―――――――――  
 【午前4時 キョン病室】  
 
 「・・・・・・古泉、お前その腕大丈夫なのか?」  
 「複雑骨折で全治4ヶ月です、  
  ていうか命の瀬戸際にいた人に言われて欲しくないな、その言葉w  
  それにしても良かったです、あなたが意識を取り戻してくれて」  
 「俺はそんなにやばかったのか・・・」  
 「ええそりゃあもう  
  幸い脳内に損傷は無かったもののもしかしたらこのまま意識が戻らないかもしれないって言われてましたから  
  あと頭蓋骨骨折、肋骨と背骨を複雑骨折、あなたはSOS団のメンバーの中で一番酷い怪我を負ったんですよ  
  意識を取り戻したからアレですけど、それでもやっぱり後数ヶ月は入院が必要って言われてましたね」  
 「ああ・・・ そうか・・・ じゃあしばらくSOS団にも顔を出せなくなるの、か・・・ ・・・あーあ! ――・・・痛てて」  
 「安静にしてないと団長に怒られますよ、  
 
  ・・・・・・団長、心配してましたよ、他の誰よりも物凄く」  
 「・・・・・・やっぱ責任感じてるのか、・・・言っておいてくれ、俺は行きたいから探検に行った、ハルヒが悔いる必要h」   
 
   
   「そんな理由ではありませんよ、団長があなたを心配していた理由」  
 
 
 「――!?」  
 「団長はあなたが意識を失ってからずっとあなたの手を握ってたんです、涙を堪えながらね  
  あの潰れた電車の中でも、救急車の中でも、集中治療室で治療が終わってこの病室に移されてからはずっとですよ  
  ・・・・・・まあ今は疲れて僕と長門さんの病室で寝ているはずですけどw   
 
 
  ――――あと、こうも言ってましたね  
 
 
        『もしキョンが死んだらその時はSOS団を解散する』 って」  
 「何!?あのハルヒがそんな事?!」  
 「まあ結局こうやってあなたがこっちの世界に戻ってきたお陰でその可能性は無くなりましたけどね、ホントに良かった  
 
  何だかんだ言って団長はあなたの事を頼りに、必要としている  
    
  ――――それはあなたがSOS団の一員だから、ではない  
 
 
      涼宮ハルヒが他の誰よりもあなたを愛しているからなんです」  
   
 
     「!!!!!」  
 
 
 「あなた普段妹さんに言ってたらしいですね」  
 「何をだ」  
 「『ハルヒにはブレーキがついて無いから俺が代わりにブレーキになっている』」  
 「あいつはまたベラベラと・・・」  
 「それを聞いて団長は何て言ったか」  
 「何あいつハルヒに喋ったのか!? ・・・退院したらブツブツ」  
 
 「―――『私、これから頑張って自前でブレーキ作るから、それを自分の体に着けるから  
  だからこれからはキョンが私のブレーキになってくれなくても良いの、そばに居てくれればそれで良い』、と―――」  
 
 「・・・・・・・・・」  
 
 「あなたもあなたですね、『俺が代わりにブレーキに』なんて、  
  余程団長の事を気に掛けていないとそんな言葉出ないですよ」  
 「そんな・・・・・・ 俺はだな・・・」  
 「もう夜も明けますね、ちょっとは眠っておかないと、僕もあなたも重症患者ですから  
  では僕は自分の病室に戻りますよ、おやすみ」  
 「お、おい・・・!!!」  
 
 
  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  
 
 
  ・・・ハルヒが俺を好きだと・・・!?  
 
  俺は・・・ 俺はどうなんだ・・・・・・?  
 
  ・・・確かにあいつは外見が物凄く良い、でもとにかく性格がアレだ・・・  
 
  ならば何故俺は今まで1年間SOS団を続けてきたんだ・・・?  
 
  ハルヒが強要するからか・・・ 俺がいないと朝比奈さんがやたらな目に遭うからか・・・  
  俺がいないとハルヒが暴走するから仕方なく、か・・・・・・?  
 
