ここ最近、俺は変な夢を見る。  
変というか変態と言うか思春期の男子が見る類の者だ。  
 
出演者は常に俺ともう一人だけ。  
やけに広い部屋にベッドがぽつんとあるだけの殺風景な風景。  
そこに溶け込むようにして存在している、裸体の少女。  
見慣れるくらい見たというのに見るだけで心と局部がビクンと跳ねる。  
 
いつもは無口で本を読んでいるだけなのに、この夢の中では  
淡々と赤面するような学術的性関連単語を呟く少女。  
長門、ユキ。  
 
 
そして今も夢の中ってわけだ。もう何回目なのか数えてもいない。  
…いつもと違うのは、俺が拘束されてないってことか。  
今までの夢は全部拘束状態だったから自分でもしらない  
性癖持ってるんじゃないかと本気で悩んでいたところだ。  
 
そして少女はいつもの通りに口を開く。  
「女性の乳房は男性を性的に惹きつけるフェロモンの効果を有している」  
そう言われて俺はつい胸に目がいってしまう。  
仕方が無い。俺も健全な男子だ。  
あのおかしな団の団長や天使のような朝比奈さんのに比べれば  
いたくつつましくそこに存在しているがしかしその形たるや  
絶妙な膨らみ具合、そしてその頂点にある薄桃色の突起。  
 
…なんかいつも以上に興奮してしまったらしい。  
既に局部がガチガチになっていやがる。  
 
「時代によって異なるが、概ねその乳房の豊かな女性の方が  
その効果は高いという」  
 
まぁそうだろうな…純粋に胸だけ比べれば、無いよりあった方が目は引くだろう。  
俺? 俺は…  
 
「そして古来より様々その研究が為されてきた」  
 
長門の目に、全身が射すくめられたように感じるのは気のせいだろうか。  
透き通るような瞳。ほんの微かに赤みを帯びた白い肌。  
長門の声を聞きつつもついよからぬことばかり考えてしまうのは  
きっといつもと違う、拘束が為されていないからだろうか。  
 
「今日はその一つを実験する」  
 
言うと、長門はベッドに横たわった。  
 
「揉んで」  
 
…状況を把握しよう。今長門はなんて  
 
「揉んで。私の乳房を」  
 
荒くなりそうな息を必死に抑えつつ、ベッドに向かう。  
今までならば拘束された上、一方的に長門の「実験」にされてきた。  
これが夢とするならば、俺が長門に対してこういう行為をしたいと  
思ってるってことか?  
あのニヤケ顔なら別の診断書出してくることだろう。  
 
そんなことを思っても怒張は一層猛るばかりだ。  
長門の目もそこに注がれているのがわかる。  
恥ずかしいがそれはそれで快感になってしまう。  
 
「…入れたい?」  
 
きっと長門ならずしても、半径1kmくらいに響き渡るくらい、  
唾を飲む音が聞こえただろう。もちろん俺のだ。  
長門はあおむけ状態から起きて、その、意図的に伸ばした脚の幅を広げた。  
その付け根がもたらす快楽の凄さを俺はいやというほど知っている。  
…思い出すだけで、亀頭の先が濡れてしまうくらいにな…  
 
そして長門は手を広げて、言った。  
 
「来て」  
 
俺の中の理性とかあらゆるものが、研究所のバリアを割るような音をたてて壊れた。  
足早に近づき、手を広げたままの長門を両手に抱えながらベッドに乗る。  
目と目が合う。視神経を通して性欲を刺激されているような気分になる。  
 
と、俺は間の抜けた声を上げてしまった。  
小さな手が、俺の怒張に絡みつくように触れているからだ。  
 
「揉んで」  
 
長門の手がもたらす悦楽に陥落しそうになりつつも、俺は両手を伸ばして  
乳房に触れた。  
 
…小さいけど、柔らかい。何と表現したらいいのだろう。  
温かな綿に触っているとでも言えばいいのか。  
 
「もっと。刺激が必要」  
 
揉みながら、ピンと立つ突起に舌を這わせる…甘い、気がする。  
長門が体を震わせる。キツかったか?  
 
「ちょうどいい刺激」  
 
頬が微かに赤い。瞳がやや潤んでいるような。  
長門が、欲情している。  
結果、もっと長門をよがらせたい衝動に駆られる。  
 
その間、長門の左手は神の左手とも称すべき動きで俺を翻弄した。  
亀頭を手のひらで包むようにされたかと思うと  
竿の部分を強弱をつけて揉み解され、袋をやわやわと触られ、  
根元の部分をひねるようにされる。  
そして亀頭がぐしゃぐしゃに濡れるとまた亀頭に手が戻り、  
ゆっくりと人差し指と中指で裏すじの神経一つ一つに触れるような  
繊細な動きをする。  
 
正直もう射精欲が出かかってるのを焦らされてる。  
根元をぎゅっとされると気持ちよさと熱さだけが亀頭に残って  
射精欲自体が締め付けられる。  
これは何回か前の実験だったか…?  
 
左手と舌で乳房を愛撫しつつ、右手を長門の下腹部に伸ばした。  
入口から指を差し入れた瞬間、長門の両手が俺を強く引き寄せた。  
長門の膣は、入れた指が溶けるんじゃないかって思ったくらいに熱く、  
その指からじわっと快楽が脳に届く。  
 
「気持ち…いい…」  
 
呟くように、だがはっきりと、耳元に届いた。  
 
そのまま指をゆっくり出し入れするたび、長門の中の複雑な凹凸を  
指の腹がざらっと撫で、長門の腕が強く俺を抱き締める。  
親指を下腹部の突起に当ててみた。同時に、胸の突起も舐めてみる。  
 
長門の声なき声が確かに俺の全身を貫いた。  
荒い息遣いが顔に当たる。目が合う。…一瞬の空白。  
 
躊躇わずに、長門のぬかるむ秘所に、挿し入れた。  
 
擦れる互いの粘膜。  
細かな襞の一つ一つがサヨナラホームランをうった選手を迎え入れる図のように  
俺の猛るモノに快楽の味を植え付ける。強く弱く。  
襞を擦られる側もそうなのだろうか、長門がうわ言のように呟いている。  
互いの凹凸がもたらす快楽に溺れ、壊れるほど強く抱き締めあいながら、  
腰の動きは止まらない。  
 
そして、今まで我慢に我慢を重ねていた射精欲が、一気に解き放たれる。  
長門の膣部はそれを吸い込むかのように収縮する…  
たまりにたまった快楽を長門に受け止められながら、意識すらも吸い込まれていく…  
 
 
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あれだけ激しい夢をみたというのに夢精どころか汗一つかいていない。  
通院した方がいいのかもしれないが、その原因が周囲に知れ渡るのを  
怖れるととてもできたものじゃない。  
 
そして今日も放課後になり、部室に顔を出す。  
無言で本を読む長門。  
 
座るなり、聞いてはいけない言葉を、長門が発したような気がした。  
いや待て。アレはあくまでも夢の中の実験で…  
 
そんな俺のピンク色の妄想は、火災報知機以上のけたたましい音を  
たてる我らが団長の一声にかき消されるのであった。  
 
 
 
長門が何を言ったかって?  
言うまでもないだろうさ。いや、これは俺の空耳なんだ。間違いない。  
 
『実験協力感謝』  
 
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おわる。  

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