夏だ。摂氏38度、らくだも裸足で逃げ出すような暑さだ。たぶんな。
そんな中、なぜか俺は朝比奈さんと密室にいた。
心なしか、顔が上気し汗がうっすらと浮かんでいる。
「ん…っ。キョンくん、あの、これどうすれば・・・?」
大きくて入らないかもしれませんが、そのまま口に、こう…ぱくっと。
「あ、はい。んんっ、ほんなかんりれふかあ」
朝比奈さんの口がてらてらと光りながら、艶かしく動く。
たまにちらりと覗く舌も、たまらなく扇情的ですよ。
「ふえっ、そんなこと、あっ、こっちはどうです?」
そういって、おそるおそるモノを掴む朝比奈さん。
ああ、ダメですよ。そんなに強く掴んだら・・・
トロリ
「ひぃやあっ…え、うう。これは、どうすれば…」
えっと、残ったのはそのまま飲んでください。落ちたのはティッシュで拭くとか…。
「ええっと、はい。分かりましたあ」
ゆっくり汁を啜る朝比奈さん。
「ん、んくっ。ふぁ…うう、キョンくん、これは私には、ちょっと」
生臭くて…と、下を向いてしまう朝比奈さん。
いえいえ、キツかったら全部飲まなくてもいいんですよ。
やっぱりいきなり…は辛いですよね。好みの問題もありますし。
「ふえぇ、すみません」
本当に申し訳なさそうな顔をする朝比奈さん。
じゃあそろそろ出ましょうか、遅れると変な詮索されますし。
「そうですね、すみません。私、はじめてで、…」
ラーメンを食べたことがない、というので連れてきたが、いきなり背油&とんこつコンボは相当きつかったらしい。
次の機会があるなら普通のしょうゆラーメンにしよう。これでラーメンを嫌いになってなければいいが。