「お飲み物はいかがですか?」
給仕係に徹していたメイド姿の森さんが、細長い瓶を手にして微笑みかけていた。どうやらワインらしい。
「あ、キョン一人で何もらってんの?あたしも欲しいわよ、それ」
ハルヒの要求により、葡萄酒に満たされたグラスが全員に行き渡った。
何となく、それが悪夢の始まりだったような気がする。
いや、しかし、その悪夢はその最中においては至福であったかもしれない。
飲んだ。
しこたまに飲んだ。初めての飲酒の分際で、杯を傾けまくった。ワインがあんな飲みやすいものとは知らなかった。
頭が痛い。気分が悪い。
ハルヒがワインの瓶を掴んで、ラッパ飲みしながら暴れているのを尻目に、俺は宴会場から退散した。
足元がフラついてしょうがないが、歩けないほどではない。
身体中がカッカとして暑い。シャツが汗でベトつく感じが酷い。クソ。さっき風呂に入ったばかりじゃなかったっけか。
まあいい、もう一度風呂だ。頭から冷や水でもぶっかければ気持ちよさそうだ。
俺は、多丸氏の別荘の地下にある大浴場へとフラつく足を向かわせた。
金持ちの考えることはわからん。
多丸邸の大浴場は実は大浴場ではない。主本人に言わせればただの風呂だ。
だが、浴槽自体が一般的な銭湯より広いわ、岸壁をくり貫いたのか、地下という割には海を臨むことができたり、と、
ただの風呂というにはフザケンなと言いたくなる風呂だった。
最初の入浴時、つまり海から帰ってきてから入ったときは、そういう感想だった。
ただ、今現在の俺にとっては、ただ風呂場でありさえすればよかった。
風呂場に辿り着いた俺は、このやたらと広い脱衣場をも恨めしく思った。
鬱陶しい、とにかく水浴びさせろよもう。
いや、だったら海に行った方が良かったか?バカ言え。今、海に入ったら多分浮き上がれないぞ。
それは浴槽でも同じか、気をつけないとな。
などと考えながら、俺は自分の衣服を剥ぎ取りながら、脱ぎ散らかしながら脱衣場を横切っていった。
この際行儀については勘弁してもらおう。誰も見てないからいいじゃねえか。
うおお。
金持ちの考えることはわからんが。
俺は浴槽が広すぎることに感謝した。もう、考え無しに飛び込めるからな。
ザブンと浴槽に飛び込む、俺。
熱いな。
そりゃそうだ。「元気が出るテレビ」じゃあるまいし、普通の風呂だ。
シャワーにしよう。冷たいのを浴びたいね。
カラスの行水以上の短さで俺は浴槽を出ると、浴場の端にあるシャワーへと向かった。
事はそのシャワー中に起こったんだ。
シャワーの元に辿り着くと、俺は傍らにあった風呂場椅子を手繰り寄せて腰掛ける。
そして、シャワーの温度を思いっきり最低温度に設定して、蛇口を捻った。
「冷てぇー」
思わず声に出してしまうほどの気持ちよさ。見る見るうちに意識がはっきりしていった。
ちなみに、最初から冷水を浴びるのは大変危険です。心臓に負担がかかります。後で知りました。
「いやあっ、うぃー」
わけのわからんオッサンのような声を上げながら、シャワーを浴びていると、カラカラと浴場の扉が開く音がした。
何だ、古泉でも入ってきたか。それとも、圭一さんがハルヒから逃げてきたのか。
特に気にもせず、俺はシャワーを浴び続けていた。というか、シャワーで周りが見えなかった。
入ってきたそいつは、俺と同じ考えなのか、俺の隣に風呂場椅子を置いた。
「冷たいのにすると、気持ちいいぞ」
俺は隣のヤツにアドバイスしてやった。
まあ、こんな気軽な声の掛け方で、実は多丸氏だったりしたら申し訳ないが、無礼講ということで許してもらおう。
などと考えていたが、帰ってきたのは意外な声だった。
「あらそう?」
「あらそう?」って、何だか女みたいな言い方だな。何か声も高いし、あんた誰?
