「涼宮! 俺と付き合ってくれ!!」  
ある晴れた日の朝。谷口が教室にはいるなりバカなことを言っている。  
見ろ、クラスの暇人がみんなこっちをみているじゃないか。  
ハルヒと付き合うだと? どうせ「はぁ!? 何いってんのよ! 嫌に決まってるでしょ」  
となるのがオチだ。  
「はぁ!? 何いってんのよ!」  
うん、予想通り。  
「………まあいいわ付き合ってあげる」  
え?  
「よぉっっっしゃゃゃぁぁぁあああああ!!!!!!」  
こうして、ハルヒと谷口が付き合うことになったってマジですか!?  
なんで? どうして? WHY?  
「中学の時も付き合ったことがあったんだけどあまりにつまらなかったら五分で振ったのよ。  
もしかしたらあのときよりは面白くなってるかもしれないしね」  
はぁ、そうですか。好きにしてください。  
谷口、せめて一週間はもたせろよ。  
 
 
結論から言うとハルヒと谷口は一ヶ月付き合っている、現在も付き合ったいる。  
しかも! あろうことか! なんとハルヒは谷口をSOS団に入れてしまったのだ  
やれやれ………どうなるんだろうねぇ。  
 
そしてそれが、悪夢の始まりだった………  
 
 
「谷口のアホも結構面白いじゃないの。見直したわ」  
そうですか、好きにしろ  
 
「現在、『機関』ではあなたより谷口さんを重要視しています」  
そうか、『機関』の連中もバカが多いらしいな。  
 
「谷口さんって、面白い人ですね」  
朝比奈さん、そんな笑顔で谷口の名前を口にしないでください」  
 
「………ユニーク」  
それはどういう意味だ長門?  
 
「谷口くんはめがっさ面白いにょろね!」  
鶴屋さん、だまされてますよ。  
 
「谷口さんの行動は私達にとってもとてもうれしいことです」  
まあ喜緑さんがそういうならそうなんでしょうね」  
 
「谷口さんは機関にとっても大変大切な人物です」  
なんで森さんまで!?  
 
「谷口くんはとっても素敵なのね」  
阪中、あいつに素敵に部分が一ミクロンでもあったか?  
 
「キョンくん、谷口くんは次いつきてくれるのぉ?」  
妹よ、あいつだけはやめなさい。  
 
くっ………、なんだこの谷口ブームは、どいつもこいつも谷口が大好きらしいな、  
いっそのことまた朝倉がやってこないものだろうか。それで谷口を………  
「うん。それ無理」  
どうしてお前がここにいる、  
「死になさい」  
朝倉は、俺の、腹に、ナイフを………  
 
 
「キョンくーーーーん、あっさっだっよーーーーーー!!!」  
妹の騒がしい声によって俺は目を覚ました。  
………なんだあれは? 夢か? なんて悪夢だフロイト先生これはどいううことですか?  
「どうしたのぉキョン君、すごい汗だよ」  
なぁ妹、谷口………好きか?  
「たにぐち………それだぁれ?」  
そうか、知らないならそれでいい、すぐにその名前を忘れてしまいなさい。  
とりあえず今日は谷口を殴るとしよう、通学途中であったら坂から落としてやろう、  
学校であったらトイレに閉じ込めて出てこれなくしてやる。  
そんな野望を胸に抱き、学校を目指した、通学途中では谷口とは会わなかった、命拾いしたな。  
 
