「あぁハルヒか?うん…うん…実は妹が風邪を引いてな、俺が看病しなくちゃならなくなったんだ。だから今日は…うん…………悪いな、この埋め合わせはいつかするからさ。じゃあまた学校でな」
土曜日。普段ならSOS団恒例市内不思議探索パトロールに行くはずなのだが、今さっき電話でハルヒに説明した通り妹の看病をしなくちゃならないことになった。
なんだって両親が出払ってる時に風邪を引くんだろうねこいつは。
「キョンく〜ん…」
はいはい、喉が乾いたのか?それともおしっこか?
「シャミは〜?」
「…今連れてくるから」
確かに風邪を引いた時は人肌が恋しくなるもんな。
シャミを妹の頭の横に置いてやる。お前にはいつも迷惑をかけるな…今日だけは一番高い猫缶食わせてやるから我慢してくれよな。
軽く背中を撫でてやるとシャミセンがニャアと鳴く。どうやら交渉成立したようだ。
「キョンくんお腹空いた〜」
「はいはい、すぐ作ってやるから少し待ってなさい」
「うん、アイスも食べたいの…」
「…………買ってきてやるから」
「えへへ」
取り急ぎダッシュでコンビニまで行き昼飯の材料とアイスと猫缶を買ってくる。
さきに妹にアイスを渡し、シャミに猫缶を渡す。さて、に料理を作るとしますかね。
…………ふむ、ところでみなさんの家の風邪を引いた時のメニューはなんであろうか?大体のご家庭はお粥と答えるだろうが我が家はちょっと違う。なにを隠そう我が家では風邪を引いたら誰がなんと言おうともカレーうどんなのだ!
べ、別にお粥の作り方がわからないわけじゃないんだからねっ!
というわけで体のことを考えての肉無しカレーの出来上がりだ。た〜と食べなさい。
「熱い…」
「出来立てだからな」
「熱い…」
「冷ませ」
「………」
わかった。わかったからそんなウルウルした目で俺を睨むな…
「食わしてやるから箸貸せよ」
ふ〜、ふ〜…あんまうまそうじゃないなぁ…
「ねぇキョンくん〜」
今度はなんだ?おしっこか?
「今日、ハルにゃん達と遊ぶ約束してたんでしょ?私はもう平気だから行っていいよ」
「変な気を使わなくてもいいぞ。それよりおしっこしたくないか?」
「本当だよ?もう治ったもん」
どれどれ………確かにさっきより熱は下がってるな。
「ね?行って」
「ダメだ。またぶり返すかもしんないだろ?」
「平気だよ。もうすぐお母さん達帰ってくるし、私寝てるから」
そうは言ってもなぁ…
「じゃあお前が寝たら行くよ」
そう言うと妹が目を瞑った。少しでも早く寝ようとしてるのかね?子供なんだから変な気を使わなくていいのに…
「もう寝たよ?」
…………………やれやれ、
「おやすみ」
「おやすみ、兄ちゃん…」
母さん達が帰ってくるまでに台所でも片付けてるかね。
妹が勝手におしっこするといかんしな。
〆