「俺は童貞をまだ捨てちゃいねぇ!」  
 だからって叫ぶ事は無かった。また一つ海馬から消去したい記憶ができてしまった。  
「何、童貞?」  
 店を出かけたハルヒが戻って来る。  
「俺は大人のABCを一つもやってねぇ。経験しなきゃ俺の夏は終わらないんだ!」  
「……バカ?」  
 ハルヒは心底バカにした風に告げるが構うもんか。  
「おい古泉、お前はどうだ」  
「え、えぇ、忙しかったですから半分と言ったところですが」  
 どう言う意味で半分なのか気になるが今は置いておく。  
「よし長門、古泉。できるところまで犯らせろ。朝比奈さんも一緒にどうです?」  
「あ、え、でも何処で?」  
「俺の家で犯りましょう。長門もそれでいいな?」  
「いい」  
「よぅし、明日は朝から一気に犯るぞっ!」  
「ちょっと待ちなさいよ! 何勝手な事言ってんのよ! 団長を無視して決めていいと思ってんの!?」  
 ハルヒは一息つくと手を腰に当てて、  
「わたしも行くからねっ!」  
 
 結果を言うと……どうやらハズレを引いたようだ。  
 やっぱ犯り残しが乱交ってのは無理があったか。  
 
 
 ……あんなに誰よりも乱れていたクセに。  
 
 

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