そのとき僕はよほど疲れていたのでしょう。
そうでなければ彼がこんなに近くに来るまで彼の気配に気づかなかった理由を説明できません。
ベッドの脇に立った彼はいつになく真剣な顔で僕を見つめています。
「古泉、話がある」
「伺いましょう」
僕は心の動揺を悟られないよう必死になっていつものスマイルを維持します。
すると彼は急に僕の肩を掴み
「俺、実はにやけ顔萌えなんだ」
「どうしたんです?」
「いつだったかのお前のにやけ顔はそりゃもう反則なまでに似合っていたぞ」
そういうと彼は強引に唇を重ねてきました。
驚きましたよ、僕は。
いつも僕のことを避けるようにしていた彼が胸のうちにこんなにも熱く、激しい思いを抱いていたのですから。
もちろん僕に拒否する理由はありません。
そして僕たちはめくるめく官能の世界に堕ちていきました。
(本編に合流しない)