長門が消え、朝比奈さんが未来へ帰り、古泉が転校してしまった高校二年の冬、  
俺はなぜか北の街にいた。わかっているとは思うが、SOS団の面々が空中分解  
したのは、ハルヒの変態パワーが消え去ったからだ。  
   
 俺は三人が消えた後に、今までの出来事を一切合財ハルヒにぶちまけた。  
案の定、蚊帳の外だった事にご立腹の様子で、今では口も聞いてくれない。  
鶴屋さんや阪中に仲介を頼んだけど、いまだ音沙汰なし。  
 
 長門や朝比奈さんがいなくなり、ずいぶんとショックを受けたもんだ。  
古泉?あの胡散臭い笑顔を拝めなくなってせいせいしてるよ。  
 そのショックから抜けきれない冬休みに、親父の海外への転勤が決まった。  
来年受験生の俺は日本に残る事となり、北の街へと旅立った。妹?大喜びで  
着いていきやがった。ミヨキチと別れるのは辛そうだったけど、それ以上に  
海外での生活が楽しみらしい。  
 
 古泉あたりがいたら、俺の転校もハルヒの力が消えた影響とか、もっとも  
らしいデマカセを言い出すんだろうな。今思えば、席替えのたびに背後霊の  
ように付きまとわれていたのも、力のせいだったんだろうね。  
 
 
 もちろんハルヒにも転校の連絡したが、あれ以来、絶交状態。電話にも出ねえ。  
 
 
 
 
 一時間近く、駅前のベンチで待ってるが、従姉妹はまだ来ない。大量の長門が  
空から舞い落ちてるよ。あいつは本当に雪になっちまったんだろうか。待ち合わせ  
場所は駅前だよな。長門、教えてくれよ。ああ。またあいつを頼ってしまった。  
最期まであいつには迷惑の掛けどうしだったな、もっと自腹を切って本をプレゼント  
して置くんだった。と意識が朦朧としてきたそのとき、そいつは現れた。  
 
「雪積もってるわよ」  
 ポニーテールに仏頂面のえらい美人がそこにいた。  
「そりゃ一時間も待ってるからな」  
「あたしの名前、覚えてる?」  
 ああ。忘れるわけない。でもここはすっとぼけよう。  
「ずいぶんと様変わりしたな名雪」  
「誰よその女」  
「迎えに来るはずの従姉妹さ。一時間近く待たされてるがな」  
「あんたに似て遅刻魔ね」  
「どこかの団長と同じで俺の財布を食い物にしている奴さ」  
「あんたがいつも遅れるから悪いのよ」  
「なんでハルヒがここにいるんだ?」  
「あたしも転校したのよ。キョンでも受かる編入試験に落ちるわけないでしょ」  
 ごもっともで。  
「どこに住むつもりだ」  
「キョンと同じ下宿先よ」  
 秋子さんなら三秒で了承するだろうな。なんか忘れてる気もするけど、  
まあいいか。とにかく秋子さんの家に向かおう。  
 
 
 この北の街で俺とハルヒは、SOS団時代に匹敵する不思議な  
出来事に遭遇するが、それはまた別のお話。  
 
 
それから一時間後の駅前  
 
「祐一極悪だお〜。祐一の朝ごはんは紅しょうが〜。お昼も紅しょうが〜。  
夜も紅しょうが〜。おやつは百花屋のイチゴサンデー〜。一週間おごりだお〜」  
 
   
 イチゴジャンキー兼猫狂いが凍りかけていた。  
 
 
 

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