  ――――いや、違う。  
 
  ハルヒといたら何故かとても満たされた気分になるんだ。  
  おかしいと思われるが知らんがしかし実際そうなのだから仕方が無い。  
    
  俺はハルヒと居たい・・・  
 
  そうだ、俺は・・・―――――  
 
 ―――――――――  
 
そして翌朝。  
それはそれは凄かった。  
 
午前9時、  
俺がまだ寝ているというのにいきなり谷口と国木田が大泣きしながら入ってきて騒ぎ出した。  
「お前ら授業あるだろ」って言ったら「授業は休みになった、今そこに岡部も来ている」って言い出したからさあビックリだ。  
そしてすぐに岡部、だけかと思ったら更にクラスメート全員が入ってきて病室大混乱。  
それはすぐにハルヒの奴が追い出してくれて助かった・・・ ―――でも岡部や谷口らには大変感謝している。  
谷口の奴自分の持ってたお気に入りのゲーム持ってきて置いていってくれた。本体無きゃプレイ出来ないだろ。  
 
 
そしてクラスメートが帰ったかと思ったら今度は涙を黒四ダムのように流しながら鶴屋さん登場。  
 「キョンくんっ!!生きてたんだね、本当に良かったよ!!あたしはめがっさ嬉しいよっ!!  
  教育テレビで名前見たときは正直凍り付いちゃったよっ!! しかも意識不明だって聞いたからさっ!!  
  でも良かったよっ、本当に良かったよっ!! うわああああん!!」  
凍りつく鶴屋さんってものを一度見てみたい、いやマジで。 でも鶴屋さんあなたにも本当に感謝してます。謝謝。  
 
すると今度はそこに意外や意外コンピ研連中が登場。  
俺ら、お前らの所からパソコン強奪したってのにまさかお見舞いに来てくれるとは思わなかった。  
そして部長が千羽鶴だっていうからどんなのかと期待したら何とノーパソに入った釧路湿原の丹頂鶴の動画だった。  
テレビや電話に続いてついにお見舞い品もデジタル化か。うーん時代だ。でも最高に良い映像だ。感謝、いや感動。  
 
そしたらそこに東京の朝のつくテレビ局が取材に入ってきていきなり「事故に遭われた感想は?」とか言い出した。  
「大丈夫ですか?」とか「お見舞い申し上げます」とか言わないのか。  
更には「特集番組で使う映像を撮りたいので出来るだけ苦しそうな顔をして下さい」とか言い出す始末。  
俺はヤラセ捏造に加担する気はねえぞ。  
そう言おうと思ったらコンピ研と鶴屋さんが先にキレてテレビカメラをぶち壊した。おいおいちょっとやばいだろそれは。  
しかし鶴屋さんは気がおさまらないのか更に音声さんの持っていたマイクを取り上げてあのフサフサをむしりだした。  
こんな恐ろしい鶴屋さんは当然初めてお目にかかる。覚醒鶴屋さんとでもお呼びしようか。  
そしてこの後またハルヒが入って来て引きずり出した。 ハルヒ、お前ずっと部屋の前に居るのか。門番か。  
 
 
テレビクルーが追い出された後すぐにJRの職員が登場。  
職員は泣きながら床に頭をこすり付けて謝りだした。  
コンピ研の部員の一人がその職員に飛び掛ろうとするも部長が何とか抑えて修羅場回避。  
そして職員がお見舞い品を渡そうとするも取りあえずその時は上手い事言って帰ってもらう。  
その職員自身が悪い訳では無いと言う事を解っていたからだ。  
 
 
そして午後1時を過ぎて鶴屋さんもコンピ研連中も帰宅。  
その後昼食の替わりの点滴を打ちながらハルヒらSOS団メンバーや妹や父母と会話。  
3時を過ぎてハルヒ以外のメンバーは一旦病室に戻る。  
家族は買物に出かける。妹もついて行く。  
余談だがハルヒと朝比奈さんは今日退院。本当におめでとうございます。  
でも2人とも家に帰る気は更々無いらしい。  
 
 
 病室は俺とハルヒの2人きりとなった。  
 事故以来意識のある俺とハルヒが2人きりになるのは初めてである。  
 
 
 「・・・・・・・・・」  
 「・・・・・・・・・・・・」  
   
 「・・・・・・・・・」  
 「・・・・・・・・・・・・」  
 
・・・・・・中々言葉が出てこない。  
お互いにかなり意識しちまっている。  
ハルヒの方は先ほどからずっと顔を赤くしたまま俯いている。  
俺も実際何と声を掛けたら良いのかわからない。  
 
 「・・・・・・良かったな、退院できて」  
 「アンタに言われたくないわよ・・・ ・・・・・・何か物凄く申し訳ない気分になるじゃない」  
 「あっ、・・・すまん」  
 「・・・ううん、こっちこそごめん、折角親切で言ってくれたのに」  
 「いや、良いんだ別にそんな事」  
 
はぁー、正直困った、この空気。  
このままではとても耐えられないので取りあえずテレビを見よう。  
 
 「ハルヒ、ちょっとそこのテレビのリモコン貸してk」  
 「貸さない!! 見たくないの!! 見たくないのよ!!  
  もし見たらまたあの時を思い出しそうで・・・!   
  切り傷だらけのみくるちゃん・・・ 腕があさっての方向に曲がった古泉くん・・・ 背中が血の海の有希・・・・・・   
 
