※縛りアリ。嫌な人はスルーでドゾ  
 
 
   『 ──第35回 チキチキ!女だらけの……── 』  
 
 
 
「35回ってのは何だ? こんなこと今までに一度だってやったこと無いんじゃないのか?」  
「わかってないわね」 ハルヒはフン、とばかりに鼻を鳴らして、  
「こういうのは語呂が肝心なのよ」  
 と、指を立てて俺に突きつけてきやがった。  
 まあ、この際そんなことはどうでもいいんだが、  
「で、ハルヒさん。何で俺は縛られてるんでしょうかね。まずそれを説明してくれ」  
「そんなの決まってるじゃない。『賞品』が途中で逃走したら元も子もないじゃないそれに──」  
 そう、俺の腕には『賞品』と書いた腕章がしっかり付けられていた。  
 
 放課後の文芸部室ではなく、何故か長門のマンションに集まっていたSOS団。よもやこのような痴態が繰り  
広げられることになろうとは、まったくもって、やれやれだ。  
 
 『機関』の用事とやらで欠席となった古泉が「皆さんによろしく」と、やたらニヤニヤしていた訳が今解ったよ。  
 
 ─────  
 
 事のあらましから説明しよう。  
 
 こともあろうに朝比奈さんや長門とまで姦系を持ってしまったことがハルヒにバレたときは、さすがにハルヒと  
いう名前は「ハルマゲドンの日」という意味なんじゃないかと思うくらいの覚悟を決めたが、そんな話も今は昔の  
こと。最近はもう、俺を巡って、三者三様入り乱れて暗躍する日々が続いているのは周知の事実だろう。  
 それはそれで男冥利に尽きるわけだが……  
 
 この不毛な争いに痺れを切らしたやつがいた。もちろんハルヒだ。  
「こうなったら正々堂々と勝負しようじゃないの!」  
 などと、とんでもないことを言い出した。  
「何をバカなことを言い出す──」  
 と言いかけた俺の言葉を遮るように朝比奈さんが  
「あ、あたし頑張りますっ」  
 と真っ赤な顔でいじらしい決心を見せて追従し、長門が、  
「そう」  
 と呟いて、五冊もあれば畳が腐るオマジナイになるんじゃないかという程の分厚いハード・カバーを閉じて  
面を上げた。何かこの部屋暑くなってきてないか?  
 
 で、何の勝負をするんだって?  
 
「いいこと、こう見えてもキョンは若い情熱を持て余しまくってる絶倫の鬼畜男なのよ」  
 まあ、せいぜい一晩で二、三回くらいが精一杯だけどな。……って、誰が鬼畜だ。  
「つまり、誰がキョンを一番タップリ満足させることが出来るか、をかけて勝負よ」  
 なんつう勝負だよ。  
「勝者は一ヶ月間キョンを独占出来るってのはどう? その間は敗者は一切接触禁止!」  
 あっけにとられている俺を余所に、朝比奈さんと長門の真剣な眼差しがハルヒに向けられていた。  
 ……マジですか?  
 
 
「題して!」ハルヒは大きく息を吸い、  
 
「第35回 チキチキ!女だらけの、逝ったら負けよ、誰が絶倫キョンの相手に相応しいか、絶頂我慢大会!!」  
 
「パフパフッ」 とか一人で騒いでやがる。まったく呆れる。……と、思っていたら、他の二人も果然乗り気の  
御様子だ。僅かに顔が上気しているのが判る。困ったもんだね。  
 
 みんな落ち着け。 俺たちは高校生だよな……?  
 
 そういえば古泉が言っていたことを思い出した。  
「そもそも悪いのはあなたの方ですよ。団員の女性全てと後先考えずに姦系を持ってしまわれたのですからね」  
 それを言われるとグウの音も出ないさ。確かに、朝比奈さんの巨乳と年上ぶるような色気は堪らないものが  
あったし、ハルヒの完璧な肢体と激しさも忘れ難い。長門のあのロリコン魂を擽られる身体も何とも言えず……  
て、そんなこと考えている場合じゃないだろ俺。  
 
