「用件は他でもない……喜緑のことだ」
本名不明の生徒会長は少し躊躇いがちに、今は生徒会室にいない書記係の名を挙げた。
俺はてっきりハルヒ関連の話だとタカをくくっていたというのに、何とも強烈な変化球が飛んできたもんだな。
おかげで俺の脳内で待機していたバッターボックスの連中は大騒ぎだ。
とりあえず、俺が知っていることといえば彼女はヒューマノイドインターフェースだって事ぐらいなんだが。
果てさてこの打法のみで次の変化球に対応できるものなのだろうか、どうでもいい不安がよぎる。
「お前ら、この前アイツに男がいたと言っていたな」
……はて、そんなこと言ったっけか。回想モードスイッチON。
『あのカレシとは、どう、うまくいってんの?』
喜緑さんにそう訪ねたのは確かハルヒだったな。
『もうお別れしました。今思うと、本当は最初からお付き合いしていなかったようにも思える、それは遠い記憶です』
彼女は微笑とともに素っ気なく答えた。
……回想モード終わり。短っ!!
「あの後、喜緑自身に聞いてみたんだが、あれ以上口を割りやがらねえんだ」
まあ、あれはカマドウマ事件の都合上仕方なくついた嘘話だったわけで、
あまり気にする必要もないのだが。さて、どこまでこの人には話していいんだ古泉?
「別に生徒会長が気にするほど進展があったわけではないみたいですよ」
こんな感じでいいかな。
「……本当にそうなのか?俺にはそうは思えん」
駄目だったらしい。一体なにが納得できないんだ?
「お前、気付いていないとでも言うつもりか?」
何を言ってるのかな。俺にはサッパリだね。
「嘘だな」
……ああ、嘘だよ。入った瞬間分かったよ。
何だこの イ カ 臭 い 部屋は!!
ゴミ箱満杯のティッシュやトイレットペーパーは何だこの野郎!
「ハッハッハッ、ご想像の通りだ!
俺はこの生徒会長という地位と古泉どもの力を利用して毎日毎日乱交パーティーなのさ!!」
な、なんて羨まし、いや、外道な真似を!
「何とでも言うがいい。
俺は喜緑にそんな光景を見せつけ、奴から俺を求めてくるのを待っていたわけだ。
だがな!あの女は何も言わず、何も求めず、ただじっと俺と他の女の行為を眺めるだけなのだ!
決して無反応な訳では無い。あいつは時折、体の火照りを抑えきれない女の目をする。
なのに、なのにあの女は俺を求めたりしない!何故だ!?」
「わたしが解説する」
暴走している生徒会長に割って入ってきた長門。
どうでもいいが、ドアの鍵はちゃんと閉めておいた気がするのだが。
「些細な問題。それよりも、彼の問題に答えるのが先決」
お前がそう言うなら……そうなのか?
「そう」
「彼女は私と意識や感覚を共有できる能力を有している。
私の監視係という役割上、私が監視の目から逃れる為に彼女を破壊するという考えに至らないようにするため。
そして、私も完全なる共有は不可能だが、ある程度の思考を読み取ることはできる」
俺に耳打ちしてくる生徒会長。
「……コイツ、何言ってんだ?」
アンタにいちいち説明してやる義理は無い。寄るな色魔め。
「ええと、長門。ようするにお前と喜緑さんは、両方の考えてる事がわかるんだな?」
「そう」
ご都合主義な感じがプンプンするが、この際まあ気にしないでおこう。
さっさと結論をこの変態会長に語ってくれないか。
「わかった」
突き刺すような視線を色欲の権化に向けた長門は、いつかの彼女のように素っ気なく答えた。
「彼女は、あなたに絶望している。」
「何!?」
「(まあ、そらそうだろう…)」
「それは、
あなたが 早 痴 だから」
「煤i゜Д゜;)!!煤i゜Д゜;)」
「あなたは、常に5人以上の女性と行為に及ぶのに、5分ももたない」
「(゜Д゜) (゜Д゜)」
「この結果に対しては、私も遺憾を覚える」
「(゜Д゜) (゜Д゜)」
「ちなみに」
「(゜Д゜) (゜Д゜)」
「彼は、彼女も信じられないくらい おおきい」
「(゜Д゜;) (゜∀゜)」
チャララチャッチャッチャーン♪(DQ風)
――『酒池肉林END』のフラグが立った!!
(゜Д゜) (´∀`〃)←「彼は けだもの」