「あなたは死ななきゃいけないの。今、この場で」
あああ朝倉さん、何故に俺にナイフをつきつけやがっておられるんですか!?
長門が受け止めてなかったら俺の魂は天国への階段を2段とばしで駆け上がっていくところですぞ!
「なんだって俺が殺されねばならないんだ!?理由をプリーズ、プリーズ!?」
「聞かない方がいい」
長門!
いやいやいや、俺の生への渇望は誰にも止められやしないんだ!生きていることには理由がある!だから殺されるのにも理由がある!
そうだろ、みんな!
「あなたは将来、涼宮さんの能力を悪用して、世界中の女性の外見年齢を12歳で固定することになるの。
それを阻止するためにも、あなたには死んでもらわなきゃいけないのよ」
ちょっと待て!
俺は女性の胸部に詰まった夢と希望に胸をときめかせる普通の男子高校生だぞ!
そんな特殊な性的趣向はひとかけらも持っていない!
「どうりでキョンは妹ちゃんに不自然に優しいと思ったら……」
「待て、ハルヒ!『どうりで』ってなんだ!?
あんなのは普通の兄弟愛の範疇だぞ!っていうか、あとずさるんじゃねぇよ!」
「そうか、キョン…お前はそんな危険思考の持ち主だったんだな。俺はどっか遠くから暖かく見守らせてもらうことにするぜ」
「谷口!お前はそれでも友達か!信じろよ、俺を!
国木田!あいつは駄目だ!中学からの親友のお前からなんとか言ってやってくれ!」
「うん。キョンは親友だったよ。
でも、キョンはひとりで遠いところに行っちゃったんだね……」
「なに遠い目してるんだ!ここには俺の味方はひとりもいないのかよ!俺たちゃクラスメイトで仲間だろ!」
「おい、なにしてる。授業はじめるぞ。席につけ」
「授業どころじゃねぇ、っていつの間にか全員着席してるし!?
なんだよ、これ!?なんで俺以外のチームワークがこんなに完璧なんだよ!?新手のイジメか!?」