 数十分後、俺は座った状態で柱に縛り付けられ、一体何処から調達したんだか部屋の中にはワケの解らない  
仕掛けが乱立した。  
 
「キョン、あんたは勝負がつくまで黙って見てるのよ。いいわね!」  
「だから、何で俺は縛られなきゃならんのだ?」  
「だって、これから美少女三人による淫靡な闘いが始まるのよ。欲情に駆られたあんたが我慢できなくなって  
乱入でもしてきたら、勝負を反古にされちゃうじゃないの」  
 まあ、確かにその可能性は否定できないけどさ。  
 
 ルールはこうだ。  
 ──長門の部屋に張り巡らされている多様な仕掛けを一人ずつ順番にフィールド・アスレチック的に周り、  
 途中で達してしまって身動きできなくなったら負け。──  
 
 おいおい……。  
 
 ─────  
 
 楊枝による順番決めで、一番手となったのは朝比奈さんだった。  
 
「じゃ、始めるわよっ!」 とハルヒ。  
 
「あ、あたしが最初ですかぁ……」  
 朝比奈さんは皆が見守る中、少しの間俯いていたものの意を決したように立ち上がり、おずおずと恥ずかし  
そうに服を脱ぎ始める。  
「キョンくん、恥ずかしいからあんまり見つめないでね……」  
 と、紅潮した顔でこちらを向く。その表情だけでも、もう……たまりません。  
 
 スルスルと音を立てて一枚一枚性セーラー服を脱いでいき、白い柔肌が露わになっていく。フリルの付いた  
白いブラに手をかけると、恥ずかしそうにチラチラと俺の方を見る。何を今更、て感じもするが、何回目だろう  
とそんな恥じらいを見せる仕草がまた愛くるしいではないか。  
 
 そんな俺の楽しみを奪うようにハルヒのけたたましい声が  
「モタモタしてないで早く脱ぎなさーい!」  
 小兎に襲いかかるライオンの如く、朝比奈さんに飛びかかってきて、あっという間にブラをひん剥いた。  
「ひぇぁっ」  
 と言う悲鳴とともに朝比奈さんの大盛りバストがブルンッと飛び出す。  
「やっぱりみくるちゃんはあたしが脱がせてあげないとダメなんだから」  
 まあまあ落ち着けハルヒ。  
 
「ふふん」  
 と鼻歌を歌いながらハルヒは朝比奈さんのふりふりブラを俺の頭に被せやがった。  
「おい、何をしやがる」  
「あら、嫌なの?」  
 まあ、どちらかと言えば嫌というわけではないが、なんか相当間抜けな姿になってるような気がするんだがね。  
「プププ、よく似合ってるわよ」  
 そんな満足げに笑うな。  
 
「じゃあみくるちゃん、まずはこれね」  
 ハルヒによって後ろ手に縛られた朝比奈さんは両乳首に吸盤固定式の刷毛バイヴを装着され、パンツの中  
には蝶の姿を模ったようなローターが手際よく滑り込まされた。  
 その僅かな間にも「あのっ」とか「ひぁっ」とかくぐもり声を上げていたけど、大丈夫なのか朝比奈さん。  
「いい? 壁にもたれたり床に膝をついたりしたら、その時点で負け決定よ」  
 不敵なな笑みを浮かべて朝比奈さんから手を離すと、  
「じゃあ、ピッタリ十分間よ。スタート!」  
 
 ヴィィィィィィィィィィィィン……  
 
 両乳首とパンツの中の分。リモコンバイヴの三つのモーター音が室内に響き出した。  
 
「ひぇ、ふぁぅぅぅっ……」  
 途端に両膝を力一杯合わせて前屈みになる朝比奈さん。  
「ひゃっ、そんなっ……ひぇぁぁぁぁぁ……」  
 大丈夫ですか朝比奈さん?  
「イヤぁ、そんなに見ないでぇ……はぁぅぅぅ……」  
「さあ、みくるちゃん。そのまま人工芝ゾーンよ。早くしないとタイム・アウトになっちゃうわよ」  
 朝比奈さんはバイヴの刺激に何とか耐えながらも、部屋一面に敷き詰められた人工芝の上に、よた付く足  
で踏み出し、  
「え? ひぇ、何なんですかこれ?」  
 と言って、プルプルッと身体を震わせた。  
「足の裏にはね、性感に通じるツボがあるのよ。ましてやそんな状態で刺激されたら、かなり効くでしょ」  
 何処から得てきた知識高知らないが、得意満面百パーセントで説明するハルヒ。  
「それとね、みんなに見られるっていう羞恥心も、性感を増す起爆剤なのよね」と。  
 後でおまえも同じ目に遭うんだぞ。解ってるのかハルヒ?  
 
