俺が餌付けされた猫のごとく決まった時間に部室に着くとあな珍しや。長門さんがだらしなく机に突っ伏してるよ。
どうしたのかな?と近づいてみると可愛いらしい吐息が…どうやら寝てる見たいだ。本当に珍しいな…てゆーか宇宙人もやっぱり睡眠は取るんだな。
いつもはまるでとりつかれたように一心不乱に本を読んでいるだけの長門のこの姿は大変貴重である。記念に写真でも、いや寧ろここは若者らしさをアピールすべく額に肉とでも書くか?
まあ、それは冗談なんだがとりあえず写真は撮っておこう。二度と見られないかもしれんし。
………
……
…
それから俺の体感で一時間ほど(実際には20分ほどなのだが)経過しのだが、遅いな…部室にはまだ誰も来ていない、正直暇を持て余す…
なんとなしに長門を見やるがまだ眠ってるし。そこでふと長門の口元が目に付く、うつ伏せに寝てるせいか涎垂らしちゃってるよ…だらしないなぁ〜
俺がついついよく妹にしてやったように手の甲で涎を拭ってやると長門と目が合った。気まずっ!
「ご、ごめん長門!」
「…………」
このタイミングで沈黙は辛いぜ長門さんよ。そんなつもりじゃないのにやましいことしてるみたいじゃないか…いや、ほんとデリカシーが無くてすいません。
「………もっと、撫でて…」
長門がかすれたような喉が詰まったような、要するに寝惚けた声でそんなこと言ってまた目を瞑るもんだから俺の父性愛溢れる熱いハートは16ビートですよ?
「………」
顔が熱くなるのを感じながらもすやすやと寝息を漏らす長門の頭を撫でる。
この日ばかりは誰も来なきゃいいのにとか思ったり思わなかったり。
〆