俺はシャワーを止めて隣を見た。
そこには素っ裸のハルヒが座っていた。ちなみにトレードマークであるカチューシャすら無い。
「うおああっ」
これは俺の声。我ながら情けない声だと思う。
でも仕方ないだろう。風呂入ってて、いきなり同級生の女子が入ってきたら普通飛び退くだろう。
俺も飛び退いた。跳躍した。カマドウマより跳んだかも知れない。
ウソ。跳ぶには跳んだけど、最初の一跳び以降は這うようにしてその場から離れた。
「へっへー、キョンみーーっけ」
何で逃げた俺にわざわざ近づいて来るんだよこいつは。
しかも、ハルヒはタオルすら持っていない。いろんなものが丸見えだ。
幾分か頭が冴えてきていた俺は、ついつい凝視しちまった。股間とか。
人の股間は見つつ、俺は自分の股間を手で隠した。防衛本能だ。
「やらもうー、キョンってばきゅうにいなくなっちゃうんらもんー」
うわあ。呂律が回ってないよ。つーか、俺の目の前で裸で仁王立ちするな。
いや、嬉しいんだよ。ハルヒの身体ってば、出るとこ出てて、それでいて腰はキュッと締まっててさ。
理想のグラマラスボディーだよ。うん。
でも、今は何故か危険信号の方が先に立つのさ。
「うわあーーーい」
ほーら来た。ハルヒが俺に向かって倒れこんできた。
アホが。俺が避けたら床に頭ぶつけて死ぬじゃねえか。
もう、支えてやるしか選択肢が無えじゃねえか。
俺は甘んじて受け入れたね。あくまでも「仕方なく」だ。
どしーん、と俺とハルヒの身体がぶつかり合う。背中が痛え。
柔らけえな。クソ。特に胸の辺りが。このまま揉んでやろうか。覚えてられてたら恐ろしいが。
ヤバいな。クソ。そんなこと考えたら、我が息子が元気になってきた。
ちなみにこの場合の「息子」は隠語だ。性的な意味で。すなわち淫語だ。
「んーー」
はっ、マズい。俺は更なる身の危険を感じた。ハルヒが俺に向かって顔を近付けてきたのだ。
このままでは、俺の可憐な唇が奪われてしまう。
奪われた。
呆気ねぇ。濃厚に1分間くらい奪われた。現実世界でのファーストキッスはワインの味がしました。酒臭え。
「ふふふー、んー」
俺から口を離したハルヒはやたらと上機嫌だった。「ねんがんのアイスソードをてにいれたぞ!」とでも言いたげな表情だった。
朝比奈さんが「ころしてでもうばいとる」を選択してくれたら嬉しい。
そんなことはいいから、いい加減そこを退きなさい。早くしないと我が息子が黙っていないぞ。多分。
すると、ハルヒは意外にもあっさりと俺の上から上体を起こした。
いや、でもそのまま上体を起こすと、我が息子がちょうどお前の尻の下に敷かれるのですが。
と、思ったら、ハルヒは立ち上がって、シャワーの方へと走っていってしまった。
これこれ、風呂場では走ってはいけません。
「キョンキョンキョーン」
断っておくが、俺は小泉今日子さんとは縁も所縁もない。
ハルヒはさっきの風呂場椅子に座ると、一生懸命に俺に手招きしていた。
「早く来なさいよ。背中流してあげるから」
ほほう、それは殊勝な心がけだ。
ハルヒが離れた瞬間、俺はこのままこいつに文字通り冷や水をぶっかけて目を覚まさせてやろうかと思ったが。
そういう心がけなら、もう少し付き合ってみるのもいいと思った。
何故なら、ハルヒが俺に何かしてくれるなんてことが、今後有り得るとも思えなかったからだ。
これは体験しておかないと損をする。
俺はハルヒに言われたとおり、ハルヒの前にどっかりと腰を下ろした。
俺の背中の方で、チュルチュルーという音と、シャカシャカという音が響いている。
多分、前者が備え付けのボディーソープを輩出する音で、後者がそれを泡立てている音だろう。
「それじゃいくわよー」
これはハルヒの声だ。
「おお、いいぞ、いつでも来い」
軽く身構えた直後、俺の両肩にハルヒの両手が置かれた。何だか違和感を覚えた。
そう言えば、「背中流してあげる」とか言いながら、ハルヒはタオルを持ってきてなかったような気がする。
「うふふふふー」
ハルヒの不気味な笑い声と共に、俺の背中をヌルリと不思議な感触が襲った。
タオルよりも、もっとツルツルとした感触。しかも、よくわからない尖った感じのモノが当たっている。
それも二つ……っておい。
俺が恐る恐る首を捻って後ろを見ると、ハルヒが泡をいっぱいつけた自分の乳を俺の背中に押し付けていた。
俺は固まった。二の句が継げないとは正にこの事だ。
「んーふふーんー」
よくわからないハミングをしながら、ハルヒは自分の乳を、俺の背中で上へ下へと往復させる。
「どう?気持ちいいでしょ?」
すみません。気持ちいいです。
ボディーソープをタップリと含ませているのでよく滑る。