 朝比奈さんは相変わらず一歩踏み出すごとに  
「ひぅぅっ」とか「ふぁっっ」とか小さく喘いで、悶えながら必死で歩いてるようだ。  
 そして、俺のモノもどうやら制服のズボンの中で、必死に圧迫感と闘っていた。せめてベルトくらい緩めてお  
けば良かったな。今から言いだすのもかなり気まずいし……。古泉に頼むか? いやいや、こいつが俺の股座  
付近に手をかけるなんて事態は絶対に避けねばならんな。  
   
「残り十秒!」ハルヒが軽やかに宣言し、「九、八、七……」  
 と、カウント・ダウンを始めた。  
「え? そんな、待って。ひゃ……ふぇ……」  
「三、二……、どうやら間に合ったようね」  
 ハルヒはリモコンのスイッチをオフにした。  
「ふぇぇ……」  
 と溜息をつく朝比奈さん。  
 すかさずハルヒが駆け寄ってきて、朝比奈さんのパンツをずり下げる。  
「ひぃゃっ、ちょっっ」  
 慌てて身を捩るものの、後ろ手で縛られているので虚しい抵抗に終わり、髪の毛と同じ栗色の薄めな恥毛が  
俺の視界に飛び込む。一瞬遅れて蝶の形をしたバイヴが糸を引いて落ちた。なんてイヤラシイ光景なんだ……。  
 
「みくるちゃん! 休んでる暇は無いわよ。次はアレ」  
 嬉々としてハルヒが促した先には、部屋の端から反対端まで張られた一本の麻縄。しかも十五センチ間隔  
くらいで結わいてコブが作ってあるじゃないか。時折タラーッと床に垂れ落ちているのは何だ? ローションか?  
とにかくそんな物がタップリ染み込ませてあるようだ。どうやら、あの麻縄をを跨いだまま通過するということらしい。  
よくまあこんなこと考えつくモンだ。  
 この発想はハルヒの頭から湧いて出たものなのか……?  
 
「うぅ……じゃあ、いきます。……くふぅ…………んぁ……」  
 砕け気味な腰でヨロヨロと立ち上がった朝比奈さんは、その麻縄を跨いで歩き出したものの、一つめのコブを  
超えた途端に動けなくなった。先程までのバイヴですっかり敏感になりきってしまってるのみたいなので、少し  
でも動くとかなりヤバそうな雰囲気だ。ましてや、乳首のバイヴもまだ付けっぱなしだし。  
「何やってるのみくるちゃん! そんなことじゃキョンを満足させられないわよっ」  
 とハルヒの檄が飛ぶ。  
「はぅっ……でも、でも……」  
 朝比奈さんが息苦しそうに喘いでいる。そんな姿を拝見出来るだけでも俺はもう充分以上に満足なんですがね。  
 既に俺のモノはトランクスの中で圧迫に負けじと、完全に元気一杯になっていて、そうとうなシミが広がってい  
るみたいだし……。  
 
「うーん、チョットまずったかしら」  
 ハルヒが何やら呟きだした。  
「みくるちゃんのこんな感じてる姿を見てたら、なんだかあたしまで疼いて来ちゃったわ。一種の焦らしプレイね」  
 スカートの中に手を入れてモゾモゾしてる。パンツの位置でも直してるのか?  
「これは順番が後の方が不利かもしれないわね。……けど、まあいいわ。ゲームを決めたのはあたしだし、それ  
くらいのハンデは受けて立とうじゃないの」  
 妙なところで潔いんだな。  
 それにしても、焦らされているのはどっちかって言うと俺の方なんじゃないか? とも思うがね。  
 
