今日は、喜緑江美里です。
実は……最近、同僚のセクハラに困っているんです。
おしりを触られたり、胸を強くもまれたり……。
逆らえないんです。相手の方が立場が上だから。
このあいだは、学校に行くとき、下着をつけちゃいけないって命令されて……。
その日は体育でした。ノーブラで走ったら、男子がみんな私の方を見てて……汗で透けてたんです。走るたびに揺れるし……。
だんだん、命令がエスカレートするんです。
昨日の昼休みは、だまって大人のおもちゃを差し出されました。
リモコンのスイッチを入れると、震えだすやつです。私は言われるまま、女子トイレで、おそるおそる自分にそれをつけました。
トイレからでたら、同僚は、急にスイッチを入れるんです。そのとたん、股間でそれが暴れだして、私はみっともない喘ぎ声をあげて、その場にへたり込んでしまったんです。
『あぅ……』
うめく私を、同僚は目に微かな喜色を浮かべて見下ろしています。
『あれ、大丈夫ですか?喜緑さん』
たまたま通りがかった男子生徒が声をかけてくれました。涼宮ハルヒの作ったSOS団の団員、キョンくんです。
同僚は、彼に見えないようにこっそりとスイッチを切りました。
『ええ……大……丈夫……です』
『顔が赤いですよ、熱があるんじゃないですか?』
有機生命体と違って熱なんか出さない……と言いたいところですが、私の体の構造は人間のそれと変わりませんから、振動に体が勝手に反応してしまうんです。
『平気です……ありがとうございます』
『そうですか。俺はちょっと用事があっていかなきゃならないんで、これで……さよなら喜緑さん』
はい。なんとか笑顔を作って手を振ります。
『後で部室でな、長門』
コク、とスイッチを手にした同僚は頷きました。彼が私のことを気にかけてくれたのが、腹立たしいのでしょう。また命令がエスカレートしそうです……。