しかも、滑って行くのが女の、いや、ハルヒの乳であると思うと、俺はもう気持ちよくてやるせない気分になるのだった。
「どーなのよー?背中流してあげてるんれしょ、嬉しい?」
はい、嬉しいです。
ハルヒは、上下の動きに加え、時々円を描くように動かしてみたり変化をつけてくる。
俺は、自分の息子がしっかり固くなっていくのを感じた。
俺のそんな状態を知ってか知らずか、からかうようにより動きを大きくするハルヒ。
必死に股間を抑え続ける俺。
「いやーもう、キョンってばさいこー」
ハルヒは面白がって、俺の肩に乗せていた手の片方を滑らせて、大事なところを守るように覆っている俺の手の上に自分の手を重ねた。
ボディーソープの泡を帯びたハルヒの手が、俺の手の甲にヌルリと絡まってくる。
ダメだ。そこはマズい。
「なになにー、そこに何かかくしてるんれしょー」
お前、わかっててやってんじゃないだろーな。
ハルヒは半分意地になって、執拗に指を滑り込ませようとしてくる。指に絡まる泡のおかげで、スルッと入ってしまいそうだ。
でもな、止めとけ、ハルヒ。それ以上いったら、マジで一線越えちまうぞ。
越えられました。かるーく。
仕方ないんだ。こいつが力を入れるとだな、俺の背中に吸い付いて来るんだ。ハルヒの乳が。
そりゃ反則的なまでに柔らかかったぜ。俺の手の力が抜けるほどにな。言い訳じゃねえぞ。
そんな訳で、今、ハルヒの細い指先が、俺の息子の先端に触れている。
クソ。よく考えたら、自分以外のヤツに触られるの初めてじゃないか。
自分の物でない、別の意思がチンコの上を這い回るのって、何だかとてもくすぐったい。
「なによー、キョンったら……やっぱり気持ち良かったんじゃない……」
ハルヒは、俺のチンコの先、いわゆる亀頭を指先で突付いている。
おかげでバレちまったよ。俺がその先の先までカチカチにしてるのがな。
俺はこのときもう観念したね。
ハルヒのやつ、更に片手全体を侵入させて、俺のチンコを握りこんできやがった。
「うふふ……こんなに大きくしちゃって……それにすごく、硬い」
握った手を上下させるハルヒ。ちくしょう、こいつ分かってやがる。どこで知りやがった。
泡を含んでヌルヌルと滑るハルヒの指が、竿全体に絡まってくる
「う……あぁ……」
背中に当たる柔らかい圧力と、チンコに絡みつく細い指。俺は思わず声を漏らしてしまった。
「背中は終わったから、今度は前を洗ってあげる……」
ハルヒは更に恐ろしいことをのたまったようだ。
恐ろしいことを言った割には、ハルヒは浴場の外へ向かっていく。
かと思ったら、すぐに、外からバスタオルを何枚も抱えて戻ってきた。
それらを俺の目の前に敷いて、
「さあさあ、ここここ、寝転んで、ゴロンと」
もうね、何て言うか。勃起したチンコ握られた以上、俺は何をされても恥ずかしくない気がしたね。
俺はハルヒに言われたとおり、床に敷かれたバスタオルの上に仰向けに寝転んだ。
うーん。言葉どおりのまな板の上の鯉状態。
横を見ると、俺にケツを向けたハルヒが洗面器でもってシャカシャカとボディーソープを泡立てている。
ああ、もう何をしようとしているかわかった。
ハルヒは、一頻り泡立てると、ペタペタと自分の身体の前面にボディーソープを塗りつけている。
そのままザバーっとシャワーで流したら、ただのお風呂なんだけどな。
まあ、今更それはないか。
程なくして、前面にくまなく泡を塗り付けたハルヒが、俺の体に覆い被さってくる。
「お客さん、こういう店初めて?」
お前はどこでそういうセリフを覚えてくるんだ。
っていうか、いつからここはそういういかがわしい店になった。
もし、お前がそういう店で働いてたら、俺は許さんぞ。
いや、こいつなら「何事も経験よ」とか言いそうだ。いやでも、そこまで自分を安売りしないか。
しかしながら、今の目の前のハルヒは俺に対して絶賛大安売りの大バーゲン中だ。
「きゃああああーー」
と、奇声を発しながら、そのまま体を降ろしてくるハルヒ。何でそんなに楽しそうなんだ。
ハルヒの乳房全体が俺の胸板に押し付けられる。
見た感じ張りがあって、さっきまで丸く揺れていた乳房が、押し潰されたマシュマロのように、グニュリと形を変える。
ちくしょう。見た目にもボリュームたっぷりだぜ。朝比奈さんはこれ以上だというのか。
「むぅーー」
俺の眼前に迫るハルヒの顔。眉間に段々皺が寄っていく。
何でちょっと余計なこと考えただけでこいつは見抜いて来るんだ。サイコメトラーかお前は。
やめなさい。自分の太腿で俺のチンコを挟み込むのは止めてください。
しかも、何だかヌルヌルする。お前、こんなとこにも泡つけてんのか?