 順番と言えば次は長門の番なんだが……  
 
 ふと気になったので見てみると、制服のまま部屋の隅にちょこんと正座して、今現在この部屋の中で起きて  
いることなんて、まるで興味なさそうに分厚いハード・カバーに目をやっていた。おまえは何処までも冷静だな。  
 
「ひぁ、ふぇ、……はんっ……んっ……」  
 朝比奈さんの小鳥が囀るように可愛らしい喘ぎ声が絶え絶えに続いてる。かれこれもう、三、四回は軽く逝っ  
ちゃってるんじゃなかろうか。  
 朝比奈さん、あと一歩か二歩ですよ。  
「あ、あたし……がんばります……んくっ……んんん……ひゃぅっ」  
 麻縄のコブを身悶えしながら一つ一つ慎重に越えていく。最後にまた軽く逝ったと思えるような呻き声をたてて、  
何とか麻縄ゾーンを終わらせた。  
 
「ふふぅん、やるじゃないのみくるちゃん! 最後はアレよ」  
「え? ひぇぇええっ」  
 ハルヒがピッと指さした先、そこにある物は、床に固定されて天を仰ぐディルド。しかも俺の目と鼻の先だ。  
「何回挿れられるかが勝負よ。ちなみにキョンのとほぼ同じ大きさだから、そのつもりでね」  
 
 今にも崩れそうな朝比奈さんの肩を支えて、俺の目の前まで連れてきた。  
「そんな……、こんなすぐ目の前でなんて、は、恥ずかしいですよぉ……」  
「今更何言ってんの。インターバルは反則負けよ。さ、ちゃんと奥まで挿れるんだからね」  
「えぇ……でも……でも……」  
 躊躇いながらも朝比奈さんは、俺の目の前に突き立っているディルドに腰を下ろしてくる。  
「ま、負けたくないですから……」  
 狂おしいほどにいじらしい朝比奈さんの内股には、完熟桃を割った時のように甘く匂い立ちそうな粘液が幾筋  
も垂れてきている。  
「キョン、あんたもしっかり見ててあげるのよ」  
 言われるまでもなく、目が離せません。  
「そ、そんなに見ないで……」  
 
 ディルドにおずおずとあてがい、徐々に腰を下ろしていく朝比奈さん。  
「ん、んく……入る……くはんっっ……」  
 こんな可憐な、まるで妖精のような美少女が俺の目の前で異物を招き挿れているとは……  
なんて淫靡な光景なんだ……。  
「そうよみくるちゃん。ちゃんと奥まで挿れるのよ」  
 ハルヒまでもが爛々とした目で覗き込んでいる。  
 
「んはぁぁぁ、は、入るぅ……ふぁぁぁ……」  
「はい、一回目」 とハルヒのカウント。  
「ふぇぇ……も、もうダメぇぇぇ……」  
「二回目〜」  
「ふぇ、ひぇっ、だめっ、ひぃくぅぅぅっっ……」  
 三回目の後、朝比奈さんは大きく伸び上がって倒れた。  
「も、もうダメ、ダメですぅ……」  
 肩で息をしながらヒクヒクしてる。残されたディルドはまるで上から水飴を垂らしたように光って、そこから伸びた  
透明の糸が朝比奈さんの身体までつたって床に落ちた。  
 
「んー、みくるちゃんの記録はここまでね」  
 そう言いながら朝比奈さんの髪を撫でてやってる。  
「よく頑張ったわね。みくるちゃんにしては上出来よ」  
「ふぁい、あ、ありがとうございますぅ」  
 
 何か趣旨が違ってないか?  
 
 それはそれとしてだ、ハルヒが朝比奈さんの髪を撫でる度に、こっちに向いたままになってる朝比奈さんのソコ  
がヒクヒクしながら、透明な(ちょっとだけ白っぽい)粘液がトロリと出てくる光景をいつまでも見せつけないで欲しい。  
身動きが出来ない俺には耐えられん。  
「こらキョン、いつまでもジロジロ見てるんじゃないの!」  
 そりゃないだろっ。  
 