  ―――声を掛けてもピクリともしない・・・ 頭から血を出して死にそうになってるキョン・・・・・・  
 
   ・・・もう見たくない・・・」  
 
  「・・・すまん、今のは本当に俺が悪かった」  
  「・・・いいの、・・・・・・おかしいよねわたし、 キョンも困っちゃうわよね」  
  「・・・いや、大丈夫だ」   
 
  「でもホントに良かった・・・ 良かった・・・  
   もしもキョンが死んだら私・・・ 私・・・・・・ SOS団を」  
  「これ以上言うな!! 俺は死んどらん!! 俺はここにいるんだぞ!!  
 
 
    ・・・・・・その事はもう古泉から聞いた、  
   ―――お前って奴は全く・・・・・・ 自分で勝手に立ち上げといて・・・ そいでもって勝手に解散か!  
   もし俺が居なくなってもSOS団は活動できるだろ!」  
  「バカ!! 出来る訳無いじゃない!!  
   ・・・・・・そりゃ、みくるちゃんがいなくても有希が居なくても古泉くんが居なくても今のSOS団は成り立たないけど  
 
   でも・・・ SOS団にはアンタが特に必要なのよ・・・」  
  「・・・週末の活動の交通費飲食費が出なくなるからか!? それとも雑用係が居なくなるからか!?」  
  「違う!!! 違うに決まってんじゃないのよこのバカキョン!!」  
 
俺だってそんな事言いたく無い、言いたくはないが言わないとこっちも身が持たないんだ!  
 
  「交通費飲食費ですって・・・ 雑用係ですって・・・・・・!?   
   そんなのみくるちゃんだって有希だって古泉くんだっているのよ!! もしいざとなったら私がやるわよ!!  
 
 
   ――――私にはアンタが・・・ キョンが必要なのよ・・・ ・・・キョンが必要なのよ!!  
   私にキョンが必要だから私が団長を務めるSOS団にキョンが必要なのよ!!  
 
    ―――私はキョンの事が」  
 
  「俺はハルヒの事が好きだ!!!」  
  「キョン!!?」  
 
  「俺だってずっと好きだったんだ!!俺が気を失ってる間ずっと付き添っていてくれたからとかそんな理由ではなくてだな、  
   ・・・そんなのよりずっと前から俺はお前を愛していた!!」  
 
とうとう俺はハルヒに言ってしまった。俺がハルヒを好きだったという事を。  
 
ハルヒの言葉をぶった切ってまでこの言葉を言ったのは女の子に先に告白させてはならないという一種の昔風の観念と  
何よりも俺がハルヒより先にこの言葉を言いたかったからに他ならない。  
 
 
  「――俺はこの学校で誰よりも長くお前の事を見てきた、  
   だから俺は知ってるんだ、  
   お前は見かけは抜群にスタイル良くて、んでもって頭も良くて運動神経抜群で  
   だが普段他人の話を全く聞き入れようとしない事も自分良ければ全て良し的な考えを持っているという事も」  
  「そ、そんな事今さr」  
 
  「でもそれ位だったら学校中の誰でも知っている事だろうな  
   言っただろ、俺はこの学校で誰よりも長くお前の事を見てきた、とな  
 
   だから知ってるんだ、お前が実は身内の不幸を放っておけない、実はとっても世話焼きで、バカがつくほど世話焼きで  
   何よりも皆の幸せを心から願っているという事も」  
 
だったらそんな親切なハルヒさんが何故最初に無理やり朝比奈さんを強制入部させたのか、とか  
犯罪的手段を使ってまでコンピ研からパソコンを取り上げたのか、明らかに矛盾しているとかいう事は今は言わないでくれ。  
でもハルヒに物凄く優しい所があるというのは今回の一件でも明らかになったであろう、ここは俺が保障する。  
 
  「――だから俺はハルヒの事が好きになった、ハルヒはどうなんだ」  
  「だから好きって言おうと思ったのをアンタがぶった切ったんでしょ!!  
   人の話は最後まで聞きなさいって幼稚園や小学校で習わなかった!?」  
  「はいはい、どうもすみませんでした」  
  「バカ・・・  でも私より先にキョンが言ってくれて嬉しいわ、ホント  
 