「もぉーー。いくわよ」
ハルヒの乳房の圧力が、俺の胸板の上を滑っていく。いや、胸板ってほど立派なものでもないけどな。
臍の辺りまで行くと、また引き返してくるハルヒ。俺の顔の上にまで乳房が迫ってくる。
申し訳ないけど、ずげえ気持ちいい。
俺の顔の上を、ハルヒの乳が通り過ぎると、またハルヒの顔が俺の眼前に戻ってきた。
すごく近い。ハルヒは俺の目をじっと真っ直ぐに見つめている。
酔っているからか、目尻がトロンと下がっているのが何ともエロチックだ。
半開きになったハルヒの唇から漏れ出る吐息がくすぐったい。
いや、それ以前に酒臭いんだが……
この時の俺は何と言うか、もう極度の興奮状態にあって自分でも歯止めが利かなくなってきていた。
「ハルヒ……」
俺は呟くように声を漏らすと、片方の手をハルヒの腰に回した。
そうして、もう片方の手をハルヒの頭の後ろに回して、ハルヒの身体を自分に寄せた。
自然と唇と唇が重なる。本日2回目のキス。
今度は自分で自覚してやってるもんだから、余計に興奮する。
「んふふ……」
ハルヒが唇を離す。口元に悪戯っぽい笑みを浮かべながら。
「キョ〜ン〜、これは一体どういうことなのかしら〜?」
ハルヒが自分の太腿を擦り合わせるように動かしてくる。
その柔らかくも引き締まった太腿に挟まれているのは、すっかり怒張してしまった俺の肉棒だ。
「さっきから、どんどん硬くなってるんだけど……あんたの身体って面白いわ」
キスで興奮したんだよ。悪いか。
というか、ハルヒよ、太腿で挟んで擦りあげるのは勘弁してくれ。反則だ。
さっきからもう痛いくらいに張り詰めてるんだ。自分でもここまで勃ったのは初めてだ。
「ねえ、「張り詰めてる」ってことは、もうすぐ爆発するんでしょ?」
爆発はしないが、溢れ出すな。恥ずかしいものが。
あ、ヤバい。「恥ずかしい」とか言ってしまうと、ハルヒは余計に見たそうな顔をした。
「見せて」
「ダメです」
「じゃあ、もう少しサービスしたげるから」
ハルヒはそう言うと、俺から身体を離して立ち上がった。柔らかい密着感が離れていくのは少々惜しい気がした。
ところで、「もう少しサービス」って何するんだ?
ハルヒはいきなり俺の頭を足で跨いできた。
呆気に取られる俺の顔の上では、ハルヒの股間がアオリで見えている。
それがゆっくりと俺に向かって降りてきて、ぺたんとくっ付いた。
うわあ!おいおい、これってアレか?Soixante Neuf(ソワサン・ヌフ)ってやつか?
って、何でわざわざ面倒くさい方の名前を思い浮かべてんだよ、俺は。
要するにシックスナインだろうが。
この前谷口に借りたエロDVDで見た記憶が有るが、そんなのはビデオ屋の創造物だと思っていた。
ハルヒは何でこんなの知ってるんだ。
知ってるというより、自分が面白そうな方向に進んでいったらここに辿り着いたのか。
だとしたら、さすがだな、おい。
ビデオだと、この後女が男のイチモツを口に含んでだな……いかん、ハルヒが俺のブツを口に含むのなんか想像したら、身震いがする。
その後、口に含まれる感触は来なかったが、また、何か強烈に柔らかいものに挟まれるような感触が俺のブツを襲った。
「おお〜、挟めた挟めた。あたしのおっぱいって凄いわ、みくるちゃんほどじゃないけど」
そうですか、おっぱいですか。どおりで柔らかい上に吸い付いてくるはずだ。
その反則的に柔らかい密着感が、俺の竿を伝って、上へ下へと動き始める。
「ねえねえ、どう?あたしって凄いでしょ?」
「どう?」って言われても、今の俺からはお前のケツとマンコしか見えん。目の前がそれでいっぱいいっぱいだ。
毛の生え具合が程好い上に、濡れて肌に張り付いててエロいな。
何でお前の身体は何から何まで俺にとって理想的なんだ?
「そんな〜、褒めても何も出ないわよ」
そうだな、俺からは出そうですが。
って言うか、そろそろマジで込み上げてきた。
「面白いわ、ビクビク震えちゃって、こいつぅ」
「こいつぅ」とか可愛い声出しながら、俺の先っちょを指で突付くな。
その、ビクビク震えてるのはな、俺が我慢してるからなんだよ。
「ちょっと、何で我慢するのよ!団長様が自らスポンジになって洗浄サービスしてあげてんのよ。あんたも盛大に爆発して見せなさいよ」
だから、爆発はしないって。
それから、さっきは指かと思ったけど、俺のチンコの先端にチロチロと触れているのは実は舌先なんじゃあるまいな。
さっきから、「んっ……んっ……」てハルヒから息が漏れてるのはそのためか。
だって、両手で乳を寄せながら、チン先に指先が当たるってのは、構造上おかしいからな。
止めてくれ、勘弁してくれ、想像したら身震いする。身体の力が抜けていく。
いやでも、俺は本当は止めないで欲しいのかもしれない。だって、気持ちいいから。
このまま快楽に溺れてしまってもいいのかもしれない。そう思い始めた矢先、
「ねえ、あたし……我慢できない。ちょっと痒いの……」
ハルヒがそんなことを言い出した。
痒いって、何処が?