 ─────  
 
「さて、次は有希の番ね」  
 ハルヒが言うと同時に長門はパタンとハード・カバーを閉じて立ち上がり、俺の目の前にすたすたと歩いて来た。  
「…………」  
 数秒間の無言の後、何の躊躇いもないように、まるでこれから一人でお風呂に入ります、って感じで服を脱ぎ  
始める。  
「…………」  
 その間中、まったく無感情な瞳でジッと俺を見つめるのはやめてくれないか? なんだか非難されているよう  
な後ろめたい気分になってくるじゃないか。まあ、後ろめたい状況にあるのは確かだが。  
 
 やがて陶磁のように滑らかで白い肌に、いつものシンプルな白い下着が……て、白くない?  
「あれ? 有希! なにその黒い下着は……」  
 さすがのハルヒもこれには不意を付かれたようだ。あんぐりと口を開けてあっけにとられている。  
「効率的」  
 とだけ答えた長門に対し  
「…………?」  
 と、ハルヒの三点リーダ。そして疑問符。  
 
「ちょっとキョン、どういう意味?」  
「解らん。俺に訊くな」  
 本当に解らないのだから仕方がない。後で長門と二人きりの時にでも寝物語に訊いてみるか。  
 しかし、どう見ても長門が着けそうにない、大人びた黒い下着姿は、少し怒張の弱まりかけていた俺のモノを  
一瞬で最高潮にしたのは事実だ。……ん? もしかしてそういうことか?  
 
 長門はブラさえも無造作に取り外す。その下にはまるで砂丘のようになだらかな膨らみが……。この儚さが  
たまらないんだよな。  
 そして、朝比奈さんのブラを被せられたままの俺の顔をたっぷり五秒間見つめると、無言で近付いてきて俺の  
頭にその黒いブラを被せた。  
 俺の頭には現在、ブラが二着。  
 
 もしもし、長門さん、楽しいですか?  
「わりと」  
 ……と一言。  
 大ハシャギでハルヒが長門に飛びついてきた。  
「わかってるじゃないの有希っ」  
 こいつがハルヒの前で冗談らしい冗談を言ったのは、多分初めてだろうな。そりゃハルヒが喜ぶのも頷ける。  
 
「じゃ有希、そろそろ後ろ手に縛ってローターを装着するわよ」  
「そう」  
 と、興味なさげに答える長門。  
「有希は胸小さめだから、きっと感度が良すぎちゃうかもね」  
 ハルヒの手元を追うように視点を下の方に移す。よく見ると、長門のソコはジットリと広範囲にシミが出来てい  
るじゃないか。おまえ、興味ないフリして結構聞き耳立ててたんじゃないか? さっきまで読んでた本の内容を  
質問してみようか?  
 ハルヒもそれに気付き、意味深に長門に笑いかけていた。長門はコンマ1ミリ程目が泳いだようにも見えたが、  
「……」  
 とだけ無言で答えていた。  
 
「じゃ、スイッチ入れるわよ。……スタート!」  
 
 ヴィィィィィィィィィィィィン……  
   
 両乳首とパンツの中の分。リモコンバイヴの三つのモーター音が室内に響き出した。  
 
「…………ん……」  
 微かに声を漏らし、ピクッ、と長門の華奢な身体が一瞬震えた。  
「…………」  
 その後はずっと三点リーダのままで、モーターの音だけが室内に木霊している。  
「…………」  
 静かな室内で時間が過ぎていく。そんな中で長門の陶磁のように白い身体は徐々に薄桃色に染まっていく  
のだけが判別できる。  
「さあ有希、そろそろ人工芝ゾーンよ」  
 ハルヒに促され、少しよろめく感じはある物の、確かな足取りで歩き始める。  
 二、三歩ごとに一旦立ち止まり、僅かに身体をピクッ、と震わせ、何事もなかったようにまた足を踏み出す。  
 
 ハルヒが怪訝な顔をしてる。  
「うーん、有希はまだ開発されてなくて、性感が薄いのかしら……、思わぬ強敵だわ」  
 それは違うぞハルヒ、誰も気が付かなくても、長門の表情専門家と自負する俺には判る。いや、今では長門  
の感じる場所を唯一知っていると自負する俺には判る。長門はもう、確実に三回は逝ってるはずだ。恐らくこの  
ゲーム、宇宙人的な力を使わなかったとしたら、長門が一番不利なんじゃないかと思うね俺は。  
 