クラスに入るとハルヒが憮然とした表情で席についていた、俺の顔を見るなり、  
「どうしたのあんた? 落ち武者みたいな顔してるわよ」  
ああ、すごい悪夢をみてな………  
「夢ぐらいでへこたれるなんてへちょいわねぇ………」  
へちょいってなんだ?  
「あんたへちょいも知らないの? いーいつまりね」  
とハルヒの話が始まったところで谷口が教室に入ってきた、さーてどうトイレに閉じ込めてやろうかやろうか………  
「涼宮! 俺と付き合ってくれ!」  
この光景、ど、こ、か、で………  
「はあ!? 何いってんのよ!」  
そう、そしてこの後ハルヒは………  
そこまで考えた後、悪夢が俺の中によみがえった。  
「嫌にき『うおぉぉりゃぁぁぁぁぁ』しょ」  
俺はハルヒの言葉をさえぎり力の限り谷口を殴り飛ばした、ハルヒがなにか言っていたが知らん!  
「いっっっってぇぇぇなにすんだとキョン!」  
「うるさい! ハルヒは俺のもんだ! 誰にも渡さん!!!」  
「えっ?」  
「どうしてもハルヒがほしければ俺を殺してからにしろ!」  
あの悪夢にさいなまされるぐらいなら死んだほうがましだ、マジで。  
教室がシーンと静まり返っている、そんな中谷口が、  
「そうか。そこまで………わかった、ごゆっくりぃぃぃぃ!」  
と泣きながら教室から出て行った。  
ふう、マジで危なかったぜ、あのままいけば俺は。ああ恐ろしい。  
フロイト先生、俺はもしかして予知夢にめざめたんでしょうか、とバカなことを考えながら席に着くと。  
ハルヒが真っ赤だった。  
どうした? ハルヒ。  
「ね、ねえ。今のって………どういうこと、なの?」  
今の? はて今のとはなんのことだろう。  
回想モードON  
 
 
 
回想モードOFF  
なんてこった、俺は勢いとはいえなんてことを言ってしまったんだ。  
もしかしてあれは俺の本心だとでもいうのか!? そうなのか!?  
ハルヒが顔を真っ赤にさせながら上目使いで俺を見てくる、不覚にもかわいいと思ってしまった。  
クラスの暇人どもが俺とハルヒを、いやもっぱら俺を見ている。  
俺の言葉を待っているのか!? ここでなんといえと? 下手なことを言えば俺がマジでくたばる五秒前。  
もしかして俺はハルヒが好きなのか!? そうなのか? 勢いとは言えあそこまではいえないだろ、と言う俺、  
いやいや、そんなことは無い、お前は今の生活を失うのが怖かっただけだよ、と言う俺。  
あああああぁぁぁぁ、俺は、俺は、俺は、俺はぁぁぁぁぁあああああ!!!!!  
「俺『ウースWAWAWA。忘れ物〜〜〜、うぉわ!!」  
谷口が自作の下手な歌を歌いながら教室に入ってきた、あ、なんかこのシーン前に見たような。そういえばあの時は、長門といたんだっけ。  
「すまん、ごゆっくりぃぃぃ!? 国木田! そこをどいてくれ、早く」  
「ごめんよぉ谷口」  
 
谷口が国木田率いる一年五組の生徒にタコ殴りにされています。少々お待ちください。  
 
 
終了。  
国木田が谷口をロッカーに放り込んで谷口が沈黙した、もう生きてはいまい。  
続きを、といわんばかりに全員が俺を見つめてくる。  
しまった。さっきの気が抜けてしまった。  
見ればハルヒもすっかり気が抜けてしまっている。さて、どうしようかね?  
だが俺が見つめるとすぐに顔を真っ赤にした、まさか続きを始める気ですか?  
よーしOK、任せろ俺もさっきの続きといこうじゃないかハルヒ!  
「俺は『おーい席に着けーホームルームはじめるぞー』  
われらが担任岡部のご登場だ! ちくしょぉぉぉぉぉおお!  
「うん? どうした、早くに席につけよ」  
担任に逆らう気は無いらしい、みんなが席に着く。だが席に着くと同時にほぼ全員が舌打ちをかました。  
「な、なんだよ」  
すみません先生、恨むのなら谷口を恨んでください。  
休み時間まで延長する。  
 
 
一時間目が終了して先生が教室をでる、いつもなら全員が思い思いに行動をするのだがなぜか今日は誰も席を立たなければ話すやつもいない。  
その視線はおれとハルヒ、ハルヒは俺が振り向かない限り顔を合わすことは無いが多分今も真っ赤だろう。  
おれはというと授業を無視して考え事をしていた、議題は俺はハルヒが好きなのか? だ。  
 
