「お止めください」
な、なんだお前。何処から入った?邪魔するなよ。
俺は今から古泉が3年間抱いた黒い感情を吐き出すシーンを描かなきゃいけないんだ。
キョンは古泉に殴りかかるが全く敵わなくて、ハルヒにも見捨てられちまう。
そうして世界に絶望したキョンは……俺は……
「そうはいきません。確かにあなたの現状には深く同情しています。
しかし、そのような感情を無作為に吐き出したあげく首を吊ろうだなんて真似を、許すわけにはいきません。
世界のために……そして、僕自身のためにも。
……僕の話をしましょう。
彼女に対し好意的な思いを抱いていた事は認めます。
あなたが描く通りに彼女と抱き合いたかったという思いがあったことも事実です。
彼にも……そう、少なからずそういう思いがあった事も。
あなたが抱く僕の偶像は、皮肉な事ですがおおよそ正しいものです。
ですが、『神』に誓って言います。
僕はあなたが考えているような、彼女の心の隙に突け入るなどという卑怯な行為は……絶対に、しません。
絶対にです。
それが、僕が……… 僕が好きだった彼女を、変えてくれた彼への お礼だからです。
それにですね。
仮にそのような真似をしたとすれば、僕に出来る拳傷はひとつでは済みませんよ。
僕はそんな事で命を落としたくはありませんから。どうせ死ぬなら、彼らのために……おっと、お喋りが過ぎたようですね。
さあ、ドアをお開けください。彼女が待っていますよ。
二人が家に居た、ただそれだけで早とちりをしてしまったあなたが悪いのです。
ちゃんと事情を聞き、お互い仲直りする事です。それでは……」
やれやれ、任務も完了しましたし、戻るとしますか。
……長門さんが僕に事態を任せた理由も、解った事ですしね。
おや、そういえば彼の書きかけたレスがそのままでしたね。
長門さんによれば、あれには筆者の不安定だった感情を第三者に感染させてしまう厄介な情報生命素子が潜んでいるという話なのに…。
いえ、これ以上僕がでしゃばらずとも何とかなるでしょう。
これも長門さんの話ですが、「負のウイルスには心温まる良質のワクチンを」だそうです。
意味は…語らずともわかりますよね。
さて、このままでは二人の結婚式に遅れてしまいます。
後は頼みましたよ、『 名無しさん@ピンキー 』の皆さん。