県立北高等学校校歌  
 
最寄り駅から徒歩10分 今日も息切れ青息吐息  
きつい傾斜の坂道が 僕らの試練だそうなんだ  
いったい何%だ腹が立つ 高山病にかかるぞこのやろう  
こんなはずではなかったのに 無駄に校内広いんだ  
近くにコンビニひとつもねぇ 責任者出て来い 出て来いよ  
おまけに女房は帰らない 男こさえて出て行った  
お酒とおでんが友達さ あっこれって校歌だっけ  
ああ 我等が北高校  
え 誰が来たって  
ああ 我等が北高校  
え 誰が来たって  
 
 
「正気の沙汰とは思えないわよこんなの」  
ああ、それには同意しておこう。無論、こんな歌を採用した人もろとも。  
「あのぉ、こんなのどうですか。今はやりのミュージシャンに頼んでみるのは」  
流行り廃りの激しい今はやめたほうが無難でしょう。過ぎたら微妙ですし。  
「今よりましです」  
そりゃ、そうだが。  
「それならさ、毎年毎年違う人に頼むのはどう。話題にもなって一石二鳥よ」  
どこにそんな金があるんだよ。  
「今よりましです」  
だから無理だっての。『機関』が金を工面してくれるのか。  
「さっきから文句ばっかりじゃない、何時から資本主義の奴隷になったのよ」  
とりあえずもっと地に足の着いたアイディアを出してくれよ。晩年の豊太閤じゃあるまいに。  
「そうね、あたし達が作詞作曲するってのはどう」  
俺たちで、か?  
「ナウでヤングなあたし達が作れば、名曲、間違いなしよ!!」  
なんでダブルで死語なんだ。何歳なんだおまえは。  
「まずは全体的な曲のイメージを決めるのよ」  
今までよりは格段にましだ。つきあってやろう。  
「流行り廃りのない、ロックンロールはいかがでしょうか」  
校歌とは真逆の位置に陣取る曲調じゃないか。老教師が泡吹いて倒れるぞ。  
「哀愁ただよう感傷的ブルース」  
暗ッ!!場末の飲み屋か。青春を謳歌しているはず俺達が歌う曲じゃないぞ。  
「覚えやすくて歌いやすい両方を兼ね備えた童謡風がいいと思います」  
真面目に考えてください。  
だいたい校歌ってのは学校を褒めるようなものじゃないか。式典でも歌われる訳だから、  
曲調もソレっぽいものじゃないと。  
そもそも、あんたら作曲できるのか。  
「それこそ愚問よ」  
「マルチな才能がウリ、それが僕たちではないですか」  
「カスタネットを少々」  
「タンバリンを少々」  
何を言っているんだ。  
「あとトライアングルを少々」  
なら聞くがどう作曲するつもりだ。モーツァルトも吃驚だぞ。  
「僕、本当はあの時大太鼓をやりたかったんですよ。ですが大太鼓に選ばれるのは目立つ人ばかりで」  
いつ俺がそんな話聞きたいといったんだよ。しかも何の話だよ。  
「あの〜わたし自信ないですけど、ピアノ弾けます」  
さすがマイエンジェル、優雅な技能をお持ちで。  
で、音楽室である。  
「弾きますが、失敗しても笑わないで下さい」  
 
流石です、朝比奈さん。俺たちの期待を裏切らない方だ。  
自信が無いと仰っていましたが、ここまでヒドイとは!!  
リズム感皆無!!!  
ただ譜面の音階通りに鍵盤を押さえているって感じだ…  
音楽って感動じゃない鳥肌も立つんだ!?  
笑えない…  
何なんだこの不安感を掻き立てられる感じは…  
もしやこれが未来音楽なのか?  
そうなら俺は一生未来人とよろしくやってけない  
ううっ 気持ち悪い なんか酔ってきたぞ!!!  
 
再び、教室。  
「んじゃ…曲に関しては適当にパックってくる、ってことで」  
それはマズイだろ。  
「だって作曲できないし」  
できる、って言ったのあんたらだろ!!?…アレでできる気になってたのがすごいけどな。  
「では、各自作詞開始!!」  
まあ、作詞ぐらいならいいけどな。作曲はあとで吹奏楽とか軽音とかに頼めばいいか。  
 
BGM『大きな古時計』  
 
「みんな、そろそろ出来たみたいね。作詞はSOS団名義にするから、各自のいいところを  
 ピックアップしてつなげるわよ」  
おい、そんなことは一言も聞いてないぞ。  
と、言うわけで我らがSOS団プレゼンツ北高等学校校歌が完成した。  
まぁ、なんだ言いたい事は多いがとりあえず聞いてくれ。  
 
山上に聳え立つ わが母校   
眼下に摂津の 海望み  
若き英気を 打ち鳴らす  
 
この世で一番偉いのは SOS団 団長よ  
唯一無二にして不可侵の存在  
団長こそが正義 団長こそが法律   
 
てろろてろろんててろろろん  
綺麗な顔して 裏では虐待 ぼぼぼぼぐじゃ  
忠臣ふりして背後から一刺し ぐさぐさぐさぐさぁ〜  
天下一の謀反人 その名も MITUHIDE  
敵は 敵は 敵は 本能寺にARI  
 
「や、やめろ。俺にはそんな趣味はない」  
「ふふふ、そう言いながらあなたのここは…ふふふ」  
「っつ、ううぅ」  
一樹の指摘通りだった キョンのそこはすでにはちきれんばかりだった  
「痛いのは一瞬ですよ」  
 
不確定のエラーが発生した  
直ちに再試行を実行することを推奨する  
はい いいえ  
 
ああ 我等が北高校  
え 誰が来たって  
ああ 我等が北高校  
え 誰が来たって  
 
WWWWA忘れ物〜  
 
ああ、ちなみに上から、俺、ハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門の順だ。  
長門の次の歌詞は前校歌からの引用で、最後のあれはいつの間にかついていた。  
本当にこれでいいのかよ。  
「ええ、これでいきましょう」  
正気か?もう一回考え直したほうがよくないか。  
「正直、飽きたわ」  
暇潰しだったんかい。これを提出せなあかんとは、本当頭痛いぜ。  
ま、没になるだろうがな。  
 
で次の日。  
「採用、だってさ」  
おい、なんだその、三十分くらいで描いた写生大会の絵が金賞を取ったみたいな顔は。  
誰も真面目に考えてなかったのかよ。  
「で、理由はなに?あんなのが採用された理由」  
おい、何だ今までの努力を無にする物言いは。  
「前よりマシだからだってさ」  
 
「今回は前頭三十朗に救われた、ってわけね」  
「いえ、恐るべし前頭三十朗、と言ったほうがよいでしょう」  
以後末永く歌い継がれたんだとよ。  
 
 

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