が出来るだけの理性があったのを感謝すべきなのかね。  
あの長門の異母姉妹、喜緑江美里さんにさ。  
 
 
「呼び出しに快く応じてくださってありがとうございます」  
妻を人質にとられて大人しく参勤交代する外様大名のごとく生徒会室にやってきた俺に、喜緑さんは下級生相手では過剰とも思える礼儀正しさで頭を下げた。  
結局俺は今回の呼び出しのことを誰にも伝えずにここへ来ちまった。  
長門ぐらいには一言相談するべきかとかなり迷ったんだが、ことが喜緑さん関連だけに下手をすると長門自身の立場がどうなるのかわかったもんじゃない。  
まあ、喜緑さんの仕事はハルヒの観察じゃあなく、長門のお目付け役らしいからな、朝倉みたいに俺のことをどうこうしようとは思わんだろ。  
「一体生徒会が俺になんの用なんです?」  
俺はあえて『生徒会が』と言ってみた。この呼び出しが宇宙人関係のもんじゃない可能性だってまったくのゼロってわけじゃない。  
ただ、ゼロが9個ほど並んだあげく、申し訳程度に1が付け足されたパーセンテージがどれほどゼロと違うというのかはわからん。  
「いえ、お呼びだてしたのはわたし個人がお願いしたいことがあったからです」  
そら見ろ。やっぱり宇宙人関係だよ。  
よく考えてみりゃ生徒会関係の用事なら伝言係は古泉になるはずだからな。そりゃそうか。  
「お願いですか?俺や長門やハルヒがどうにかなるようなものなら、お断りですよ」  
そうだな……俺の精神の許容範囲としちゃ、カマドウマ駆除あたりが限界ギリギリかな。  
俺のかんばしくない返事に、ある程度予想通りだったのか喜緑さんは表情を崩すこともなかった。  
もっとも俺は最近、この喜緑さんの微笑み以外の表情というもんを見てないがな。  
表情筋を銀行の貸し金庫に預けちまってるのかね。長門でさえもうちょっと表情の変化があるんだが……  
「危ないことはありません。実に簡単なことなんです。  
これを見ていただけますか?」  
競馬予想士のごとく喜緑さんと長門のパラメーター差異の分析をしていた俺に、喜緑さんは机の上にデンと鎮座している物体を見るよう促した。  
オッズの表示もなく、またそもそも高校生である以上馬券の購入資格もない俺は不毛なことをするのはとっととやめ、その言葉に素直に従ったのだった。  
「え?」  
そこには俺にとって、見覚えがあり過ぎるものが存在していた。  
そして、あまりにも見覚えがあり過ぎて、それがここに存在していることがまったく信じられなかった。  
「その様子ですと、これがなんなのか正しく理解なさっているみたいですね」  
基本的には耳障りのいい喜緑さんの涼やかな声も、このときばかりは魔王の手下の嘲笑のように不快な響きに聴こえたね。  
なんせそこには、いつか部室で対面した古めかしいデスクトップパソコンがあったんだからな。  
そう、古泉がアンティークものと評し、眼鏡っ娘なアナザー長門がびくびくしながら使っていたパソコンにして、その正体は目茶苦茶になっちまった世界からの緊急脱出プログラムだった、例のアレだ。  
「なんで、これが、ここに?」  
「正確には形状が同一というだけであなたが知っているものとは別物です。  
統合思念体より譲渡されたプログラムを元に、わたしが生成しました」  
俺は我知らず呟いてしまっていたらしい。  
喜緑さんの補足説明によって、俺はようやく自分が呆然と口を開いていたらしいことに気付かされた。  
わざわざ同じ形のものをこしらえただって。  
この可愛らしい上級生の偽装をした宇宙人専用通訳係なアンドロイドはなんだってそんな悪趣味なマネをしたんだ。  
「もちろんこれがこの形状をしているのにも意味があります。  
あなたがキーボードのエンターキーを押す際、どうしても12月18日からの3日間を連想せざるをえないようになっているんです」  
だからそれが悪趣味だっていうんだ。  
つうか、今この人はなんて言った?俺がエンターキーを押すだって!?  
「お願いとはまさしくそれなんです。どうかこのエンターキーを押していただけませんか?」  
まるでトレイの上のデザートを薦めるメイドのごとき軽々しさで、喜緑さんは俺の前にキーボードを恭しく掲げながら微笑み成分を3割ほど引き上げた。  
 
