「キョンくぅん、行きましょう」
可愛らしい私服に包まれた朝比奈さんが、甘い声で俺の手を引く。ふわふわした小動物の如く、俺の庇護欲をそそりなさるな、この方は。
「うふ、下はバ×ブでグショグショなの」
…この小動物は発情期みたいだ。刺激されたのは、性欲もだな。
「チケット、渡しておきますね。」
そう、今日のデートは映画館なのだ。
映画館は人でいっぱいだった。公開されたばかりだから、まあ当然か。俺はなんとか二つ並びの席を見つけて朝比奈さんを導くと、朝比奈さんが囁いた。
「スイッチ…入れて下さい」
ON。
ピクン、とすぐに朝比奈さんが反応する。長門より敏感な方だからな。顔がもう紅潮しだした。
「はぁっ…ふぅん…んん」
握った手に力が入る。と、朝比奈さんは腕を絡めてきた。熱い、体温が伝わってくる。映画が始まったが集中出来そうもないな。
ON、OFFを切り替えながら、朝比奈さんをよがらせる。
「はぁんっ…ずるいですぅ、キョンくんっ」
朝比奈さんは、片手を伸ばしてズボン越しに俺の息子を撫で始めた。暗いのが幸いだが、端から見れば完全な変態バカップルだ。
映画が面白くなってきて、スイッチをONにしたまま放置していると、朝比奈さんが真っ赤な顔で抗議した。
「んもぉ、…んぁ…映画なんて、みませましぇんっ…んんっ」
いやそれじゃ映画館デートの意味が―と言いかけたところで、朝比奈さんが息子をパクリとくわえこんだ。うおっ、ヤバい。強烈な快感が下半身を走り抜ける。
「キョンふうんらっへ、ひもちよく、ひてあげふんだからっ」
白魔法ですかそれ、息子は既にHP満タンですけど。
映画が濡れ場に入ったところで、朝比奈さんが息子を放す。危ねぇ…
って朝比奈さん。なんでパンツを脱ぐんです?
「い、今なら、声が出てもばれませんからっ」
なわけねーだろ!!
だが、朝比奈さんは早くも俺に跨り、妖しく腰をくねらす。
「ふみゅっ…いいっ、ああんっ」
うぐ、ヤバい、今度こそヤバい。
「いいの、きてっ…キョンくぅんっ!!」
朝比奈さんの叫びと共に、俺は放たれ、急に恥ずかしくなって、そそくさと二人で映画館をあとにした。
「キョンくん…お部屋に行ってもいいですかぁ?」
ええ。いいですよ、朝比奈さん。
「ホント?嬉しいですぅ」
微笑む朝比奈さんと腕を組んで歩きながら、そっと俺は呟いた。
「…既定事項ですから、ね」
おしまい
(『デート・タイム』へ続く。)