   好きよキョン、だからずっとこれからもそばに居てよね」  
  「イヤと言われても俺はお前についていく」  
  「キョン・・・・・・   
 
 
   ――でも結局何だかんだ言って今回の事故のお陰で私とキョンが結ばれたのね、何かJRに感謝したくなっちゃったw」  
 
おい、遺族が聞いたら顔を真っ赤にして怒るぞその発言。ってか俺も大怪我してるんだからな、本気で怒るぞ。  
 
  「ゴメン、冗談よ」  
 
  「なあ、ハルヒ、お願いがある」  
  「何よ、キョン、テレビは嫌よ」  
  「違う、キスしてくれ」  
  「・・・・・・喜んで」  
 
そうして俺とハルヒは熱い口付けを交わした。  
当然のことながら俺は動くことが出来ないのでハルヒが俺に跨る格好になってだ。  
んー、いい匂いだ、こいつ香水使ってんのかな。  
 
  「使ってないわよ」  
 
じゃあどこにも売ってない天然の香水か。あー幸せだ、今なら死ねる。  
 
  「今後しばらくは冗談でもそんな事言わないで」  
 
そうだった、俺は本当に死にそうになってたんだな。 死んだらこうやってハルヒとキスすることも出来ないではないか。  
よーしこうなったら80歳以上は生きてやる。その頃に歯は20本残っているかな。   
 
 
  「ねえキョン・・・ いきなりなんだけどね」  
  「どうした、ハルヒ」  
  「・・・・・・セックスしていい?」  
  「なるほどいきなりだなおい、今は止めてくれ、本気でこっちの身が持たん  
   まあそうだな、退院の前夜なら考えておく」  
  「わかったわ、退院が楽しみね、キョンw」  
  「そうだなw」  
 
 
 
  「最後に一つ言っておく」  
  「何よ、どんどん言いなさい」  
 
  「・・・・・・二度とSOS団を解散するとか言うな  
   同じ天秤にかける事はできないが俺はハルヒと同じくらいにSOS団やメンバーを愛している  
   今度お前がSOS団を解散するとか言い出したらその時は容赦なくハルヒを殴る、殴り返されるの承知でな」  
 
  「・・・解ってるわよ、二度とそんな事は言わないから、安心して、キョン」  
  「解ってるならそれで良いんだ、 ・・・・・・またあいつらが来るまでこのままで居てくれ」  
  「嫌がられても居座るわよ」  
 
 
 【病室外】  
 
  「まさか・・・ キョンくんと涼宮さんがあそこまで進んでいたなんて・・・・・・!」  
  「・・・特におかしい事ではない、 ・・・・・・キョン・・・(涙」  
  「・・・皮肉にも事故で結ばれる純粋な男女の恋ですか、団長が羨ましいな、キョンくんとあんな事出来るなんて」  
 
    「「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ え゛っ ?」」  
  「何でもありませんよ、  
   ではそろそろお邪魔しましょうか、このままずっと2人のラブラブトークを聞かされるのは癪なのでw」  
  「・・・・・・はい!!」  
  「・・・・・・」  
 
 ―――――――――  
 
あれから3ヶ月が経った。  
長門はあれから3週間後に退院し、古泉もその3週間後に退院した。  
よってSOS団メンバーで入院しているのは俺一人となった。  
入院しているといってももう普通に食事も出来るし歩くことも出来る。  
 
病院にはあの後も数日に渡って現場から乗客が運ばれて来た。  
運ばれてきた乗客の呼び名は最初は「重傷者」だったのが次第に「死者」「遺体」へと変わっていった。  
病院には暫くの間遺族のすすり泣く声があちこちから木霊しそれはそれは聞いててとても耐えられるものではなかった。  
実際俺は一人でいる時に何回か涙を流した。 もしかしたら俺はあの中にいたのかもしれないと思うと余計にである。  
しかし流石に数週間経つとそれも治まった。  
 
俺の元にはそれからもたくさんの見舞い客が訪れた。  
SOS団や家族は勿論、谷口らクラスメイト、更にマスコミやJRの職員や事故車両の乗客。  
正直退屈する事が無かった。  
 
 
そして現在我らSOS団は、俺が入院中だから活動休止中・・・  なんて事になる訳が無い。  
現在SOS団の部室は俺の病室に一時移転している。  
毎日学校が終わると意気揚々とハルヒが皆を引き連れ病院へやってくるのだ。  
ハルヒらSOS団メンバー4人が毎日夕方病院を闊歩する姿はもはや病院の名物となっていた。  
そして意外にもその闊歩する姿が同じ事故を負って俺と同じように現在も入院する人々に元気や勇気を与えているとか。  
SOS団が発足以来初めて多くの人に役に立つ事をしているのだ。それも無意識に、だ。  
そのせいか最近は病院全体にも少しずつ活気が出てきたのだ。これはとても凄い事だ。  
 