「こいつを押すと………どうなるんです?」  
目の前にはキーボード。  
用意したのは長門とは別派閥付きのインターフェース、喜緑さん。  
しかもスイッチ入力係に俺をご指名だ。  
これで警戒すんなってほうが無理ってもんだ。  
皿に手を伸ばす12使徒を眺めるような不信感バリバリな俺の顔を見ても喜緑さんには一切動揺するような様子はみられなかった。  
さすがは長門の監視係なんてものを務めるだけあって、肝が据わってるな。  
「世界改変が実行されます」  
サラリととんでもないことを言ってのけた。  
「そう言われて俺がそいつを押すとでも思いますか?」  
そして俺は当然のように断った。  
冗談じゃない。誰があんな厄介な経験をもう一度したいなんて考えるかよ。  
「押していただけないんですか?」  
セリフこそ困っているような感じだが、表情はいたっていつも通りだ。  
もうちょっと残念そうにしてくれないもんかね。こっちも断り甲斐がないったらありゃしない。  
「大体、俺の記憶が確かなら、喜緑さんは長門にそれをさせないことが仕事だと思ったんですがね」  
「ちょっと違うんですが、大筋ではその通りです。  
ですから安心してください。このプログラムによって確かに世界情報の上書きが成されますが、予め崩壊プログラムが組み込まれています。  
発動から59時間48分35秒後に自動的にキャンセル、基準情報値の再生が行われるようになっています」  
えらく中途半端な数字だ。きっちり60時間とかじゃ駄目なのか?  
俺はえらく場違いな疑問を自分の灰色の脳細胞の中に思い浮かべた。  
だが、それにも一応理由があるらしく、喜緑さんいわく  
「12月18日午前4時23分から、あなたが文芸部室において脱出プログラムを起動させるまでと同一期間ですよ」  
ということらしい。  
技術的なことはよくわからんが、多分その時間がいろんな意味で限界なんだろう。  
しかし、いくら期間限定とはいえ、そんなことをするのはまっぴら御免だ。それが嘘じゃないって保証もないしな。  
そもそもなんで俺に核ミサイル発射ボタンよりも厄介なシロモノを押させたがるんだ。自分でやりゃあいいじゃないか。  
「あなたでないと正常な起動ができないんです。  
解析不能な涼宮さんの能力を用いて可逆性を保持したままで世界改変を行うのは統合思念体といえども困難極まります。  
ですから出来る限り前回の改変をトレースするのが望ましいんです。  
それには是非とも『あなたがエンターキーを押す』という条件が必要なんです」  
どういう理屈なんだか俺にはさっぱりわからんが、ひとつだけ言えるのは自分で出来ないんだったらやらなきゃいいってことだ。  
俺だっていきなり自分で弁当つくったり、教師にかわって教壇に立つような分不相応なマネはしないぜ。  
喜緑さん、ぜひともあなたの親玉に『自重』って言葉を教えてやってください。  
「そんな大それたことがわたしにできるとお思いですか?  
……それとも、こういうのはどうでしょうか」  
そう言って喜緑さんは俺の右手をとった。  
美少女にそんなことをされたんでは普通の男子高生としては狂喜乱舞するのが礼儀というものかもしれんが、俺はちっともそんな気になれなかったね。  
なんせ喜緑さんはそのまま俺の人差し指をキーボード上に持っていったんだからな。  
「ちょっと!こんな強引なやり方もOKなんですか!?」  
「はい。これでもプログラム起動には支障はありません」  
そう言いつつ、俺の手をあっさりと離す喜緑さん。ああ、あせった。  
「ただわたしとしてもこのような強硬手段は望んでいません。  
できることならあなたには自主的に協力していただきたいんですけ」  
「ど」と最後に発音したらしき喜緑さんの発言は、突然の破砕音によって掻き消された!  
ドアの辺りが爆発し、爆音と爆風に煽られて床を無様に転がる羽目になっちまった俺にはなにが起きたのやらさっぱりだ。  
ただ、想像はつくね。  
こんなド派手な登場をするヤツは俺の知り合いには一人しかいないからな。  
なんとか上下方向だけは正しい位置関係を取り戻した俺の体のすぐ傍に出現したのは俺の予想通り  
見た目は地味な文学少女にして、ダイハードに出演してもやっていけるSOS団きっての実力派アクション女優  
長門有希、そのひとだった。  
 
