閉鎖空間中のハルヒの横顔を眺めながら、積年の疑問を考えていた。  
それは「涼宮ハルヒの存在を、俺はどう認識しているのか」という問いである。  
簡単に見えて、奥の深い問題だ。  
「ハルヒはハルヒであってハルヒでしかない」なんてトートロジーでごまかすつもりはない。  
ないが、決定的な回答を俺は持ち合わせてなどいない。  
「ただのクラスメイト」という現象がある。  
学校教育において、同一の教室内において勉強する生徒である。  
つまり、本来のハルヒが何者であろうとも、ハルヒが我々と  
同一の教室で学んでいれば、身近に感じるはずなのだ。  
ハルヒはただのクラスメイトか否か?  
…いや、すまん。これもごまかしだな。ハルヒはただのクラスメイトじゃない。  
それは他のSOS団員側に回ってみることでわかる。  
長門からみると「進化の可能性」で、朝比奈さんによると「時間のゆがみ」で、古泉にいたっては「神」扱いだ。  
正面に回って、俺は強引に唇を重ねた。  
よってハルヒはただのクラスメイトでないと言える。  
 

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