はてさて、クラスの自己紹介の時に電波発言をしやがったとんでもお嬢さん。  
まぁ、俺には関係ないか。  
未来人、宇宙人、超能力者、異世界人・・・ねぇ・・・俺には・・・あてはまなんねーから関係ないな。  
ふぅ・・・それに涼宮の生贄はその前の席に居た男子、えっと・・・確かキョンだったか?  
本名なんて平凡すぎてつまらないし他の男子もキョンっつてるのでキョンで十分か。  
この前だって、授業中に大声なんぞ出しよってからに。  
お前の脳みそはうじでも沸いているのか言いたくなるね。  
でも、まぁ、被害はキョンだけっぽいし、ま、いっか。  
ん?こんなに語ってるのは誰かって?  
あぁーそういえば、まだ、名前も言ってたかったな。  
俺の名前は日暮 杏也(ひぐらし きょうや)、いたって普通・・・とは言い切れないけど普通の高校生だ。  
言い切れない部分についてはおいおいわかることだろう(たぶん)。  
珍しい苗字だろ?でも、まぁ、この名前聞いただけで某惨劇ゲームの名前を思い浮かばないでくれな。  
ちなみに、俺は今、涼宮がつくったらしい部活の部室へと足を運んでいる。  
なぜかって?そりゃあ、キョンに返そうと思ったCDを返すまえにあの野郎さっさと、部室に行きやがった。  
一応、キョンとは友達をやっている間柄だ。  
CDだってAVだって貸し借りする仲だろ?  
男ってもんは。  
普通なら明日返せばいっか〜とか思うんだろうけど、それは俺のポリシーに反する。  
なら、放課後までに返しとけってツッコミもノーサンキューだ。  
だって、帰りのHRまで忘れてたんだからな。  
部室棟までとりあえず、テコテコと歩く。  
確か文芸部を間借りつーか拝借というかのっとってるんだっけ?  
まぁ、いいや。  
とりあえず、礼儀にならってノックをする。  
「はぁい。」  
どこぞの某ぽんこつによくにた声が部屋から聞こえてきた。  
どうやら、入ってどうぞの意味だろう。  
では、遠慮なく。  
ガチャ。  
ドアノブを回して部屋の中に入るとなんつーか、アレだ。  
ど肝を抜かれた気分だね。  
なぜかメイド服を着用している朝日奈だったか?確か上級生。  
長テーブルでオセロをやっているキョンと確か転校生の古泉だったか?  
部屋の隅でパイプイスに座って頭が痛くなるぐらいのハードカバーの本を読んでいる眼鏡っ子少女、こいつは名前わからねーや。  
んで、部屋の奥に鎮座しながら目をらんらんを輝かせてこちらをみる電波少女もとい涼宮。  
こいつは俺に何を期待してんだ?  
つーか、お前ら全員して俺を見るな、体に穴が空く。  
「ん?どうした?日暮。こんなところに来て。」  
とりあえず、話かけてくれるマイフレンズキョン、助かる。  
「ああ、お前にCDを返そうと思ってな。」  
「お、わざわざ、すまないな。別に明日でもいいのに。」  
「まぁ、そこらへんは俺のポリシーに反するから却下だ。」  
適当にキョンと喋っていると奥の方から盛大はため息が聞こえてきた。  
 