「あの、長門さん」  
俺がみっともなく転げまわったのが嘘みたいに、長門乱入前と変わらぬ姿勢で佇む喜緑さんが、これまた変わらぬ表情で口を開いた。  
「空間閉鎖していたわけでもないのに、こんな暴力的な突入をする必要はなかったんじゃありません?」  
なに?そうなのか?  
「長門、そりゃいくらなんでも」  
『やり過ぎだ』と繋げようとして、俺は慌てて口を噤んだ。噤まざるをえなかった。  
「………」  
無言で喜緑さんを睨みつける長門は、無表情に見えてその実、『憤怒』とさえ呼べそうな強烈いら立ちオーラを発していたからだ。  
発信先でない俺でさえ息を呑む。はっきり言って、怖い……  
しかし、当の怒りの矛先である喜緑さんはまったく気にしていないようだった。  
「この事はあなたも承知のことだったはずですが」  
「わたしは計画凍結の申請をした」  
「でもこれ、長門さんの進退にも大きく関わってるんですよ」  
「関係ない。彼を巻き込むのは許さない」  
マズイ……これはとにかくマズイ。  
シチュエーション的には俺が朝倉に襲われたときに似ているが、内部事情を多少なりとも知っている今、あの時よりもよっぽど危機的状況なのがわかる。  
長門と喜緑さんの立場は、言ってみれば保護観察処分を受けている子どもとその監察官みたいなもんだ。  
勝負の勝敗いかんに関わらず、喜緑さんに逆らうことそのものが長門の身の危険に直結しているわけだ。  
「長門!穏便に!穏便にいこう!」  
そう俺が叫んだのと同時か、はたまたコンマ何秒かのタイムラグがあったのかははっきりとしないが、とにかく俺は長門に腕を引かれつつ壁の大穴から脱出させられていた。  
いつの間に!?  
だが、その程度のことで驚いている場合じゃなかった。  
俺の背後でみるみる壁が元の姿を取り戻していくのは長門がやったのか、それとも喜緑さんの手によるものなのか。  
これも今更俺のびっくりメーターを上昇させるもんでもない。  
俺が驚いたのは、長門が肩に旧型パソコン一式を抱えていたことだ。  
これまたいつの間に喜緑さんから掠め取ったんだ!?怪盗ルパンの4代目が襲名できるぞ。  
「長門、それをどうするんだ!?」  
「プログラムに修正を施し、無力化してからあなたにキーを押してもらう。  
エンターキーさえ押せば、喜緑江美里も文句は言えない」  
走行スピ−ドを緩めないまま、長門はそう言った。  
「そんなんでいいのか?」  
「いい。情報にはあらゆる可能性が内包されており、わたしが介入しなくともプログラムが本来の効力を失う可能性はゼロではない。  
事後の反証は不可能。問題ない」  
俺はさっき『ゼロ』と『限りなくゼロに近い』なんて似たようなもんだと考えていたが、今回の場合はゼロでさえなけりゃいいらしい。  
いい加減なもんだな。  
「で、今は一体どこに向かってるんだ?」  
「部室」  
「あそこまで行くのか?喜緑さんが追ってくるだろうし、間に合うのか?」  
「部室以外ではプログラムの修正は無理。生徒会室侵入前にトラップを配置した。時間は稼げるはず」  
つくづく抜け目がないね。将来は検査院に入ったらどうだ?政治家の不正がなくなりそうだ。  
 