そしてもう一つ重要な事。  
 
俺も明日の昼、退院することに決まったのだ。  
つまり今日はSOS団の病院での最後の活動。  
あさってからは再び北高手芸部室に本部を移転する。これは歴史に残る首都機能再移転である。  
 
 
 「キョンー!! 本日も団長様と優秀なメンバー達のお出ましよー!! お茶用意しなさい!!」  
 
優秀な、と聞いて何故かナ○トスクープを思い出した。まあやる事は似ている。  
 
 「あ、涼宮さん、お茶なら私が」  
 「良いのよ、これもキョンのリハビリの為よ、ほらキョン早く」  
 「はいはい」  
 
すっかりハルヒも元のハルヒに戻ったな。でも俺はそんな元気なハルヒのほうが好きだ。  
何だかんだ言ってもハルヒはああで無いとな。  
 
 「キョン、明日はいよいよ退院ね」  
 「そうだな、長かった、ホントに」  
 「今日でこの病室ともお別れですね、あさってからは再び北高での活動再開ですよ」  
 「・・・・・・嬉しいけど何か寂しい」  
 「でもこのままずっと入院なんて困りますから、それは嬉しいことです」  
 「俺も早く手芸部室に行きたかったんだからな、  
  ずっと俺だけベッドの上なんてたまったもんじゃ無い、ほいお茶だ」  
 「「ありがとうございます」」  
 「で、今日の議題は何なんだ」  
 「キョンの復帰祝いパーティーについてよ」   
 「別にそんな気を使う事無いんだぞ、いや本当」  
 「私達がやりたいからやるのよ、キョンは黙って付き合いなさい!  
  まあ当然の事と言ったら当然の事だけどキョンには1円たりとも出資させないから  
  お金は私達4人で出し合うから」  
 「まあ、確かに当然の事だよな、でも本当に感謝してるぞ」  
 
 
           ―――――  
       ―――――  
   ―――――  
 
 
そうして夏の空がようやく真っ暗になった頃、病院での最後の団活は幕を下ろした。  
 
 「終わったわね」  
 「終わりましたね」  
 「終わりました」  
 「・・・終わった」  
 
 「・・・あさってからはようやく学校で活動できるんだな」  
 「そうですね、明日は僕達は忙しくなりそうです」  
 「一体何をやるんだ」  
 「決まってるじゃない、アンタを迎え入れる為に部室の掃除よ  
  結構埃溜まってるでしょうからね、何しろ3ヶ月間ほとんどほったらかしだったのよ」  
 「・・・・・・お前らには3ヶ月間本当に色々お世話になった、  
  わざわざ俺の為に病室で団活やってくれてな、本当に感謝しきれない  
  あさってからは俺も学校復帰だ、勉強はハルヒに毎日その日の内容教えて貰ってたから多分大丈夫だ  
  だが3ヶ月も学校行ってないと恐らく勝手が解らん、よってお前らにはまた色々世話になると思う  
  ―――これからも本当によろしく頼む」  
 「何改まっちゃってるのよキョン、私たちはSOS団なんだから遠慮なんかしなくていいのよ」  
 「今日ここにSOS団があるのもキョンくんのお陰だと信じてますから」  
 「・・・・・・こちらこそよろしく、これからも・・・ キョン」  
 「僕でよければ幾らでも力になりますよ」  
 「本当に・・・ ありがとうな、お前達・・・・・・」  
 「染みったれてるんじゃないの、キョンらしくないわよ全く」  
 「・・・今日でSOS団が終わる訳ではない」  
 「そうだな、スマン」  
 
 
 
 
 
そうして古泉と長門、それに朝比奈さんは病室を後にした。  
病室には俺とハルヒの2人が残った。  
ちなみにハルヒは今日は俺の病室に泊まる。  
 
 
 「改めて言うわ・・・ 退院おめでとう、キョン」  
 「有難う、ハルヒ」  
 「・・・・・・キョン・・・ 3ヶ月前のあの約束、覚えてるわよね・・・?」  
 「ああ、覚えている」  
 「で、どうなの」  
 「・・・・・・あまり乱暴にはするな、本当に」  
 「・・・解ってるわ」  
 「ハルヒ・・・ 今まで本当に有難うな・・・ そして、これからもよろしくな」  
 「よろしく・・・ よろしくね・・・ キョン」  
 