「あんたの目の前の、ここ……」
ハルヒがグイッと腰を俺の顔面に押し付けてくる。
とんでもない状況だ。
ハルヒの股間が、女性器が俺の口元に押し付けられている。
いかん、意識が朦朧としてくる。興奮のあまり、酔いがぶり返してきたか?血流が身体中を駆け巡るのを感じる。
俺はぼぅっとフラつく気分の中、ハルヒの尻を引っ掴んで、固定した。
そうして、ハルヒのマンコを舐めてやった。
「キョンってば……やっぱり変態ね〜ふふー」
変態と罵りながら、何故か嬉しそうだな。ハルヒ。
「……でもね〜、違うの。それじゃーただくすぐったいだけ」
知らねえよ。じゃあ、どうしろってんだよ。
「もっとねえ、中。中の方なの……」
中?中の方ね……
初めて触れる女性器。ちなみに、というか、もちろん、昔風呂に入れてやった妹のはカウントしない。
ともかくも、俺は目の前のハルヒの陰唇?を、自分の指で持って拡げてみた。
「ん……そう、わかる?」
よくわからん。何か複雑な形をしたピンクの肉襞。エロDVDではモザイクが掛かっていた部分だ。
俺は思わず息を飲んだ。
多分、この下の方にある穴のことだろう。
俺は、恐る恐る、おっかなびっくりしながら、そこに人差し指を差し込んでみた。
すごい感触だ、吸い付いて来るくせに、吸い込まれていく。
「んっ……そう、そこ……」
そうか。この中が痒いのか、どの辺だ?
「うーん、痒いってのとはちょっと違うのよね……」
お前さっき痒いって言ったじゃねーか。
「何て言うか、キョンのチンチン見てると、そこの奥が切なくなってくるって言うか、何か欲しくなるって言うか、って何言わせんのよ」
お前が勝手に言っただけだ。
そうか、この中が……こう、弄ってると、中からヌルッとしたものが溢れてくるな。
ひょっとして、これが愛液ってやつか。
「ふーふふーんんー」
うお!ハルヒのチン先チロチロ攻撃が再開された。クソ。この負けず嫌いめ。
俺はまた、ハルヒの尻を掴んで自分の方に腰を寄せてやる。
「ひゃぁうっ!ちょっと……何入れてんのよ」
舌入れてやった。
指入れるより、こっちの方が効果的な気がしたんだ。勘だ。
俺は、差し込んだ舌を、そのまま中でグニグニと動かしてやる。特にこれといった味がするわけじゃないんだな。
「やっ……ちょっ……もぉー」
お、効いてる効いてる。
うっ。ちくしょう。ハルヒのヤツ、今度は舌先を俺の先っちょに食い込ませてきやがる。
「ねえ……何か先っちょが苦くなってきてるんだけど……」
ウソ。ヤバいな、それは。それは「先走り汁」というやつだ。
「ああ、カウパーってやつ?」
よく知ってるな。ハルヒ。
どうやら、俺は攻撃しているつもりが、自分で余計に興奮してきていたようだ。
情熱を持て余す。
「どう?もう爆発する?するならするって言いなさいよ」
俺の竿を挟み込むハルヒの乳の動きが活発になってきた。ヌルヌルとよく滑るな。
まったく。何て反則的に柔らかい乳だ。
もうダメだ。ハルヒのアソコを攻撃してやることもできない。
下半身が痺れてくる。動けないんだ。
でもな、でもな。
見知った同級生の目の前で射精しちまっていいものなのだろうか?
この期に及んで、俺はまだそんなことを考えていた。
だが、そんな理性もすぐに吹っ飛んだ。
「んーー……」
ピクピクと動く亀頭が面白かったのか、ハルヒの唇がパクッと噛み付いてきた。
それが合図だった。
もう我慢できない。これが最後の込み上げだ。俺自身がよく知っている。
「ハルヒ……出る……うぅっ!!」
「ふぇ?」
俺の声は震えていたと思う。
出したというより、勝手に飛び出してしまったという感じだ。
そして、自分では止められない。
「ちょっと……やだ、何これ?爆発?」
だから爆発じゃないって。
「うっ……くっ……はぁ……」
もう自分でもわけがわからない。ハルヒのケツで遮られて自分で見えないしな。
今、ハルヒには、目の前でビクビクと暴れながら白濁液を噴出している俺のチンコが、さぞや滑稽に映っていることだろう。
それにしてもなんだ。ハルヒの乳に包まれながら射精するってのも、気持ちいいものだな。
「ねえ、キョン」
何だ?思いっきり射精してチンコが痛え。
「あたしのおっぱいが汚れちゃったんだけど……」
自分で出させといて「汚れちゃった」はねえだろう。
「ちょっと口の中にも入った……何かイガイガするんだけど」
それも、お前が自分でやったことだ。
つーか、射精、というか、お前に言わせりゃ爆発か?とにかく見せてやったんだから、もういいだろう。
俺も気持ちよかったし、感謝しておくぜ。
「よかないわよ」
何が?