「はぁ・・・なんだ、キョンに用事なの。入団希望者かと思っちゃたわ。ほら、もう用事はすんだんでしょ?帰った帰った。」  
一応、クラスメイトにぞんざいな扱いをしてくれるな、涼宮・・・つっても、聞く耳もたないんだろーな・・・はぁ・・・あぁーつまんねぇーなにかおもしれーこととかどっかに転がってねーかなー。」  
ん?あれ?なぜにみんなして俺を見る?  
「日暮・・・お前、声出てた。」  
「ナヌ!?」  
「そうね!!やっぱり、あんた入団希望者なのね!!いいわ!!特例で認めてあげる!!」  
「お、おい、ハルヒ」  
「キョンは黙ってなさい!これは団長の決定なのよ!!」  
「おい、涼宮、勝手がすぎるぞ。俺はこんなどうでもいい所に死んでも入りたくはない。」  
「なんですって!!」  
「ハルヒ!!」  
「「涼宮さん!!」」  
涼宮を止めに入ろうとした読書少女以外の3人が立ち上がるがすでに時おそし、イスからこっちにとび蹴りをかけてくる。  
なんだおい、口より先に手・・・じゃなくて足が出るのか?ていうより、パンツ見えてるぞ。  
んーなんという跳躍力・・・関心するね。  
しかし、まー普通の人間ならこのスピード+不意打ちで避けられないんだろうけど。  
あいにく、俺は普通の人間じゃないのでね。  
「はぁ・・・」  
俺は涼宮の脚が顔面に入る直前にひらりと体を横にずらす。  
避けられるとは思ってもいなかったのだろう。  
着地を考えずに突っ込むからだ。  
自業自得だ。  
それでも、残念なことに俺の手は勝手に動き、涼宮の首根っこを掴んで派手な落下を食い止めた。  
「ったく、おい、キョン、ちゃんとしつけとけ、無闇やたらに人様に攻撃しちゃいけませんって。」  
首ねっこを掴みながら涼宮をキョンに渡す。  
「あ、あぁ、すまん。」  
「じゃあな、俺はもう行くぞ。」  
「わざわざ、すまないな、日暮。」  
俺はキョンに生返事をおくったあと、そのままその部室からでた。  
 
 
数秒遅れで  
『こぉんの!!覚えてないさいよぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!』  
と、涼宮の怒声が聞こえたがあえて、無視させていただく。  
そんなことがあったのつい数日ぐらい前で、現在、俺は科学の実験の後片付けをしてやっとそれが終えて帰るところだ。  
1人で歩きなれはじめた廊下をコツコツと音を立てて歩く。  
ふぅ・・・これで、やっと帰れる。  
「おっ、日暮いいところに。」  
ゲッ担任の岡部だ。  
「ん?なんだ?あからさまにいやな奴にあっちまったぞって顔は?」  
「い、いえ、なんでもないですよ。それよりなんですか?」  
「うむ、すまないが、ちょっと、手伝ってくれないか?」  
「はぁ・・・。」  
俺はしぶしぶと岡部の後についていってとある空き教室に入った。  
数時間後・・・  
はぁ・・・岡部の野郎・・・人に仕事を押し付けすぎだぞ。  
くそ、あえて、何を手伝ったかなんか割愛させていただく。  
しっかし、存分に遅くなった。  
日は完全に傾きかけている。  
自分のクラスの教室までくると、何かが変だ。  
「なんだ?これ、入り口の部分に壁があるぞ?ったく、面倒ごとになりそうだな・・・はぁ・・・でもほっとくわけにはいかないし・・・。」  
俺はそっと目を閉じる。  
頭の中でカチリとスイッチを換える。  
次の瞬間に目を開けると、その壁の至る所に線が刻んである。  
彼は、非常にめずらしい目の持ち主でモノの壊れやすい線が見れるようなのだ。  
現在ではこの『直死の魔眼』と呼ばれる特殊な目を持つものは彼を含めて3人だけらしい。  
しかし、まーなんだ?他の2人は殺人とかしたみたいだけど、あいにく俺は普通なのでね。  
なんかの突然変異なんだと、なんだって、親父もお袋も普通の一般人だったし、妹や弟も普通の人だった。  
まぁ、先祖がえりって説もあるらしいけど。  
どーだっていいのでここらへんで語るのはやめておく。  
目を細めて、線だらけの入り口部分を見る。  
うっすらと、何本もの線が重なっているところに黒い点がある。  
 