そう言って俺とハルヒはあの時以来のキスを交わす。  
お互いが今この場にいるという事を確かめ合い、そして、喜びを分かち合う為に。  
 
 「キョン、まだアンタ完全に治った訳じゃないんだから無理はしないのよ」  
 「解ってる」  
 
俺はベッドから降りて病室の電気を消しに向かう。  
ベッドに戻ってくるとすぐにハルヒが俺の寝間着をゆっくりと脱がしに掛かる。  
俺もハルヒの制服を脱がそうとするがハルヒに制止される。  
 
 「今私がアンタの服を脱がしてるのはあなたが一応病人だからよ、だから私、自分の服は自分で脱ぐわ  
  もしキョンが完全に包帯も取れたらその時は・・・ ね」  
 「わかったよ」  
 
余談だがハルヒは本当にこの3ヶ月間で変わった。イヤ正直本当の事だ。  
 
そして俺もハルヒも産まれたままの姿になる。もっとも俺は頭と胴体に包帯グルグル巻きだが。  
 
 「キョン・・・ 何か凄い匂い」  
 「臭いか・・・ まあほとんど入浴できてないからな」  
 「仕方ないわよ、アンタの臭い、汗の匂いと包帯の臭いと薬の臭いと混ざって何か独特よ  
  でも汗の臭いだけならいい匂いよ」  
 「・・・このフェチが」  
 「だってキョンの事好きなんだもの、  
  ・・・包帯取れたら私がキョンの体、頭の先からつま先までごしごし洗ったげるわ、覚悟しなさい」  
 「はい、覚悟しておきます」  
 「宜しい」  
   
 「キョン・・・ アンタのココ」  
 「んっ・・・ 触るな」  
 「感じるのねやっぱり、アンタずっとオナニーしてなかったでしょ、溜まってるわよきっと」  
 「・・・・・・確かに、病院じゃあな・・・ って何言わせるんだ、おい」  
 「誰で抜いてたの? 私? みくるちゃん? 有希? 鶴屋さん?妹さん?」  
 「おい最後のは・・・  ・・・・・・お前だよ・・・///」  
 「そう・・・ わかった、今私が楽にしてあげるわ」  
 「お、おいハルヒ・・・! うっ・・・」  
 
コイツ何のためらいもなく俺のモノを口に含みやがった・・・ ・・・気持ちいい。今すぐにでも果ててしまいそうだ。  
―――でもココで簡単に果ててしまっては俺の男としての意地が・・・!  
でもハルヒの奴ホントおいしそうにしゃぶってやがる。まるでアイスキャンデーを舐めているようだ。  
 
 「キョン・・・ 早くイキなさい」  
 「う・・・ っはぁ・・・ うあああっ!!!」  
 
とうとうハルヒにイカされてしまった。やっぱり3ヶ月間も出してないといっぱい出るもんだな。まだまだ出る。  
そしてそれをゴクゴクと飲み干していくハルヒの表情はとても幸せそうなものだった。  
 
 「・・・イカ臭いわね、でも美味しかったわよ、キョン」  
 「・・・・・・変態ハルヒ」  
 「アンタに言われたくないわね、・・・今度は私を気持ちよくしなさい」  
 「わかってるさ」  
 
・・・さてここで問題が発生する。  
俺が上になるべきかハルヒが上になるべきか。  
俺としてはこの体ではあまり激しく動きたくないのだが、だが女の子に動いてもらうというのは何とも情けない気がする。  
 
 「大丈夫よキョン、私が上になるわ」  
 「・・・・・・良いのかハルヒ」  
 「・・・・・・完全に治ったらその時はあんたが上になって動きなさいよ、今日は私が誘った手前もあるし、特別なんだから」  
 「すまないな・・・」  
 
ハルヒが俺の上に馬乗りになる。  
 
 「ハルヒ・・・ お前のも舐めさせてくれ」  
 「やっぱりアンタも変態じゃないの、・・・・・・良いわよ、キョンだから」  
 「どーも」  
 
ハルヒが俺の顔の上に股間を持ってきた。 そこからは何ともいえない雌のとても良い匂いが漂ってくるではないか。  
俺は構わずしゃぶりつく。  
 
 「ああん!!キョン、ちょっと、いきなりなんて!!」  
 「我慢できないんだ、許してくれ」  
 「っ!! そ、んな・・・!あん、ああん!! 気持ち・・・ いいの!! キョン!!」  
 「どんどん湧き出してくるぞ、俺がさっき出した精液とどっちが多いんだろうな」  
 「キョンのいじわる!! あ、ぁああん!!」  
 「お前、ここ病院だぞ、あまり大声出したら看護婦がやってくるぞ  
  良いのかお前は、もっとも俺は構わないがな」  
 「キョン・・・ のバカ・・・・・・!!」  
 「バカで結構だ、俺には成績優秀なお前が居るからな」  
 「何言ってるのよ・・・・・・キョン・・・ ・・・キョン!!」  
 「そろそろこのピンクの大きい真珠を貰うか  
  うむ、良い硬さだ、では戴きます」  
 「あああああああああん!!! いきなりダメ!! ダメ!!! ダメぇええええ!!」  
 