脳内キョン1  
「俺はハルヒがすきなのか?」  
脳内キョン2  
「好きにきまってるでしょ!」  
脳内キョン3  
「ふぇ、私もそうおもいますぅ」  
脳内キョン4  
「………そう」  
脳内古泉1  
「貴方は涼宮さんを愛しています」  
やっぱりそうなんだね、ありがとう脳内の俺! でもなんで古泉がいる。早く出て行け。  
じゃあここでハルヒの告白をしよう、ここまでお膳立てされて告白しなかったらうそだ。  
気持ちを落ち着けて………  
ゆっくりと後ろを振り向こうととしたその瞬間!   
『キーンコーカーンコーン』  
二時間目が始まった。  
「あ」  
 
 
二時間目終了。  
さっきは不覚を取ったが今度は大丈夫さ、そうだろう? とおもっていたら三時間目は体育さ!  
着替えてるだけで時間が足りないよ。  
三時間目終了。  
ソッコー着替えた俺は教室の前で女子が着替えをおわるのを待っている、なぜか今日はみんな着替えるのが早い。  
ところで一年五組のロッカー内に谷口がいるのをみなさんおぼえているのだろうか?  
全員が通常の三倍で着替え教室の扉が開かれる、ハルヒは窓のを向いているようだ。  
その頭はなぜかポニーテールになっている。  
もう小細工をするつもりは無い。深呼吸をしていざ出陣!!!  
「ハルヒ」  
ハルヒはビクッっと体を震わせたあとゆっくりを俺をいて、  
「な、何よ」  
と顔をどんどん真っ赤にしながら俺を見つめてくる、かわいい。  
「実は大事な話があるんだ、聞いてくれるか?」  
「言ってみなさいよ」  
OK、OK、OK、心の準備は万端だ。  
「俺、実は『ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ』  
とてもうるさい音が校内に響く、この音は、火災報知器だ、まさか! 今日避難訓練なんて聞いてないぞ。  
まさか………マジで?  
「おーい、ちゃんとしてるかぁ? んんん、やっぱりいざって時はみんな動けなくなるんだな。そんなんじゃ本当に火事が起きたら逃げられないぞ」  
はい?  
「これは抜き打ちの避難訓練なんだ、いきなり鳴ったからみんなびっくりして動けなくなったのか」  
と岡部は笑いながら話してくれた。ああ、避難訓練ね。  
「じぁあ全員校庭に集合。早くしろよぉ」  
と岡部が入り口のところで笑いながら話している、クラスメイトは男女とわず一人一人岡部のそばを通るとき舌打ちをした、  
「な、なんだよ」  
すみません先生、恨むのなら谷口を恨んでください。  
 
 
避難訓練と四時間目が終了し、昼休み、今度のは長い。  
学食組みとかはいつも昼休みが始まったとたんに教室からでるものだが今日に限って誰もでていかない、  
おいハルヒ。お前も学食じゃないのか?   
だがこれはいい、もう俺の邪魔をするやつはいない。さあ、いくぜ。  
「なあ、ハルヒ、さっきは言えなかった大事な話があるんだが聞いてくれるか?」  
俺の言葉にクラスの全員が反応した。  
「は、早くいいなさいよ」  
「ああ、実はお『みんなぁぁぁぁ。なんでこんな時間まで俺を放置しておくんだよぉぉぉぉ」  
谷口が泣きながらロッカーから出てきた。  
 
谷口がクラス全員にシメられてます。しばらくお待ちください。  
 
 
終了。したと思いきや体育の時間覗き見されていたことに全員が気づいたらしい。  
 
谷口が隣のクラスの女子を含めた女子連合に踏まれています。しばらくお待ちください。  
 
「ごめんよぉ谷口」  
国木田がロッカーに谷口を放り込んで終了、こんどこそ死んだな。  
終わったころにはすでにハルヒはいなかった。マズイネこりゃ。  
五時間目が始まる直後にハルヒが帰ってきた、もうポニーテールをやめていた。  
 
