「はぁっ!…はぁ…はぁ…」  
静かな部屋に、荒く息をつく音が響き渡る。  
誰有ろう、我らが団長様、涼宮ハルヒの声だ。  
ちょ……ハルヒ…声大きすぎ…  
「う、うるさいわね…勝手に出ちゃうんだから…仕様が無いでしょ…んっ…はっ!」  
パチュンパチュンと腰がぶつかり合う音がそれに混ざってくる。  
体育倉庫から失敬してきたマットと、保健室から失敬してきたシーツで拵えた即席ベッド。  
その上に俺が寝転ばされ、更にその上にハルヒの身体が乗っかっている。  
それで、俺たちは何をしているかというと…まぁ、その、不純異性交遊をしてるわけだ。  
そうだよ、セックスだよ。  
部室でハルヒと二人きりになってしまったらアウト。  
奥に隠してあるこの即席ベッドをハルヒが引っ張り出してきたら、開始の合図だ。  
 
ただ、こうなったとき、俺に人権は与えられていない。  
一方的にハルヒに上に乗っかられて、勝手に良いように動き回られ、  
ハルヒが勝手にイッちまうんだ…  
この前なんかひどかったぞ。  
ハルヒが2回イッて。それでも何故か俺はイケなかったんだ(何だろ、疲れてたのかな?)。  
それでもハルヒが堪能したいい笑顔で、『すっきりした』と頭の上に浮かんでそうないい笑顔で、  
そそくさとパンツ穿き始めるもんだから、  
「お…おい…」  
とか言ってみたら。  
「何よー。何か文句ある?」  
とか言われて。それでも立ちんぼになってる俺のモノが目に付いたのか。  
「仕様がないわねー…」  
とか言いながら。  
 
手でイカされた…  
 
何だか凄く適当に扱われてる感じがする。  
俺はお前の道具か!  
 
 
などと考えつつも、結局流されてる俺って……やっぱり男の子なのか…  
いや、でもこうしてハルヒの欲求不満の捌け口になってやることは、世界平和に繋がってるのか。  
すげぇ!俺のセックスはアフリカの貧しい子供たちを救うにも等しい尊い行為なのか。  
 
なーーーんてな…んなわけねーだろ…  
 
 
「はぁっ!…はぁ…すっごく…硬い…」  
今日も今日とてハルヒは俺の上で激しく上下運動。  
最近は締め付けながら動かすのを覚えたらしい。  
うぁっ!ダメ…ダメだって…そんなに引っ掛けたらダメだって…  
「もぉ!バカ…こうやって、あんたの先っちょが引っかかるのが良いんじゃない!」  
そりゃ…お前が良いだけだろ!  
いや、こっちも良いんだが…これだと、すぐにイッちまう…  
「ふぅっ…はぁっ…キョンの…硬い…すっごいスケベ…」  
うぅう…ハルヒの入り口が、俺のカリ首に引っかかる。  
何度も何度も…  
そこは弱いんだ…  
こいつ、わかっててやってんじゃないのか?  
うわ!ヤバい…こみ上げてきた…  
「ちょ…ハルヒ…ちょっと待て!」  
俺は堪らなくなって、手を伸ばしてハルヒの尻を思いっきり掴んでやった。  
止まれ……止まってくれぇ…  
 
「何よ…もう出ちゃいそうなの?…」  
 
ハルヒの腰が止まる。  
おお…わかってくれたか…珍しいこともあるもんだ…  
 
「…言っとくけど…今日中に出したらヤバいから…」  
え?それってまさか…  
「そう…危険日…排卵日ど真ん中よ!」  
おいおい、勘弁してくれ!!  
じゃぁ何で生でやってんだよお前!  
もうちょっと自覚を持ってだな…というか、さっさとどけ!!  
「このまま射精しちゃったら…ほぼ間違いなく孕まされちゃうわね…」  
などと、恐ろしいことを言いながら、  
ハルヒさんはゆっくりと腰を落としてきました。  
 
何でだーー!!  
 