ハルヒのクレバスから間欠泉のごとく愛液が噴きだす。 イってしまったのだ。  
俺はそれを上手い事口で受け止める。美味しい。今までに口にしたどのスープや飲み物より美味しい。  
これは普通の人なら諭吉を何人犠牲にしても絶対に口にすることの出来ない味だ。ああ、なんて幸せ者なんだ俺は。   
 
 「っ・・・ はぁ・・・ キョン・・・・・・ 激しすぎなのよアンタ」  
 「ハルヒにも弱点があったんだな、初めて知ったよ」  
 「バカ」  
 「だからバカで結構だ、お前が居てくれるんだからな」  
 「居るわよ、いつまでもキョンの傍に・・・ でももうちょっとアンタも賢くなりなさいよ」  
 「まあそのうちにな」  
 
 「ねえキョン、そろそろ挿れて」  
 「わかった」  
 
いよいよこれから俺とハルヒの既成事実作りに取り掛かる。   
ハルヒは股を大きく拡げて俺のギンギンになった股間の上に座る。  
 
 「おいこらハルヒ・・・ 俺のモノの上に座るな・・・!! 潰れる」  
 「あら、押さえつけられて気持ちよくないの?」  
 「うっ・・・・・・」  
 
解ってやがるこいつ。ギンギンに起ったモノを無理やり寝かされてその上に座られる、実はとても気持ち良いのだ。  
こんな事を考えるようでは確かに俺も変態だな。  
 
 「ほらキョンー、グリグリー グリグリー」  
 「こらそこで動くな、うぅっ、駄目だ、駄目だ・・・ うああっ!!」  
 
俺の本日2度目の絶頂だ。俺のミルクがハルヒと俺の股間とベッドをベトベトにする。  
 
 「またイッちゃったのね、でもまだまだ元気よ、アンタ病人なのにこんな所だけはホントに」  
 「仕方ないだろ、もしココが駄目になったものなら俺は男として生きていく自信を失くすぞ」  
 「大丈夫よ、私は女の子のキョンも可愛いと思うわよ、そうね、アンタに今度みくるちゃんのメイド服着せてみようかしら」  
 「マジで勘弁してくれ」  
 「良いじゃないのよ別に、メイドのキョンを私が強姦する、こうゆうプレイも私はアリだと思うのよ  
  あ、でも古泉くんが欲情しちゃったら駄目だからやっぱりやめた」  
 「そうだやめておけ、これ以上お前に変な方向に走られたらこっちも堪ったもんじゃない  
  ・・・・・・まあ走ったら俺が止めてやるがな」  
 「あらホント!? じゃあそうね、私と古泉くん攻めのキョン受けってのも良いわね、いわゆる3P、ちょっとBLの要素も含んで  
  今度の文化祭の自主制作映画はこれで行こうかしら」  
 
ああ、確かにそれだと確かに客席は超満員だろうな、但しその後警察に連れて行かれるのは目に見えてるが。  
 
 「冗談よ、でも楽しみにしてなさい」  
 「おいどっちなんだハルヒ、・・・まあ良いか」  
 「良いって事、ではいくわよ、それっ!! ――っあああん!!」   
 
おいいきなり前触れ無しに挿れるかよハルヒ!! それにブチブチって音聞こえたぞ!! これは・・・  
 
 「膜貫通・・・っと、破れるときに痛いって聞いてたからどれくらい痛いのかと思ってたけどたいした事無いわね  
  きっとさっきの会話で気が紛れたからよね」  
 「そうかもな、でも凄い血だ」  
 「大丈夫よそれくらい・・・ 動くわよ」  
 「わかった、動いてくれ」  
 
 「・・・・・・っはあん・・・ あん・・・ キョン・・・ 気持ちいいよぅ・・・」  
 「こっちもだ、ハルヒ・・・ ぅあっ・・・」  
 「ああん・・・ ああ、ああん・・・・・・ ぅあああん・・・」  
 「おい、ハルヒ、そろそろイキそうなんだが・・・」  
 「早いわね、でもこっちもよ」  
 「・・・・・・一緒に、ハルヒ・・・」  
 「キョン・・・・・・ うぁあん!! うっ・・・ うああああ!!」  
 「うっ! うぁあああああ!!」  
 
 ドピュッ!! ドクドクドクッ!!  
 