「せっかく、サービス旺盛でチンチン洗ってあげたのに。また汚しちゃうってどういうことよ!」
不意に立ち上がって俺の方を振り向いたハルヒの顔は、満面の笑みだった。
うわーい、こいつまだ相当酔ってるよ。
「もーいっかい洗い直しね。ホントにもう、世話が焼ける団員その1ね」
などと言いながら、ハルヒはそのまま俺のの足の付け根辺りに跨り、腰を降ろしていった。
「前々から思ってたのよね」
何をだ?
「女のここってタワシみたいじゃない?」
「ここ」と言いながらハルヒが指差すのは自分の陰毛部分。
いや、お前「タワシ」ってほど生えてないじゃん。むしろ薄毛の方。
「だからさ、こうやってやると、うまく洗えると思うのよね……んっ……」
「こうやって」って、お前……
ハルヒは俺の亀頭摘むと、その竿の裏側に、陰毛部分を押し当てて上下に動かし始めた。
裏スジにそんな控えめな陰毛が当たると、くすぐったい。
「んっ、しょ……けっこうキツい体勢ね」
おいおい、お前の陰毛なんて薄いから、それってそのままスマタじゃねえか。
「違うわよ!スマタは、こうでしょ」
と言いながら、ハルヒは腰を前に突き出すようにして俺の竿を股間で挟み込んだ。
よく知ってるじゃねえか。
「あっ……これいいわね。あたしも何か気持ちいい」
何発見してんだよ。
って言うか、何かヌルヌルするのはお前の愛液か?俺の精液か?
後者だったら、マズい展開のような気がする。
「んっしょ、よいしょ……これいいわ、さっきの切ない感じにヒットするような」
だんだん日本語が怪しくなってきたぞ。
「ねえ?」
何?
「このままあんたのチンチン壷洗いしていい?」
は?壷洗い?
俺は、懸命に以前見たアダルト雑誌の中の知識を探った。
壷洗い:マンコを壷に見たてて、そこに男性客の指などを出し入れして洗うソープランドの技術
だったかな?
それをチンチンに応用するとだな……はあ?
「いくわよ〜」
俺の肉棒が、ズブズブとハルヒの膣口から中に飲み込まれていった。
うおおい!いいのかよ!ハルヒ!
あっ……これはすごい、あったけえ……
「んっ……ちょっと、大きいわね……」
ハルヒは腰を左右に振りながら、懸命に俺の肉棒を膣内に収めていく。
いや、そんなに頑張んなくてもいいって。
「いーや!ちゃんと全部入れるの!!」
うお、あ。また、ますます張り詰めるぜ。
「ちょっと……何で中で大きくなるのよ、やりにくいじゃない……あっ……」
いや、その割にはお前の中、ヌルヌルだから、よく入って、うわっ。
「うっ……ん……入ったぁ……うぅ……」
おい、無理すんな。
「無理……じゃないもん、ちゃんとしてあげるから、待ってなさい」
止めとけ、腰が震えてるぞ。はやく抜け。
「いやよ……んっ……っていうか」
何だ?
「あんたの、チンチン、何だかジャストサイズなんだけど」
何だそりゃ?
「ちょうど……いっぱいなのよ。今、ちょうどあんたの先っぽが、あたしの奥に当たってるの」
知らねえよ、そんなこと。
そうか。今、先っちょにコツコツ当たってんのは、お前の子宮口ってやつか。
「あんた、よく知ってるわね」
それくらいは保健体育で習った。ほとんど寝てたけどな。
「ね、ね?このまま動いたら凄いことになると思わない?」
そうだな、凄いことになるな。それはそのままセックスだ。
「また、爆発しちゃう?」
ああ、でもな、ここで爆発するのは良くないな。
「良くない?良くないの?」
おい、まだ話は終わってないぞ。誰が動いていいといった。
腰を前後にスライドさせるな……中で折れそうだ。ホントにピッタリなんだな。
おい……眉間に皺寄せながら、無理すんなよ。
「無理じゃないわよ!何よ……キョンはあたしじゃ嫌なの?」
嫌じゃないけど。って言うか、壷洗いじゃなかったのかよ。
「違うわよ、そんなんじゃない……このままキョンとするの!」
おい、もう止せ。お前は酔っ払ってるんだ。
「酔っ払ってなんか……ないもん……」
「う……あ……無茶するな」
ハルヒが、自分の膣内に収まっている俺の肉棒を抜き出し始めた。
でも、この動きは抜き出して終わりにしようってんじゃない。
小刻みに抜き出したり元に戻したりを繰り返しながら、徐々にグラインドを大きくしていっている。
「うっ……あっ……はぁん……」
ハルヒの口からエロい声が漏れ始める。こりゃもう完全なセックスだ。性行為。
俺とハルヒは性行為に及んじまった。もう引き返せない。
「ハルヒッ!!」
俺は上体を起こして、ハルヒの身体を動きを止めようと試みた。
だが、
ガッチリと俺の両腕がロックされる。
ハルヒの両手が、俺の両腕を押えつけて動けない。相変わらずの馬鹿力だ。
「ふふふ……ダーメ!」
残念ながら、まだかなり酔っておいでのようだ……
ハルヒの腰の動きが徐々に速度を増していく。
俺のチンコはハルヒの膣で締め上げられたまま、擦り上げられていく。
「いいっ……いいわ……キョンのくせに、ちょうどいい硬さよ」
だんだん、俺が犯されている気分になってきた。
まあ、これも青春だ。何言ってんだ、俺。
「はぁっ……んっ!……いいっ!!」
俺の腰の上で、ハルヒの腰が上下に動き続けている。
クチュンクチュンと卑猥な音を立てながら、時には左右にスライドを混ぜたりして激しく動き続ける。
なあ、だんだん熱くなってきてないか?お前の中。
む、俺の太腿の辺りまでビチョビチョだし、これ、全部お前の分泌液だろ?