「第一関門は難なくクリアね。じゃ有希、麻縄ゾーンに突入よ!」  
 ハルヒが近付いてきて長門の黒いパンツを脱がす。真っ白で小ぶりなお尻が眩しい。ローターが離れ落ち、  
何も遮る物のない小さな割れ目の縁が、赤味を帯びてキラキラ光りながらヒク付いている。  
 
 ヤバい。俺のモノはもう、トランクスに染み込む余地もなくなった透明な汁が、皮膚を伝って垂れ落ちていくの  
が判る。よく見れば既にズボンにもうっすらと浸みてきている。これはこれでかなり恥ずかしいな。ハルヒじゃな  
いが、俺だってこんなに焦らしプレイ状態は初めてだ。今だったら一擦りされただけで逝っちまう自信もあるぞ。  
 
 長門はヨロヨロしながら麻縄を跨ぎ、そして、動きが止まった。  
「……?」  
 華奢な身体が細かく震えてる。  
「……!」  
 一つめのコブを越え、眉間が一ミクロン位寄った。ハルヒも興味津々で見入ってる。  
「…………!!」  
 一歩二歩踏み出して止まった。そして目を閉じた。  
「…………んっ……」  
 長門の膝が僅かにカクン、となった。 今、かなり激しく逝ったようだな……。  
 そして、その様子をしげしげと見ていたハルヒが、  
「うーん……?」  
 と唸って首を傾げた。  
「やっぱり有希って可愛いわよね。今度個人的にお泊まりに来ちゃおうかしら」  
 お泊まりは構わんだろうが、そっちの道に走るなよ。いや、ちょっと想像してしまいそうだ……。  
 
 その後も長門は時々カクンッ、となりながらも、何とか麻縄ゾーンをクリアし、俺の目の前のディルド・ゾーン  
まで辿り着いた。 間近に迫ると、無毛地帯のソコはほんのり開いたままになって、力一杯芽吹こうとするような  
桃色の真珠までもがヒクついているのが見える。なんか犯罪者になったような気分だ。  
 長門は少しの間ディルドを無言で見つめた後、マリワナ海溝底よりも深い色のその無表情な瞳をジッ、と俺に  
向けてきた。思わず目を反らしてしまう俺。  
 
「見ていて欲しい」  
「えっ?」  
 まるで「私の生き様をしっかり見ておきなさい」とでも言われているような、長門らしからぬ摂氏二百度くらいの  
視線に釘付けになった。  
「顔ではなく、下」  
 え、えぇっ?  
 
 思わず動揺する俺を余所に、長門はゆっくりとソコに腰を下ろしていく。細身の異物が控えめなソコを押し広げ、  
長門の中に飲み込まれていく。  
「……! ……!!」  
 ハルヒでさえもカウントすることすら忘れて、固唾を飲んで見守っている。まるで神聖な儀式でも見てるような  
錯覚さえ覚える。  
「く……ん……」  
 長門の顎が上がり、ビクビクッ、と細い背中が反り返り、両乳首のバイヴもはじけ落ちた。  
「!!!……」  
 無言の声で絶頂を告げ、ペタン、と床に座り込んで動かなくななった。そして最後に  
「……不覚」  
 と一言残して目を閉じた。  
 
 どうやら記録は朝比奈さんと変わらずだろう。  
 
 一部始終を無言で見守っていたハルヒが我に返って長門を抱きとめる。  
「有希、頑張ったじゃないの。後はゆっくり休んでていいからね。あなたの無念はあたしが晴らしてあげるわ!」  
 おいハルヒ、おまえマジで趣旨を勘違いし始めてないか?  
 