 
 「・・・・・・出しちゃったわね、中にいっぱい」  
 「・・・そういやハルヒ、今日は」  
 「・・・・・・実は危険日なのよ今日、嘘じゃなくて、でも良いわ、もし出来ちゃったら産むから私・・・ この病院で」  
 「・・・ハルヒ、すまん」  
 「こっちこそごめん、黙ってて」  
 「良いんだ」  
 
そしてそのまま俺とハルヒは再び舌を絡めあった。お互いが満足するまでな。  
 
 
 
 
 「キョン、良かった・・・ 本当に元気になったわね」  
 「ハルヒやSOS団の皆のお陰だ」  
 「愛してるわ」  
 「・・・愛してる」  
 「・・・キョン、今日は一緒にこのベッドで寝ましょう、裸で」  
 「病院のベッドで裸のままはやばいだろ、それは」  
 「良いのよ、布団掛けてたらバレないわ、それに私窓側いくから」  
 「・・・・・・わかったよ」    
 
そうして俺はハルヒと最後の病院の夜を過ごしたのだった。  
恐らくこの夜の事は死ぬまで忘れないだろう・・・ あ、死ぬって言ったらハルヒに怒られるんだった。  
 
 「・・・キョン!!」  
 「すまん、すまんかった!!そこを掴むな!!そこを!! ぅああっ!!」  
 
 ―――――――――  
 
翌朝。  
俺が目を覚ますとハルヒはもう居なかった。俺の枕元にはノートの切れ端が置いてあった。  
 
  [キョン、学校へ行ってくる、アンタの為にみんなで部室の掃除しなくちゃいけないから  
   ちゃんと服は着せておいたわよ、では明日学校で待ってるから  
   遅刻厳禁よ]  
 
なるほど俺は今寝間着を着ている。ハルヒのやつ気遣い良いな。  
 
 
そしてその後俺は朝食を食べ、父母妹と荷物をまとめ、昼前に病室を後にした。  
病院の玄関の前には同じように事故で怪我を負った方や親戚などが花束を持って待っていてくれた。  
俺がこんなに歓迎されるのは初めてなんだろうなきっと。  
 
そして俺は帰宅の途へとついた。  
 
 
 
 【翌日・学校】  
 
 「―――おはようごz」  
 「「「「「「「おかえりなさーい!!! キョン!!!」」」」」」」  
 
うわ何だ凄い歓迎だなおい。  
そりゃ多少は何かあるとは思ってたがココまでとは。しかもクラッカー飛んでるぞ。  
 
 「キョン!!よく戻ってきたな!!待ってたぞ、待ってたぞ俺はー!!」  
 
ただいま、谷口。暑苦しいぞ。  
 
 
 「おかえりなさーい!!キョン!!」  
 
ハルヒが飛びついてきた。おいおいクラスメイトの前でやばいだろ!!  
 
 「良いのよそんな事はどうだって、・・・お帰り・・・ キョン」  
 
 
 「ただいま、ハルヒ」   
 
―――――――――  
 
放課後、俺は部室へ向かう。  
さてSOS団はどんなお出迎えをしてくれるのかな。俺はそんなことを考えながら部室へ向かった。  
 
部室の前に着いた。戸をノックする。  
 
 「どうぞー」  
 
そして部室に入った俺が見た光景はある意味で想像を絶するものだったのだ。  
 
何と何事も無かったかのようにハルヒが専用ソファーに腰掛け、朝比奈さんはメイド服でお茶を淹れ、  
古泉は一人で詰め将棋をやっていたのだ。  
確かに部屋は綺麗になっている。でもそれ以外はほとんどいつものSOS団の風景そのものだったのだ。  
 
 「遅いわよ!キョン」  
 「こんにちは、キョンくん、お茶入れますね」  
 「ようやく来ましたね」  
 「・・・・・・」  
 
―――あまりにも普通の光景だ。まるで事故など無かったのではないかという錯覚にとらわれる。  
 
 
しかし一つだけ違うものがあった。  
長門が嬉しそうに新聞を読んでいたのだ。  
 
 「おい珍しいな長門、何の記事読んでるんだ」  
 「・・・これ」  
 
そう言って長門が指差したのは社会面の記事だった。  
 
 
そこには病室で決めポーズをする5人の集合写真が大きく載っていた。  
 
 
 西宮 [脱線事故乗り越え 硬く結ばれる部活の絆] メンバー全員怪我の北高SOS団 きょう最後の一人無事退院  
 
 
                                                   【終】  
 
 

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