「どう?キョン、気持ちいい?」
ああ、気持ちいいさ。これ以上無いほどにな。
だんだんと、また込み上げてきたよ。
お前の膣の中は最高だ。
「きゃぁーーもぉ、褒めたって……んっ……何も出ないわよ」
そうだな、俺からは出そうですが。
って言うか、そろそろマジでヤバくねえか?
「なになに?また爆発するっていうの?またあの、饐えた臭いの白いのが飛び出ちゃうわけ?」
そうだよ、このままだとな。
「あんた、まさかあたしの中で爆発させようってんじゃないでしょうね?」
それは……マズいな……非常にマズい。
「そりゃそうよ、あたしの中は、まだ誰も触れたことがない綺麗なものなんだからね。汚さないでよ」
だったら、そろそろ退いた方がいいぞ。
「ダメよ」
何でだよ。
「何かね、もう少しで……キそうなのよ」
は?何が来るんだ?
「わかんない……何か、腰の奥から来るの。あんたのチンチンがね、あたしの奥に当たると、ゾクゾクッて来るの」
「おい、ちょっと待て!」
俺はまた上体を起こそうとしたが、ハルヒが離してくれない。
万事休すか?
「はぁ……はぁ……ねえ?どうなっちゃうの?……あたしどうなっちゃうの?」
目が据わってるぞ、ハルヒ。ちょっと怖い。
おい、腰の動きが……激しすぎる……
ハルヒの中で、俺の先っちょにコツコツと当たり続けるのは、こいつの子宮口だ。
この刺激が気持ちいいらしい。
「あたし、知ってるわよ……」
何をだ?
「こうすると、キョンのチンチンって硬くなるのよね……」
腰を動かしながら、俺の腕を押えつけたまま、ハルヒの顔が、俺の顔に近づいてくる。
そのまま、俺はまた唇を奪われてしまった。
ハルヒのキスってウマいんだぜ。キューッと腰の辺りが熱くなっちまう。
だから、俺は言いたい。
ハルヒ、それは反則だ……
俺の亀頭が、ハルヒの膣内で、一際膨らんだ気がした。
「んっ!んうっ!!」
ハルヒに口を塞がれたまま、俺は絶頂に達してしまった。
「ん……ぷはっ!あっ……熱い……」
熱いか?そうか、俺の精液は熱いのか。
他人の体温は熱く感じるのかも知れないな。
「うっ!……うぁっ……止まらねえ……」
我ながら情けない声を上げながら、俺はハルヒの膣内に精を放ち続ける。
「なにこれ……中で……キョンが暴れてる」
我ながら凄い勢いで精液が出て行く。
我が息子よ、ハルヒの中はそんなに居心地がいいのか。
とても良いです。
「ああ……くる……何か来る……」
ハルヒが、キュッと固く目を瞑った。瞬間、ハルヒの膣内でじわーっと暖かい感触が広がっていく。
それとともに、俺の肉棒がハルヒの中で捻りあげられるように絞り上げられた。
おかげで、全部搾り尽くされたような気がする。
「んふふふふーー」
体内で俺という他人が暴れる感触に、しばらく身悶えしているかに見えたハルヒだったが、
その顔に笑顔が戻ってきた。
「……キョンー?……やっちゃったわね。あんた何したかわかってる?」
…………どうしよう?
