新学期だ、また今年もいろいろあるんだろうなと言う期待に胸を膨らませる訳などほぼありえず、  
迷惑と驚愕に胸を膨らませることはまず間違いないであろう。  
それは百パーセントの確率であり、あの女の変態パワーに振り回されることは明白だ。  
あの女、涼宮ハルヒはそう言う奴なのだ。  
だがこの時世界が変わっていたのを俺は知らなかった、むしろ知りたく無かったがね  
 
 
「よう、相変わらずムサい顔してるな」  
おい谷口、お前にだけは言われたくないぞ。  
「おはよう、キョンはまだクラス割り見て無いよね、今年も同じクラスだよ」  
さすが持つべき物は友だね。  
「そうか、すまんな国木田、助かるよ」  
まぁどうせ俺の後ろの席に団長様がふんぞり返っているのは間違いない。  
古泉曰く、それは彼女が望んだからです、ってな。  
雑談しつつ新クラスに向かう。  
しかし三階に行くのと二階に行くの、  
あまり使う労力は違わないのに嬉しいのはなぜなんだろうね。  
天に召されたニュートン先生に多少の呪いの言葉と賞賛を送りつつ、  
三十段程登らなくて良くなった階段は素敵だ。  
などなど至極くだらん思考をしていたら新しい教室に着いた。  
やはりあの席か、窓際の席で黄色のカチューシャを見つけた。  
「ようハルヒ」  
俺は自分の席になるであろう場所に座りながら言う。  
「お、おはようキョン君」  
「は?」  
君?俺は未だかつてお前に君づけされたことは無いぞ。  
新学年だからってまた変なイベントかよ。  
「どうした、また変な事でも思い付いたか?」  
「えっ、あっあたしは普通だよ」  
たしかにそうだな、よからぬ事を考えるハルヒはもっと輝いているはずだ。  
それにこんな挙動不信な団長様は有り得ない、  
頬を少し赤らめ俺を見つめた姿、  
これではただの乙女じゃあないか。  
 
「キョン君?」  
「なんだ?」  
「こ、今年も同じクラスになったね」  
「ああ」  
 
ハルヒは少し恥ずかしそうにこう言った。  
「よろしくね」  
…目眩がした  
世界改変か、世界改変か、なぜ二度言う必要が有るかどうか分からん位動揺していた、  
だってそうだろ?ハルヒであってハルヒじゃないんだ。  
あの長門に改変された世界でもハルヒはハルヒだった、  
こいつの二回り程常人離れした性格が無くなるはずはないだろ。  
それから全く耳に入らんホームルームや授業が終わり昼休みに入る。  
「キョン君、あの、もし良かったら一緒にお昼にしない?」  
か カワイイじゃねーか、しかし断る。  
「すまんな部室に用があるんだ」  
今は状況を把握する為に部室に行く事が先決だ。  
「あたしが勝手に思っただけ…だから気にしないで」  
少し惜しいが。  
実に惜しいが。  
俺は急ぎ教室を後にした。  
ちなみに谷口や国木田はハルヒに関しての情報以外あまり変化していない。  
休み時間にハルヒについて聞いたら  
「いつもどうりだろ」  
「別に変わらないと思うけどなぁ」  
だとさ。  
ハルヒの事だけが変化したのか、俺以外が全て変化したのか、それでも長門なら…  
部室を前に緊張する、いてくれよ長門。  
 
ノックしてすぐに  
「…入って」  
良かった、この感じはいつもの長門だ。  
長門まで変わっちまったらどうしようも無いところだった。  
部室に入り急いで長門にまくしたてる。  
「ハルヒが変なんだ」黒曜石の瞳から視線が注がれる。  
「確認している、しかし変化したのは涼宮ハルヒだけではない」  
まぁたしかに谷口達の認識も違っているからな、  
だけど目の前にいる長門はいつもの長門だ、それだけは頼もしかった。  
 
「それは違う、私も変化している」  
どういう事だ?  
長門はいつもの長門にしか見えん。  
「お前は大丈夫に見えるんだが」  
「今は」  
しかしその時長門の目に写った感情は“焦り”だった。  
「しまった、イベントが…  
「イベントって何だ?それに大丈夫か?」  
その時長門の瞳はブラックから鏡面処理したかのような輝きを見せていた。  
「な、長門?」  
「ヤッホー、どうしたのキョン君、昼休みに部室に来るなんて珍しいね。まさか私に会いに来たの?なーんてね、恥ずかしい事言わせないでよこれでも女の子なんだぞ」  
長門の姿をした女の子は一息で言葉の渦を振り撒いた。  
「な、長門さん?」  
「あれあれもしかして本当に私に会いに来てくれた?嬉しいよー、まさか本当にそうだなんて天にも昇る気分だよー、最高にハイってやつだー」  
 
 
言葉の濁流の中  
俺は意識を  
消失した…  
 
 
ぺちゃぺちゃと水の跳ねるような音が鼓膜を刺激した。  
そうか俺はショックで気絶してたのか。  
人間の心なんて案外簡単にショートするもんだ。  
…しかしこの状況は一体。  
覚醒した時長門は、いや長門さんは俺の愚息を頬張っていた。  
「ふぁれ、ひょんふんおひぃふぁの?」  
「長門、何してるんだ?」  
なるべく平静にならないと、愚息は平静ではないがな。  
下手な事をしたら世界終了、イデは発動した…なんてことになりかねない。  
少々惜しいが長門の口から愚息を引き抜く。「あー取れたよー」  
 