「これか・・・」  
チキチキ  
カッターの刃を半分程度出すと、その点に向かって突っ込む。  
ゴガンッ!  
そんな音と共に壁が消えて瓦礫と一緒に教室の中へとなだれ込む。  
受身をした後その反動ですぎ立ち上がり、カッターを逆手に持つ。  
ん?  
キョンと・・・あれは、確か朝倉か?  
物騒だな、あんなナイフなんて持ってからに。  
そんなに、2人で俺を見つめないでくれ照れる。  
「あ、あなたは・・・日暮君?」  
ナイフを持ったままこちらを向かないでほしい、怖いから。  
「ん?すまん、邪魔した。俺は帰るから、どうぞ続きをしてくれ。」  
そそくさとかばんを手に取ると、俺は自分で空けた穴から外に出ようとした。  
したんだけど・・・はて?ふさがってら・・・  
「あなたは何者なの?」  
「んあー?ごくごく一般的な高校生ですが?」  
「嘘、普通の高校生が私のプログラムに強制介入するなんてありえない。」  
「あはは、そんな大事じゃないって。」  
「ちょうどいいわ、あなたも死んでちょうだい。」  
おい、何がちょうどいいんだ?  
つーか、死ぬなんてお断りだね。  
「あら、そう?でもあなたはもうそこから一歩も動けないわ。」  
あら?本当だ、体がうごかん・・・ふむ、ありですか?  
「いいのよ。別に」  
こらこら、にこやかにナイフを持ちながらこっちにくるな、だからこえーってーの。  
仕方がない。  
「残念ながら・・・俺にはこんなまやかしっぽいのは効かないのでな。」  
かばんを朝倉に向けて、投げて視界をなくしたあとにその場から後ろに飛びのく。  
「なぜ!?なんで、動けるの!!」  
さぁ?そんなもんしるか。  
乾いた唇を舌で潤すと姿勢を低くして地面をなめるように朝倉に突っ込む。  
あまり、人を傷つけたくはないが、狙うは朝倉の腕。  
あのナイフの持ち方は手を蹴り上げればすぐに手放す。  
朝倉も馬鹿じゃないのだろう?  
なにかをぶつぶつと唱えると左右からいろいろな突起のついた触手みたいなものが出てきた。  
うひょー当たるといたそうだなー  
って、囲まれたし・・・どーしよ。  
 
「ふふ、ちょっと、びっくりしちゃったけど、これで、もうあなたは袋の鼠よ。」  
あぁー残念だ。  
「何?」  
「悪いが俺は狩られる側ではなくて基本狩る側だから・・・な!!」  
左右後ろがダメなら前に進むのみ!!  
いくぜ!!ど根性!!  
「正気!?」  
ああ、残念ながら!!  
すべてを紙一重で避けると朝倉の体を睨みつける。  
「ハッ!!」  
「ッ!?」  
朝倉の手を的確に蹴り上げるとナイフが中に舞う。  
パシッ!  
ナイフを手に取って刃先を持ちながら朝倉から距離をとる。  
「さて?どうする?形勢逆転だが?」  
「ふふふ」  
不適にも笑ってやがる。ったくなにが面白い。  
「形勢?おかしなことを言っているのね?私の狙いは本来はキョン君だけなのよ?ふふ・・・」  
なっ!?くそっ!!  
「キョン逃げろ!!」  
「ムリだ動けない!!」  
ちっ!!  
朝倉が先ほどと同じように痛そうなつーか確実に痛い突起のついた触手みたいなものをキョンに向ける。  
間に合え!!  
足の筋肉をフルに動かして朝倉とキョンの間に入ろうとする。  
「遅いわ。」  
「クソ!!こうなったら一か八かだ!!キョン死んでも俺を恨んでくれるな!!」  
「無茶言うな!!」  
朝倉から奪ったナイフを逆手に持って、その突起を睨みつける。  
よし、視える!!  
なら、殺せる!!  
その突起に浮かぶ無数の線と点。  
狙うは中間部の点だ!!  
ナイフを正常に持ち帰るとそのままその触手を最速の速さで近づく。  
触手にあった一つの点を突く。  
何本ものの触手の点をすべて突く。  
「なっ!?あなた、本当に人間?」  
ああ、残念ながら、まぁ、普通の人間じゃないのはもう認めるしかないわな・・・・。  
「悪いが、キョンは俺の友達だ。いくら、クラスメイトでも、俺の友達に手を出す奴に容赦する気は毛頭ない。」  
といっても、そろそろ、俺の出番は終わりかなー?  
「何いってるの?」  
「あん?まぁ、そのうちわかるだろ?つーかすぐ解る。なぁ?そこの人そろそろあんたの出番だ。出てきてこいつを始末してくれ。」  
天井に向かって声をぶつけるとなんてまぁ、謀ったように実際謀ってたんだろうけど、あの変部室にいためがねっ子の女の子が降ってきた。俺の真上に。  
ん?俺の真上ぇ〜〜〜!?!?!  
どがどがどがどが  
ちょwこれはちとひどくない?  
あえなく、落ちてきた瓦礫に埋もれてすっぽりと意識を手放す俺。  
はぁ、情けない。  
 
 

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