あけぼの町、俺の住む町だ。小さな下町だが、人の優しさが溢れるいい町だ。俺はこの町で生まれ育ち、
この町の警察官として人々の平和を守りながら、愛するハルヒと平和に暮らしていた。
ところがある日、町に人間の負の感情から生み出されるマイナスエネルギーを奪おうとする「魔物」が現れた。
俺は魔物に対抗しうる唯一の力「魔弾龍」の一つ、ゴウリュウガンに選ばれ、魔弾銃士リュウガンオーとして
魔物と戦う事になった。そして、1年が過ぎた。
俺はいつものように魔物と戦っていた。すると、空から何か落ちてくるような音が聞こえてきた。空を見た俺は
自分の目を疑った。落ちてきたのは間違いなく、先の大戦で使われた「ゼロ戦」と呼ばれる旧式の戦闘機だった。
そして中から出てきたのは、剣を背負った高校生くらいの少年と、魔法使いのようなカッコをしたピンクの髪の
少女だった。
「痛てててて・・・って、何だこいつ等!?」
それが少年の第一声だった。魔物は二人に狙いを定め、襲いかかろうとしていた。とりあえず、俺は彼らを救うべく
再び魔物どもを蹴散らし始めた。
「おい、怪我はないか!」
俺は少年に訊いた。すると少年は
「あ・・・ああ、大丈夫。ところでアンタ、ここ、日本だよな?」
と俺に訊いた。俺は
「ここが日本じゃないなら、何処だって言うんだ!いいから早く逃げろ!」
と言った。少年は怯えた様子の少女を連れて逃げようとした。だが、彼らの行く手を一体の魔物が塞いだ。すると
少年は剣を抜き、魔物に挑んでいった。
その見事な太刀筋には俺も驚かされた。やがて魔物は形勢不利と見て退散して行った。
俺は一時その場を撤退し、変身を解いて彼らを保護、あけぼの署で詳しい話を聞いた。
少年の名前は平賀才人。何でもこの辺りの町の高校生で、ある日変な穴に吸い込まれ、異世界に飛んでしまったそうだ。
少女の名はルイズ・フランソワーズ・ヴァリエール。何でも異世界から付いて来たらしい。そして剣の名前はデルフ
リンガー、何でも意志を持ったインテリジェンスソードというらしい。言葉を話したときは俺も驚いた。まぁ、俺のゴウリュウガン
も言葉を話すから俺は他の人たちよりも驚かなかったが。
才人君によると、向こうの世界であのゼロ戦を見つけ、日食の日に太陽に向かって飛んで行くと帰れるという話を聞き、
帰る準備をしていた矢先、彼のいた国が敵国と戦争を始めたそうだ。それに加勢して、決着がついた時ゼロ戦は既にボロボロだったという。
で、そのまま勢いで帰ってきたため、ルイズちゃんを置いて行くのを忘れてしまったという訳だ。
話を聞き終えた俺は、とりあえず才人君を自宅に送り届けようした。その時、町に上級の魔物が現れたと言う通報が入った。
俺は急いで現場に向かった。するとそこではバッタみたいな魔物とさっきも現れた雑魚の遣い魔が暴れ回っていた。俺は
生身で遣い魔を6,7体倒すと、腰のゴウリュウガンを掴んだ。
「ゴウリュウガン!」
一瞬で大型拳銃サイズになったゴウリュウガンのグリップに、変身用のリュウガンキーをセットする。
「リュウガンキー、発動!」
『チェンジ、リュウガンオー』
ゴウリュウガンがキーを読み上げる。そして俺は叫んだ。
「剛龍変身!」
俺の身体が赤いマダンスーツに包まれ、あっと言う間に変身が完了。そしてポーズを取りつつ名乗った。
「魔弾銃士リュウガンオー、ライジン!」
その頃、才人とルイズはあけぼの署地下の対魔物組織「SHOT」の基地に招かれていた。
彼はSHOTの隊長から「魔弾戦士になる素質がある」と言われ、魔弾戦士として戦うか、普通の高校生として生きるか
の選択を迫られた。こんなところで逃げるつもりはない、そう思った彼は、この町を、そして愛するルイズを守る為、
魔弾戦士として戦うことを決意した。そして隊員の一人、古泉一樹はデルフリンガーに魔弾龍の力を与えた・・・。
動きが早すぎる。これじゃ当たるものも当たらん。それにこの遣い魔、邪魔だ。邪魔すぎる。くそっ、どうすりゃいい?
バッタの如くあちこち飛び回る魔物に苦戦していた俺の前に、才人君が現れた。しかし、持っている剣が違う。どうした?
「彼の所持していた剣と魔弾龍の力が合成された模様。彼が魔弾戦士である可能性、100%。」
いつもの調子でゴウリュウガンは言った。すると、予想通り才人君は剣にキーをセットした。
「リュウケンキー、発動!」
『チェンジ、リュウケンドー』
あの剣がキーを読み上げる。才人君は叫んだ
「撃龍変身!」
俺の赤とは違い、青いマダンスーツに包まれ、変身が完了した才人君は名乗った。
「魔弾剣士リュウケンドー、ライジン!」
その後、才人君、いや、リュウケンドーは初めての戦闘とは思えない戦いを見せ、魔物を撃退した。
戦いが終わった後、、才人君は特例としてSHOTの隊員に採用され、ルイズちゃんは才人君の所で面倒を見ることに
なった。やれやれ、これで肩の荷が軽くなるってもんだ。
そして、俺は自宅へ帰った。
「ただいま。」
いつもの如く疲れた声で言うと、いつものように元気そうなハルヒの声が聞こえてきた。
「おかえりなさい、キョン。今日も大変だったわね〜。」
嬉しそうな声でハルヒは続けた。こいつは昔から不思議なことが大好きで、始めて会った
時、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらアタシのところに来なさい」と言った。
それから3年、あいつが設立した妙なサークルに無理矢理入れられ、引っ張りまわされ、
気が付けばアイツに惹かれていた。そして今や俺の奥さん。おかしな話と言えばおかしな話である。
しかし、後悔とかはまるで無しだ。俺は今の生活には不満は無いし、勿論、今でもハルヒを想う
気持ちは変わっていない。だからこうして、日々魔物と戦っているのだ。今まで一人で戦っていたが、
新たに仲間が増えた。これでもう怖い物無しだ。俺は絶対にこの町を、ハルヒを守り抜く。そして俺は
今日も戦う。
「魔弾銃士リュウガンオー、ライジン!」
END