 
五時間目が終了した。  
ハルヒは五時間目の間ずっと不機嫌オーラを出していた、クラス全員がの叫びが聞こえるようだ。  
だが安心しろ、俺もこれ以上手をこまねいているつもりは無い、次誰かがさけんでもそれ以上の声を出してやる。  
いくぞ、  
「すみません、少しよろしいですか?」  
その声は俺の声より小さく、控えめだった。何しにきた? 古泉。  
「いえ、少しお話がありまして、一緒に来ていただけますか?」  
谷口同様邪魔したのはたしかだが古泉には何も無い、これが谷口と普通の人間の差だ。  
「実は先ほどからすごい勢いで閉鎖空間が現れまして、なんとかしていただけないかと思いましてね」  
つい先ほどなんとかしようとしたところだよ、  
「おや? そうなんですか。すみません。ところでこれは何が原因なんでしょう?」  
谷口だ。うらむのなら谷口をうらんでくれと伝えておいてくれ。  
「わかりました、そう伝えておきましょう」  
クラスに戻ってチャイム、放課後に決めなければ。  
 
 
放課後、最後の勝負、一気にいくぞ。  
「ハルヒ! 俺は『うわぁぁぁぁついに』  
谷口が泣きながらロッカーから出てきた、世界止まった瞬間だった。  
だが、谷口がロッカーから出てくるよりも早く、動いているやつがいた、  
そいつだけ、そいつ一人だけが動いていた。  
「国木田ぁぁぁぁぁああああああ」  
国木田は谷口が今まさに出ようとしているロッカーに蹴りをかました。  
そして俺に向かって親指を立てた。ありがとう国木田、  
「ハルヒ! 俺はお前が好きだ!」  
言った、ついに言った。クラスは水を打ったような静けさだ、そして。  
「私も………キョンが好き!」  
その瞬間クラスが騒いだ今日一日無かったことだ。  
   
男1  
「うおおおおおおおおおお、ついにこの時がきたぁぁぁぁぁぁ!!!」  
女1  
「約一年、待ち続けたよかったぁ!!」  
男2  
「みんなぁぁ! 歌え! 踊れ! 今日は祭りだぁぁ!!」  
阪中  
「二人とも幸せにね」  
   
ありがとう、ありがとうみんな。  
俺はハルヒの手を握った、やわらいかい、俺なんかよりぜんぜん小さい手だ。  
俺はこの手を、離さない。  
 
 
 
あ〜くそ、なんなんだ今日は? 俺がいったい何をしたというんだ。  
キョンに殴られるはクラスのやつらにはボコボコにされるわ国木田にはロッカーにいれられるわ。  
厄日だな、今日は。  
いや待てよ? 学校が最悪だった分今日はナンパが成功すんじゃあ。よし、やってみるか?  
「へーいそこのメイド服の似合うおねえさん、俺と一緒にあそばなぁい?」  
メイド服を着た人は不機嫌そうに俺をみて、  
「あなたは………(たしか報告ではこいつが)いいですよ」  
うそ!? マジで!? 成功した!?  
やったぁぁぁぁぁ  
「じゃあ一緒に来てくれますか?」  
「はい、どこまででも」  
メイドさんが黒いタクシーを拾ってくれた、一緒に中に入ってしばらくした後ビルに入った、  
ここなんですか?  
メイドさんはまったく笑わずに俺を見た、怖い。  
メイドさんに連れられていった場所は。ベットルーム。  
うそ! 本当に! もしかして………  
「じゃあお願いね」  
メイドさんが部屋を出てしまった、変わりに部屋に入ってきたのは。  
「な! お前は………」  
「おや、あなたでしたか?」  
 
谷口が謎の男に掘られています、続きはありません。  
 
 
マッガーレ!  
 

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