先程まで俺の先っちょ責めのため、浅い位置で抽送を繰り返していたのが、  
ズブズブと深い位置まで飲み込まれていった。  
さっきまでのカリ首に対する断続的な刺激だけでもイキそうになってたのに。  
肉棒全体をハルヒの柔肉に包まれて、全体を締め付けられるみたいだ…  
うわ…すごく…  
 
  気持ちいい…  
 
 
 
「うおぉっ!!!」  
 
ヤバかった…全身の力が抜けてしまいそうだったよ。  
「ふっ…んっ……」  
おいおい、ハルヒさん…何をなさるんですか…  
何故腰を左右に動かしあそばれているのですか…  
「ヤバいわ…全然ヤバいわよ…このまま中に出されたら…私…んっ…妊娠させられちゃう…」  
だったらさっさとどけよ!  
言ってることとやってることが矛盾してるよ!!  
うわぁ…何ということでしょう…ハルヒの中はあったかくて…ヌルヌルして…  
腰を動かされると…膣内のデコボコが俺の肉棒を這い回るようで…  
全体をしごかれてるみたいだ…  
マズイ…力が抜けていく…  
 
「あっ!!…ここ…ここ気持ちいい!!」  
 
ハルヒの嬉々とした声が俺の頭に響いてくる。  
そして、ハルヒの中の奥深くで、俺の亀頭の先が、何かコツコツとしたものに当たっている。  
 
「すごい!キョン!…あんたのが一番奥まで届いてる…こんなの初めて…」  
 
一番奥って、まさか…子宮口ってやつ…か…  
 
「はぁっ…はぁっ!!すごい!…んっ!…ここ擦ると気持ちいい!」  
 
ハルヒが喜んでる…腰は今までみたいに上下に動かすんじゃなくて、  
激しく前後に動かしてる。  
でも、俺にとってはそれがとてつもなくヤバい…  
ハルヒの中で、俺の肉棒全体が、あちこちへ折れ曲がって、  
尚且つ先端の敏感な部分にはコリコリと少々硬い感触が当たり続けてて…  
 
「うぁっ!すごっ……イキそう…」  
 
そんな…今こんな状態でイカれたら…  
 
「うぅううぅぅうううーー…」  
 
なんてことだ…ハルヒのやつ…かってにイキやがった…  
おれのあたまの よこについた て で、しーつをにぎりしめながら、はでにイッてる…  
 
あぁ、もう…ハルヒ…すごいしめつけだ…  
 
おれの がはいってることなんか おかまいなしにしめあげてるよ…  
 
「ふぅ…はぁぁぁぁーーー…」  
 
イキおわったのか…  
ハルヒのいつものすっきりした かお が おれにちかづいてくる  
 
そうなんだ…ハルヒはいつもイキおわると こうやっておれに もたれかかって…  
でも だめ なんだきょうは…はやくどいてくれ…  
 
だめだ…もう がまん…できな…  
 
 
「うぅぅううっ!!!!!」  
 
俺の口から派手に呻き声が漏れた。  
 
「はぁぁっ!!熱ぅっ!」  
 
同時にハルイからも声が漏れる。  
もうダメだった。  
ハルヒがイッたのが最後。俺の臨界点をかるーく突破してしまった。  
俺の腰がガクガクと震えてる…  
自分でも信じられない勢いで、信じられない量の精液が、  
一気にハルヒの膣内に放出された…  
 
「バカ!キョン!中で出てるよ!中で出してるってばぁ…」  
 
うるさいな…そんなことわかってるよ…お前のせいだろ…もう…いいよ…  
全部出し切ってやる。  
俺は射精しながら、下から腰を突き上げやった。  
すげぇ!こんなことできたんだ!  
「そんな…奥に直接…妊娠しちゃうよ…」  
そうだ、子宮内に直接射精してやった。  
お前の言うように危険日なら、間違いなく妊娠だ。  
 
いいよ、安心しろ…責任取る気はあるから…  
 
「うはぁあああぅ……」  
 
 
 
でも、実は二人ともわざとやってる  
 
 
 
いや、何と言うか…最近マンネリ気味とか言って…ハルヒがちょっとだけシチュエーションを考えて来るんだよ。  
今回は、  
『射精したくても出来ない男と、それを敢えて責め立てる妖艶な女』  
最初は、俺の肉棒をゴムで縛ろうとかハルヒが言い出したんだけど、  
痛そうだし、ゴムっていうと、朝比奈さんの髪を縛るやつしか部室に無かったから、遠慮した。  
まぁ、そんなわけだ。  
 