 ─────  
 
「いよいよあたしの番が来たようね」  
 
 ハルヒが大魔神の如く立ち上がり、今し方までぐったりしていた朝比奈さんが  
「あ、それじゃあたしがお手伝いしますね」  
 と、白いシーツを巻き付けながら、よろよろと起きあがった。乱れたままの髪が艶めかしい。そしてシーツの  
隙間から時折覗く白い生足も……、その奥に何も着けてないと思うと余計にグッ、とくるものがあるな。  
 
 ハルヒはおっさんの如く勢い良くセーラー服を脱ぎ捨て、シンプルでスポーティーな感じのオレンジ色のブラ  
に手をかけた。その調子で外し去るのかと思いきや、そこで手を止め、俺の方を伺うような目付き。  
 さすがのハルヒ様でも恥ずかしいのかね。  
「なによっ」  
 目を反らすようにしながら外したブラを俺の頭の上に向かって投げてきやがった。  
 ハルヒの形の良い胸の膨らみが露出される。朝比奈さんほど大きくはないが、ツンと上を向いて格好がいい。  
胸だけでなく身体全体を見ても全てに於いてバランスが良い。いつもながら「黄金比」ってのはハルヒのために  
ある言葉なんじゃないかと思うほどだ。  
 
「じゃ涼宮さん、縛りますから手を後ろに併せて下さい」  
「あ、ちょ、ちょっとみくるちゃん? そんなに強く縛らなくてもいいのよ。あくまで建前なんだから」  
「あれ? ご、ごめんなさい」  
「はんっ、ちょとみくるちゃんってば!」  
「あのあの、あたしこういうの、加減がわからなくて……」  
 どうやら、かなりきつく縛ったらしい。ちょっと痛々しい気もしないでもないが、朝比奈さんがハルヒを虐めてる  
みたいな姿ってのも、これはこれで捨てがたいもんだな。貴重な映像ありがとう。  
 
「次はこれですよね」  
 吸盤突きリモコン・バイヴを覚束ない手付きで「ん?」とか「あれぇ?」とか言いながらハルヒの乳首にセットし  
ていく。時折ハルヒの身体がピクッ、としているのが見える。だいぶ焦れてるみたいだ。  
「ん、もうっ……みくるちゃんの指って、異常にくすぐったいわね。なんかドキドキするわ。今度個人的にお泊まり  
に行っちゃおうかしら」  
 待て待てハルヒ、趣向が違ってきてないか? 朝比奈さんも真っ赤にならないで下さい。  
 
「それじゃあ下も付けまーす」  
 朝比奈さんの手の動きに合わせてハルヒのソコに目をやると、既にかなり大きなシミになっている。それどこ  
ろか、薄い布を通り越して、ヌルヌルしたものが浮き出してきてるじゃないか。  
 その布の奥に、リモコン・バイブを持った朝比奈さんの小さな手が滑り込んでいく。  
「えっ? す、涼宮さん……もう、こんなに……?」  
「あんっ、みくるちゃん! ちょっ……、そんなに動かさないでったら……」  
「こ、こういうのってよくわからなくて……えっと、えーと」  
「はんっ……ふぁっ……みくるちゃん、も、もしかしてわざとやってない?」  
「そんなことないですよぉ!」  
 ハルヒが悶えて身体を捩った瞬間、布の外に浸みだしていたものがツーッ、と糸を引いて床に垂れた。  
「はぁい、装着完了でーす」  
 
「じゃ、スイッチ入れますね」  
 
 ヴィィィィィィィィィィィィン……  
   
 両乳首とパンツの中の分。リモコンバイヴの三つのモーター音が室内に響き出した。  
 
「えっ? はんっ、……んっ、くっ……」  
 途端に腰が引け始めるハルヒ  
「い、意外にくるわね……これ……んんっ……」  
 まあ、自分の作戦ミスでかなり焦らされ状態になってただろうからな。かく言う俺だってもう、相当きてるさ。  
 
 ところで朝比奈さん? さっきから何かリモコンいじりまわしてるけど、どうしたんですか?  
「ちょ、ちょっとみくるちゃん! 『強』にしたり『弱』にしたりしないでってば!」  
「え、えーと、あれ? ……これって、どっちが正解なんですか?」  
 ハルヒが震え出す。膝がガクガクしてる。ヤバイんじゃないのか?  
「あ、ちょっと、ダメだったらっ、あっ、あんっ、ダメ! そんな……、ダメーッッ……」  
 
