宇宙人、未来人、超能力者。
異世界人。
ああ、確かにハルヒはそんなことを言っていたな。
で、だ。長門。もう一回聞くぞ。
この三つ目のくせに右目に眼帯をした凛々しいお姉様は一体何人だ?
「この世の歩いていけない隣からやって来た異世界人。
人間の呼称に直すなら、紅世の王」
そうか、変人属性な上に王様か。
そりゃあ確かに新要素だ。
「人間の認識する王とは齟齬がある。
この場合、他者と比べ圧倒的な力を持つ強者という意味」
そうか、強くて頼れるお姉さんというわけか。
確かにSOS団にはロリっぽくて守ってあげたくなるようなお姉さんしかいなかったもんな。
でもこの人、失礼だけど悪役っぽくないか?
ほら、あの不穏な微笑みとか、正直あのオーラは朝倉涼子を彷彿とさせるんですが。
「安心せい。今は諸事情によりお主を襲ったりはせんよ。”逆理の裁者”の真名に賭けて、のう」
いや、その「ふふふっ」が怖いんですって。諸事情ってなんでしょう?
「大丈夫。諸事情により私たち団員が食べられることはない。」
いや、だから諸事情ってなんだ長門。しかも食べるって何をだ。
隣で谷口が凄いはしゃいでいる。
あのお姉さんに褒めてもらったのだとか。
そうか、良かったな谷口。
でも首にかかってる金色の鍵は外した方が良い気がするぞ。何となくな。
おわっ。国木田いたのか。
まあいいや。
ところで長門、
お前なんで今日はメイド服なんだ?
朝比奈さんのとは別モノだし、ブーツ履いてるし。
「意味はない」
そうか。
「そうであります」
・・・?なんか言葉遣いが変わった気がするが。
「気のせい」
まあいいや。
ところで俺の肩にかかっている黒コートは何だ?
「夜笠」
じゃあ俺が右手に握ってるこの物騒な大太刀は?
「贄殿遮那」
首にかかってるこのペンダントは?
「コキュートス」
・・・そうか
「そうであります」
「ふむ」
・・・最後のひとことは誰だ?