 
一頻り射精を終えた俺は、慌ててハルヒの中から自らの肉棒を引き抜いた。  
力を失った肉棒はだらしなく垂れ下がる。  
しかし、その先端から女の入口まで繋がる白濁した糸が、確かに膣内射精が行われた事実を示していた。  
「ごめんな、ハルヒ。痛かったか?」  
俺は力なくシーツに突っ伏したままのハルヒの身体を持ち上げ、反転させて自分の方を向ける。  
い、ホントに大丈夫か…  
「ううん。大丈夫、気持ち良かったよ…キョン…」  
先程までの鬼気迫った表情とは打って変わって、ハルヒの顔は優しく微笑んでいる。  
そして、満足げに俺の頬を撫でてくるのだ。  
「そうか、ハルヒも良かったよ」  
俺はハルヒの手を握って答える。  
そんなとき、俺の腕の中でハルヒの身体がブルッと震えた。  
「んん…中からキョンの精子が溢れてきた」  
ハルヒがゆっくりと自分の足を開いていく。  
そこには、激しく突き動かされた直後で、元のように閉じきらない膣口。  
その内部で膣壁が盛り上がり、中から白濁した精液の塊が吐き出された。  
うわ、なんだか恥ずかしいっ……  
俺ってば凄い量出してるよ…  
俺はなんだか居た堪れなくなり、その光景から目を背けた。  
「それをしてもすごい量ね。お腹の中がグチュグチュ」  
ハルヒの方はむしろ冷静になったのか、今溢れ出てきた精液を指先で弄んでいる。  
「い、いやぁ、ハルヒが演技とはいえ危険日なんていうから、興奮しちゃって」  
俺はハルヒの方をまともには見れず、チラチラと垣間見ていた。  
「え?」  
ハルヒが何だか不思議そうな顔をしている。  
「え?」  
あれ?俺、何か変なこと言ったか?  
俺たちはお互いの方を向き合い、お互いの目と目が合った。  
 
「危険日は演技じゃないわよ」  
 
衝撃の事実。  
 
 
 
「なにいいぃいいいぃぃぃ!!!!!!!!」  
 
 
 
急激に青ざめる俺。口が開いたまま塞がらなくなる。  
「そ…そんな…ハルヒ…だって…あくまで こうふん を たかめる えんぎであって…」  
「やーねぇ…演技ばかりじゃ面白くないじゃない!」  
そ…そんな…そんな理由で…  
お父さん、お母さん、ごめんなさい…  
さようなら、俺の学生生活…明日から働きます…  
「大丈夫よ!ちゃんと考えてきてあるから」  
えっ?そうなの?  
「じゃぁあああん」  
猫型ロボットのように得意満面にハルヒが手にしているのは、ビンに入った何やら黒い液体。  
「コカ・コーーラぁぁーーー!!」  
お前は猫型ロボットか!  
え?何?何でコーラ?  
「知らないの?中出しされたあとでも、コーラで洗えば大丈夫なのよ」  
「そ、そうなのか。ホッ」  
俺はそれを聞いて安堵の息をついた。  
 
ハルヒはコーラのビンを何度も上下に振った後、思いっきり栓を抜き取った。  
「わぉ!」  
勢い良く噴出すコーラ。  
ハルヒは慌ててそれを自分の股間に宛がった。  
「うわ!すごい…しゅわしゅわぁーーーって…気持ちいいかも…」  
おいおい、変な趣味覚えるなよ…  
「ところで、ハルヒ、お前よく知ってたな、コーラなんて…」  
「んっ!……あぁ、古泉くんに聞いたのよ」  
「は?」  
「だって、彼って普段何考えてるかわかんないけど、経験は多そうじゃない?あのルックスだし」  
「そうか…なぁ?…」  
「まぁ、だから、いいこと聞いたと思ってんのよね…」  
 
 
 
 
 
別室にて…  
ヴーーンと微かな機械音を奏でながら動き続けるモニター。  
そこには、文芸部室の内部の様子が映し出されている。  
「涼宮さん…とうとうやっちゃいましたね…これで良かったの?古泉くん…」  
「良いんですよ…僕もいい加減疲れてきましたからね…」  
「これで、涼宮ハルヒの不満は一気に解消される」  
「ふふ…もうキョンくんは逃れられなくなったわけですからね…」  
「でも…なんだかキョンくんに悪いわ…」  
「良いんですよ…このまま放っておいても見ていてじれったいだけですから…  
 まったく、さっさとこうやって既成事実を作ってしまえば…  
 もう、彼女も彼も、今の世界を選ぶしかなくなるはず…です…」  
 
 
「涼宮ハルヒの着床を確認…」  
 
 
 
 
でも、「どうしよどうしよーーー、生理が来ないよーー」という不安感から、  
とてつもなくでっかい閉鎖空間が発生したのでした。  
 
 
 
(おしまい)  
 
 
 

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