結局、なし崩し的にハルヒと結婚した俺は、何とか中堅企業のサラリーマンになることができた。
ハルヒは不満そうだったが、まあ、俺としては上出来だろう。
少なくともこれで人並みに普通の生活をしていけるんだからな。
その日、俺は急な出張から帰ってきたところだった。
疲れた身体を引きずり、無言で家のドアを開け、リビングに入ったところで俺は固まった。
ソファーの上でハルヒと古泉が半裸で抱き合ってたんだ。
「こ、古泉、お前……」
そう呟いた俺の言葉に反応したのはハルヒだった。
「ま、待ってキョン、違うの、これは――」
古泉は何時になく真剣な顔で、何も言わずに床に視線を落としている。
俺は湧き上がる疑問と怒りに身体が震えるのを感じながら、ハルヒを一瞥した後、
古泉に向かって口を開いた。
「すまん、一つだけ訊かせてくれ。
俺はハルヒと結婚しているから仕方がないんだが、何でお前まで、そんなことをしてるんだ?」