「あんた、一生あたしの奴隷決定よ」
こいつ、「壷洗い」とか何とか言いながら、わかっててやってやがったな。
カポーン
その時、繋がり合ったままの、俺達の背後で、何かが落ちる音がした。
俺とハルヒが、ほぼ同時に音がした方に目を向ける。そこにそいつは居た。
「な、長門……」
「有希……」
そこには、長門が……裸でシャンプーハット被って、タオルを手に持った長門が突っ立っていた。
足元には風呂桶が転がっている。
さっきの「カポーン」って音は、多分、この風呂桶を落とした音だろう。
「…………」
長門は無言のまま突っ立っている。
おい、何とか言ってくれ。このままだと恥ずかしすぎる。
「ふっ……遅かったわね、有希」
やおらに立ち上がるハルヒ。
その股間から、俺のチンコが抜け落ち、力を失ってだらしなく垂れ下がった。
「この通り、キョンの童貞はあたしがいただいたわ」
そう言って、長門に向かって、自分の腰を突き出してみせる。
そこには、俺の精液が泡立って付着していた。何とも恥ずかしい光景だ。
「…………それがなに?」
実に長門らしい反応だが、言葉の端に何か棘が無いかい?
「ふん」と鼻を鳴らすハルヒ。
「惚けたって無駄よ!有希!あんたもキョンを狙ってんでしょ!」
おい、何言ってんだ。
「あんたは黙ってなさい!」
……いや、でもな。
「デモもストもないわよ!だいたい、あんた達ムカつくのよ!何なの?あのアイコンタクトは?」
はあ?何言ってんだ?
「知ってるのよ!あんた達、時々目と目で通じ合ってるもん!あたしの……あたしの気も……うわああああん」
あーあ、泣き出しちゃった。どういうことだ、これは。お前酔ってるだろ。落ち着け。
「アルコールの処理能力が甘い……」
うお!いつの間にか長門は俺とハルヒのすぐ側まで来ていた。
「なによ!やろうっての!ぐすっ……ひっうっ……有希!友達だと思ってたのにぃ!」
今にも暴れだしそうなハルヒの両腕を、長門が掴んで抑えている。
いったい、これはどういう修羅場だ?
「……だから、状況認識能力が狂う。判断がおかしくなる」
どこまでも冷静な長門に対して、ぐちゃぐちゃの涙目で睨みつけるハルヒ。
どこまで本気なんだ?それとも酒乱か?
「何よ!キョンはあたしのなんだからぁっ!!」
「……認識が甘過ぎる。このままでは妊娠する」
……
…………
………………は?なんと仰いました?長門さん。
「うああああ!有希のバカぁああ!」
もうハルヒは手がつけられない。
俺も混乱してきた。え?どういうこと?
「着床まで時間が少ない……あなたも、このような妊娠は本意でないはず」
長門が言う。そうだな、そこのところは合ってる。酔った勢いで、なんて、本意じゃないな。
「……修正する。涼宮ハルヒの体内の精液を除去」
そう言いながら、長門は俺の目を真っ直ぐに見据えてくる。
何だ?同意を求めているのか。
俺は、迷わず首肯した。
「……了解した」
「離せぇ!有希のアホー!!」
泣きじゃくるハルヒの手元に、長門はカプリと噛み付いた。
そうか。お得意のナノマシン注入か。
「う……あ……」
ハルヒの身体は、その場にぐったりと倒れこんでいった。成功したのか?
長門は、また俺の方をじっと見つめている。
「……二人の記憶も修正」
え?何でだ?ハルヒの方だけでいいじゃないか。
うん、俺自身は気持ちよかったしさ。今後の経験に役立てたいというか……
「それではただ便利なだけ……」
そうだな、そりゃ都合が良過ぎるか。
長門が、例の呪文の詠唱を始めた。
もったいない気もするが、仕方ないか。今回のこれは、ひょっとしたら予定には無かったのかもな。
「できれば……この事実自体消してしまいたい」
って言うか、長門よ。何か怒ってない?
などと思っていると、頭をがーんと殴られたような衝撃とともに、目の前がブラックアウトした。
……
…………
………………あー
飲んだ。
しこたまに飲んだ。初めての飲酒の分際で、杯を傾けまくった。ワインがあんな飲みやすいものとは知らなかった。
頭が痛い。気分が悪い。
ハルヒがワインの瓶を掴んで、ラッパ飲みしながら暴れているのを尻目に、俺は宴会場から退散した。はずだ。
俺は、知らずのうちに倒れていたらしい。
ここは……どこだ?
風呂場の前……
「おやおや、やっとお目覚めですか?」
俺の傍らに、古泉のムカつくニヤケ顔がしゃがんでいるのが見えた。
頭が痛い起き抜けにこれかよ。というか、何でお前はそんなに平気なんだ?
「まあいいじゃないですか。それより、歩けますか」
いや、ダメそうだ。足と、何故か腰がガクガクだ。
本当は嫌だが、手を貸してくれ。
「いいですよ。さ、とりあえず部屋へ行きましょうか」
こうして、俺は不承不承古泉に付き添われて何とかベッドまで辿り着いた。
「それにしても……涼宮さんとのアレは……なかなか面白いプレイでしたよ」
古泉が苦笑混じりに言う。
は?プレイ?俺たちは何か芸でもしたのか?
「ふふふ……」
あー、いい、言わなくていい。
記憶に無いし、どうせムカつく話だろうから、記憶したくも無い。
今聞いたのは、お前の得意な冗談だったことにしておくよ。
(おしまい)