小悪魔的笑顔で返す長門を見て思う、畜生かわいいじゃねーか。  
「まぁ待て、少し待て」  
説得力は皆無であろう。  
「えーなんd…時間が無い、急いで説明する、聞いて」  
長門が変わった。  
気のせいかもしれんが少し照れているような気がする。  
「これから私を抱いて欲しい」  
お前は何を言っているんだ?  
「私が私を押さえて居られる時間はあまり無い、だから抱いて欲しい」  
長門は意味の無い事を言わない、それが解決法なんだろう。  
「お前はいいのか?」  
長門の瞳に決意が浮かぶ。  
「いい、…むしろ“今の私”も貴方と性行為をしたいと思っている」  
「それとも…いや?」  
無表情の中に悲しみを混ぜるのはやめてくれ。  
「全然嫌じゃない、間違いないぞ」  
こんな狂ってる世界でもこいつは俺を気遣ってくれるのは嬉しい。  
まぁこいつはかわいいし。  
「感謝する、しかしもうすぐ私が出て来る」  
「しかしお前とするなら別の状況が良かったな」  
「では今度は図書館で」  
っておい長門。  
「私をおねg…なんでー」  
長門、すまんな今はお前の言葉に甘えるぞ。  
ならば  
「よしヤルぞ、長門」  
「おまかせー」  
彼女は握り拳を胸の前に掲げた。  
 
「じゃあ舐めてあげよー」  
自慢じゃないが俺は童貞だ、  
いきなりそんな甘美な言葉を投げ掛けてくれるなんて、  
その、なんだ、困る。「嫌なの?」  
あーわかった、かわいいのはわかったから、  
涙を浮かべ上目遣いで見ないでくれ。  
「い、いやお願いします」  
「まかされー」  
涙が完全に消えた小悪魔がそこに居た。  
「わざとだ、絶対にわざとだ」  
俺が素直な感想を漏らすと。  
「エへへー」  
と舌を出して笑った。  
その様が堪らなくかわいい。  
やはり元に戻ったらあいつには笑って貰おう、規定事項だ。  
「でもね、やっぱり先にキスして欲しいなー、なーんてね」  
長門は耳まで真っ赤にして俺に呟いた。  
「すまんな変な事言わせちまって、恥ずかしかっただろ?」  
長門の頭をなでた。  
「少しだけね、でもキョン君の事ならどんとこいだよ」  
俺は長門の口を塞いだ。  
俺の舌と長門の舌が絡み合う、完全に溶け行く。  
キスがこんな気持ちいい物だとは思わなかった、  
以前の夢を入れなければファーストキスだ、  
は、恥ずかしい何を考えてるんだ俺は。  
長門は口を離し恥ずかしそうに言葉を繋げる。  
「エへ、二回目だよー」  
「なんと?」  
 
こいつは俺以外の男とそんな事をするのか?  
「違うよー、さっき気絶してる時にしたんだよー」  
なんと、そいつはすまなんだ。  
「酷いよ、私がキョン君以外の人とそんな事すると思ってるなんて」  
今度は本当に泣きそうな感じだ。  
「思ってないぞ、少しびっくりしただけだ。…じゃあ、俺も二回目だ」  
本日最高の笑顔で笑う長門はお世話抜きにかわいかった。  
「やっぱりキョン君大好き」  
確信犯か、だが後十年は戦える。  
ありがとうマクベ。  
ありがとうハルヒ。  
 
「なぁ長門、服脱がせてもいいか?」  
やはり運動をするのに服は必要ない。  
 
故人曰く汗をかくなら服を脱げばいいじゃなーい、だ。  
「キョン君のえっち」  
「すまんそれを言われるとなにも言えん」  
「でも、いいよ私はキョン君の為なら何でもできるのだ」  
小さく“本当だよ”と付け加えた。  
目の前の小さな少女は俺の胸に顔を埋めながら。  
「では脱がせて貰おう」  
そんな事を言う長門の耳は真っ赤だった。  
長門の顔をあげ三回目のキスをしつつセーラー服をたくし上げ下着を露にする。  
白い肌を眺めながら。  
一枚一枚丁寧に脱がせて行く。  
「綺麗だぞ長門」  
全てが均整の取れた身体は綺麗だった。  
「やっぱり少し恥ずかしいなぁ、ほら私あまり胸とか無いし」  
何を言うかと思いきや。  
「胸なんて関係ないぞ、俺が綺麗だと思ったからそう言ったんだ」  
もう脳のツッコミ気管も働かない。  
「そんな事言ってくれるなんて嬉しい…よ」  
「長門、触っていいか?」  
「うん…いいよ、あとねキョン君、有希って言って欲しいな、なーんてね」  
「あぁ悪いな、有希」  
「…嬉しいよ」  
俺の手は脳からの指令を介さず既に長門、  
いや有希の胸に伸びていた。  
手は両の乳房を入念に責め上げ、手の動きに伴い形を変えてゆく。  
指が乳首に触れた瞬間に。  
「んっ」  
声が聞こえた、感じてくれているんだ。  
初心者の不安を安堵が減らしてくれる。  
「…んっ、うぁ」  
乳首に集中した責めはどうやら正解のようだ。  
「キョン君、胸ばかり触ったら私、変になっちゃうよー」  
いやいやしながら有希は俺に抱き付いて来た。  
「じゃあ次はどうすればいいんだ?」  
フフフ、次は下に行けば間違いないと見た。  
「キョン君ずるいよー今度は私の番だよ」  
なんと嬉しい誤算だ。  
「マジか?」  
「まじだよー」  
 

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