 息も絶え絶えにハルヒが倒れ込んで来やがった。限界ギリギリになってる俺の股間めがけて……。  
 ハルヒの胸が俺の股間を圧迫する。ズボンの上から。  
 お、おいっ、待て、ハルヒ……。頼む、そこでモゾモゾ動くな。  
「キョン……、もう……、ダメ……」  
 完全に上気した淫靡な目で俺を見上げてくるな。  
 俺だってもう……、ウッ……、ダメだっっ  
 
 ピクンッ……  
 
 脊髄が大きく跳ねた。  
 止まらない律動、何度も押し寄せる噴出……。  
 俺の呻く声が室内に響く。  
 
 果てた……。ズボンの中に、トランクスの中に……。  
 気持ちいい…………、気持ち悪ぃ……。  
 俺の腹の上ですっかり脱力しているハルヒ。俺の律動に併せてハルヒの身体も揺れている……。  
 それを二人が見守っている。  
 なんて恥ずかしい光景だ。情けない。その羞恥がまた興奮となって自分の脳に返ってくる。  
 
 …………  
 
 気まずい雰囲気を伴った暫しの沈黙を破ったのは朝比奈さんだった。  
 
「あ、あ、まあ、大変!」  
 慌てて俺の上からハルヒを下ろす。ハルヒはハルヒで、  
「うぅ……、ばかキョン……」  
 などと、お門違いな言葉を譫言のように吐いている。  
 朝比奈さんは朝比奈さんで、俺の衣類をごそごそと脱がしながら、  
「あの、今きれいにしてあげますから。……服もお洗濯しないと……、な、長門さん、洗濯機は、」  
 気が利くんだか利かないんだか微妙なあたりが、朝比奈さんらしいと言えば朝比奈さんらしいだが、とりあえず  
先に俺の縄を解いてくれたらいいのに……。  
 
「それじゃこっちもきれいにしてあげます」  
 にっこり微笑む朝比奈さん。  
 でも、おしぼりとかティッシュとか持ってきてないじゃないですか?  
「ふふふ」  
 栗色の髪をかき上げ、俺の股間に顔を寄せてくる。  
「ま、まさか……朝比奈さん? そんな、汚いですよ」  
「うん、大丈夫です。気にしないで」  
 上目遣いではにかむ姿が愛くるしい。  
「いや、でも、しかしっ」  
 小さな舌が俺の内腿を、まるで子猫がミルクを舐めるようにチロチロと掬い上げてくる。陰嚢の裏から陰茎の  
袂まで丁寧に、そして優しく、時に擽るように悪戯っぽく。  
「あ、朝比奈さん、そんなふうにされたら、俺、……もう、」  
「わあ、すごいですキョンくん、もうこんなに堅くなって」  
 嬉しそうに朝比奈さんは顔を上げ、俺の肩に手をかけて跨った。  
「それじゃあ、いただきます」  
 俺のモノを片手で支え、ゆっくりと腰を落としてくる。  
 あと、あと少しで朝比奈さんの中に包まれる……。  
 
 と、その時けたたましい声が響いた。  
 
「こらーっみくるちゃん! あたしを差し置いて何やってんの!」  
 しばらくボーッとしてたものの、我に返ったハルヒが朝比奈さんに飛びついてきた。  
「あーっ、涼宮さんずるいですよー」  
 引き離されないように朝比奈さんが暴れてる。  
「何言ってるの、こういうことはまず団長が最優先なの」  
「でも、でも……」  
「ちょっとみくるちゃん、離しなさい!」  
「イヤですー」  
 
 二人が楽しそうにじゃれ合っている隙をついて、何の躊躇いもなく長門が俺に跨ってきた。  
「わたしが先」  
 そして俺のモノは、長門の狭口に静かに飲み込まれた。  
「な、長門……」  
「……んっ、……くっ……」  
 
「あー、ちょ、ちょっと有希ーっ!?」  
「長門さんひどいですぅぅ……」  
 
 …………  
 ……  
 …  
 
 その後、「第36回──」が開催されることはなかった。  
 
 俺は今までのように三人との不毛な姦系を続けているわけだが、唯一つ違うところは、時々三人同時に  
相手にしなければならない日が出来た……ということくらいだ。  
 
 まあ、何というか、なべてこの世は事もなしだ。  
 
 
 
 
終わり。  
 

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