文芸部兼SOS団部室に入る前は、必ずドアをノックしなくてはならない。朝比奈さんの生着替えと遭遇しないために、俺と古泉が編み出した方法だ。そして今日も、
部室に入る前に俺はドアをノックした。
「はぁい、どうぞ。」
マイスイートエンジェルのかわいらしい声がして俺はドアを開けた。−するとそこには、着替えがまだ済んでいない、いや済んでいないばかりか下着姿のままの朝比奈
さんがこちらに背を向けていた。
「あ・・・あの・・・朝比奈さん??」
俺は状況に混乱しながらも声を発した。朝比奈さんは振り向くと
「あ・・・ひゅみいぃ!!」
みるみるうちに顔が真っ赤になっていく。目に涙も浮かべて。
「し、失礼しましたあ!!」
俺はあわてて部室の外に出た。50m走をしたあとのように息を切らしてしまった。ややあって、
「キョンくぅん・・・、もう大丈夫ですぅ・・・」
朝比奈さんの声がしたので、俺はそろりそろりとドアを開けた。今度は、いつものメイド服に着替え終わっていた。
「びっくりしましたよ、朝比奈さん。」
びっくりはしたが、嫌じゃないんだけどね。
「えへ・・・すいません。ついうっかりぃ・・・。」
朝比奈さんはウインクをしながら謝ってきた。少々嬉しそうなのは気のせいか?
次の日。
コンコン。
「はぁい、どうぞ。」
俺は昨日のこともあったので、ややゆっくりとドアを開けて中に入った。
そこにはなんと。
上と下の大事な所を隠す最後の砦であるはずの下着すらつけていない朝比奈さんがこちらを向いていた。星型のホクロどころか、その下の豊満な乳房にしては小ぶりの
乳首まで見えてます。
「つ、つゆだくっ?!」
俺は意味不明な言葉を発していた。俺と朝比奈さんは呆けてお見合い状態だったが、俺はビデオの巻き戻しのようにドアを閉め部室の外へ出た。気がつくと、100m
走のあとのように息を切らしていた。
「キョンくん・・・どうぞ・・・」
昨日より小さめの朝比奈さんの声がしたのを合図に、再び部室に入った。朝比奈さんは下着姿でした。俺はハイになってしまったようだ。
「朝比奈さん!」
いつもは決して出さないような大声で声をかけてしまった。
「ふひっ、はふわぁいっ?!」
朝比奈さんがビクッとする。その朝比奈さんに言ってしまった。
「それ、狙ってますね?」
朝比奈さんは真っ赤になってうつむき、モジモジとしていたが、
「禁則事項ですぅ・・・。」
とおっしゃった。やれやれ朝比奈さん、ハルヒのやつに辱めをうけているうちに、露出癖に目覚めましたか。
「キョンくんの反応がかわいくて・・・」
朝比奈さん、それ、正直たまりません。
終わり