 
部室までなんとか無事にやって来た俺達。  
長門は到着するなり壁に手を付き、人間の理解領域を遥かに超えた早口呪文を唱えた。  
見た目はなんも変わっちゃいないが、これでも密室になっているらしい。  
「でも長くはもたない。  
喜緑江美里はわたしの能力に対抗するのに特化されたインターフェース。  
ただちに世界改変プログラムの修正を開始する」  
言うがはやいか、長門はいつも俺と古泉がゲーム盤を置いている長机にパソコンを置くと、またまた右手をそれに添えて呪文の詠唱だ。  
どうもソケットにプラグを差し込む必要はないらしい。  
どうにも手伝えることがないのがもどかしいね。  
せめて邪魔にはならんよう静かにしてるさ。  
「押して」  
って、もう終わったのかよ!?1分もたっちゃいないぞ!?  
「喜緑江美里が侵入してくるまで時間がない。  
完全なかたちでの無力化は無理と判断した」  
長門がそう言うからには、もう本当に時間がないんだろう。  
「でも可能なかぎり、無害化は出来た。  
押して」  
押すさ。当然だろ。  
俺は自分が将来年金を受給できることは信用しちゃいないが、長門のことは誰よりも信用してるんだからな。  
 
 
俺が迷わずエンターキーを押すのと、部室のドアが開くのはまったくの同時だった。  
 
 
世界改変プログラムは作動した。  
つまり、今この世界は今までのものとはまったくの別物ってことだ。  
なにが変わった?  
目の前には長門がいる。  
その顔には眼鏡が装着されている。  
一瞬ギョッとなる俺だったが、いや、表情を見ればわかる。  
眼鏡をかけているだけで、他はなんにも変わっちゃいない。いつもの長門だ。  
次いで後ろに振り返る。  
開け放たれたドアの向こうに喜緑さんがいるはずだからな。  
そして、さすがにこれには驚いたね。  
「まさかこのようなかたちに世界が改変されてしまうとは思いませんでした」  
つぶやく喜緑さん。  
ちょっと呆れ成分が混ざったその微笑み顔には、ノーフレームの眼鏡がかかっていた。  
 
両手でせわしなく眼鏡の位置を微調整をする喜緑さんは言う。  
「つまりですね、『女性は人前では眼鏡をかけていなければならない』というのが常識な世界になってしまったんです」  
んなアホな。  
俺の感想はそのひとことに尽きた。  
「前回の世界改変の期間中、長門さんは眼鏡をかけていましたからね。  
その残存データがこのようなかたちで作用してしまったんでしょう」  
眼鏡業界は今すぐ長門を生き神様として奉るべきだな。  
なんなら俺がマネージャーを務めてやってもいい。  
ふと見ると、長門と喜緑さんが揃って天井を見上げている。  
天井の木目が般若の顔にでも見えるのか、なんて間抜けなことは俺だって考えないぜ。  
これは例のアレだ。宇宙にいるボスと連絡をとってるんだろう。  
そのあいだも、いまいち眼鏡の位置がしっくりこないのか、しきりに眼鏡を上下させる喜緑さん。  
それ、サイズが合ってないんじゃないですか。  
「統合思念体は今回の結果に満足している」  
「長門さんに対してなんらかの処分がくだされることもないみたいですね」  
そりゃよかった。  
3日間、世界中が眼鏡っ娘だらけになる程度で収まってくれたんなら、それこそ万々歳だ。  
まあ、しばらく素顔の女子を見られないのは残念なんだが、それぐらいは我慢しないとな。  
 
 
なんだかんだで事態が平穏無事に済んだことで安堵しきっていた俺は、その時の長門の目に妙な色が宿っていたことには気付けずじまいだった。  
 
 
「………」  
「あのー、なぜここにいるんですか?」  
「………」  
「え?慰めて、ですか?そんな義理はないと思うんですけど。だってわたしは仕事の邪魔をされたんですよ」  
「………」  
「まあ、愚痴ぐらいなら聞いてあげてもいいですけど。  
はあ、つまり長門さんは、全員が眼鏡をかけるようになれば自分が一番似合っているはずだから、自然に彼の好意を独占できると予想したと」  
「あの伏兵は予想外」  
「結局のところ今回の敗因は、彼の眼鏡属性のなさを過小評価していたことではないかと思いますが」  
 
「まさかクラスメイトの由良に好意を抱くとは想定していなかった」  
 
「それに関しては同感ですね。  
つまり、今までは眼鏡をかけているということで敬遠していたけれど、全員が眼鏡をかけるようになったらクラスで唯一のポニーテールである彼女の魅力が際立ってしまったんですね」  
「………」  
「そんなゴムを用意したって無理ですよ。その髪の長さでどうやってポニーテールなんてしようっていうんですか。  
諦めてあと2日間我慢してください」  
「………」  
 

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