「ねえ、奇蹟って信じる?」
そいつは俺に聞いた。その隣で、長門は黙ってこちらを見ている。回答待ち、
というやつだ。
さて。
どう答えたもんかね、まったく。
事の始まりは……と、説明するほどのことは何もない。その日はいつものように
ごく普通の一日らしく始まった。
「いい、キョン。今日の放課後は絶対部室に来るのよ!」
変わっていると言えば言えなくもないのが、昼休みから妙にテンションの高い
団長様だ。まあ、いつも通りだけどな。
言われなくても分かってるよ。だいたいな、俺が放課後あそこに行かなかった
ことなんてあったか?
「そういえばそうね。えらいわ、キョン。あんたにしてはやるじゃない」
そりゃどうも。
もちろん、俺は熱意あふれるSOS団構成員などでは断じてない。行けば十中八九
訳のわからん出来事に巻き込まれるのを承知の上だと思えば、酔狂なのは認めるが。
ただな、考えてもみてくれ。
部室に行かないってのは、俺の見てないところでハルヒのやつがとんでもない
ことをしでかすってのと同じことだ。そうなりゃ、古泉のやつが遠回しな言い方で
俺をつついてくるのは目に見えてる。サイコロなんて振るまでもなく、スタート
地点から六マス目まで、もれなく俺が尻拭いするで確定していやがる。
だったら、だ。
結果が同じなら、せめて最初から巻き込まれてる方がまだましだと思わないか?
途中参加じゃわからんことばかりだしな。それに、万に一つもやっかいごとを
事前に防げる可能性だってある。あいつがちょっとばかりエキセントリックな
だけの、ただの女子高生になってくれるんだったら、俺は喜んで歓迎するね。
どっちにしたってハルヒはハルヒだからな。だろ?
「それじゃ、他のみんなにも言ってくるわ。いい、逃げるんじゃないわよ!」
何からだよ、という俺の言葉なんざ聞くはずもなく、ハルヒのやつは教室を
飛び出していった。まったく、元気のいいこって。
おまけに、昼休みの終わりを告げるチャイムの後。
「涼宮、涼宮はいないのか」
「早退だそうです」
あいつ、午後の授業をぶっちぎりやがった。まあ、伝言を残していくくらいの
甲斐性は身についた辺り、多少は成長しているらしい。どうして俺に言っておか
ないのかと思わなくもないが。言われたところでどうにもならないけどな。
「やあ、みなさんもうおそろいですね」
そして放課後だ。遅れてやってきた古泉の言葉通り、部室の前には雁首そろえる
俺、朝比奈さん、長門の三人。我らが団長様は、『早退』したためなのかここには
いない。ただ、全員そろってから入ること、と無駄に達筆な字でしたためられた
文章が扉に貼ってあるだけだ。
「どういうことでしょう」
知るか。むしろ俺が教えてほしい。
「あの……もう入ってもいいんでしょうか」
不安そうに周囲を見回しながら、朝比奈さんが聞いてくる。どうも、ハルヒの
意に反したことをしでかしたらどうなるか、が骨身に染みついてしまっている
ご様子だ。可哀想に。
大丈夫だと思いますよ、朝比奈さん。
本当に、という顔で見つめてくる彼女に、軽く頷いてみせておく。根拠はない
わけでもないからな。あいつが『みんな』の中に自分を含めてるなら、一番乗り
していないはずがない。どこかに隠れて、などというのは涼宮ハルヒらしくない。
あいつは正々堂々と理不尽だ。自分で言ってて意味がわからないが。
ともあれ、だ。いつまでもここでうだうだしていても仕方がない。いるんだか
いないんだかわからないハルヒのやつを待つってのも、時間の無駄というもの
だろう。最終決定を求めるように、俺をじっと見つめてくる長門に頷いてやる。
わかったという返事だろう、ほんの数ミリ頷き返し扉に手をかける。
さて、鬼が出るか蛇が出るか。いつぞやのカマドウマみたいなやつが出てこない
ことだけ祈っておこう。まあ、ハルヒのやることだからな、危害を加えられる
ようなことはないはずだ。『神人』みたいなとんでもないやつを出してくるほど、
今のあいつの精神状態は荒んでない。古泉の受け売りだけどな。
そんな、ちょっとばかりの期待と不安のブレンドされた俺の心を、あっさりと
吹き飛ばすような光景がそこに待っていた。
「お久しぶりね」
長い黒髪。
人当たりのよさそうな笑顔。
一瞬、夕焼けに染まる無人の教室が脳裏をよぎる。
「……どうして」
そこで言葉に詰まった。思わず他の面々の反応をうかがってしまう。
「おやおや」
古泉は論外だ。たとえそこにカマドウマがいようが、こいつはこんな反応に
違いない。
「え? え?」
朝比奈さんは……そいつがそこにいる意味がわかって驚いているのか、いまいち
わからない。もしかすると、単に見慣れない顔があっただけで驚いているのかも
しれない。
それより長門、そう長門だ。この状況に一番驚いて然るべきなあいつはどうしてる?
「……そう」
淡泊な反応だった。いや、ここで長門が目を丸くでもしていたら、俺の方が
驚いちまうけどな。しかし、お前がこの事態について言及も追求もしてくれない
なら、俺がするしかないのか。そうなのか、長門。無言の問に返事はない。そりゃ
そうだ、別にあいつはエスパーじゃない。
なら仕方がない。ハルヒがいったいどう絡んでいるのか、それはまた後回しだ。
まずは聞かなきゃならんことがある。目の前でほんの少し恥ずかしそうに笑う、
こいつに。
「どうしてお前がここにいる」
そう言えば、こんな表情を見るのは初めてだったかもしれないなと思いながら、
俺はその名を呼んだ。
「朝倉涼子」
「ふふ、あのときのキョンくんの顔すごかったよ? もうね、ジャングルの奥地で
珍獣を見ただとか、そういう感じ」
そうか、そりゃよかったな。今すぐ忘れてくれ。
夕暮れの通学路、げんなりするより他ない俺の隣でくすくすと笑うのは、当然の
ようにそこにいる朝倉だ。その横にいる長門からは、助け船なんぞ期待できない。
どうしたって世界は理不尽に出来ている。なあ、そう思わないか?
さて。
俺としては別に必要ないと思うんだが、こういう場合は説明するのが筋ってことに
なるんだよな。本当なら解説は古泉にでも任せてしまいたいんだが、あいにくやつは
ここにいない。実際のところ、わざわざ語るほどのこともないんだが。まあいい、
それじゃ始めるか。
「どうしてお前がここにいる。朝倉涼子」
何より聞きたかった俺の疑問に答えたのは、残念ながら朝倉ではなかった。
「ちょっとキョン! あんたってほんと失礼なやつね!」
どうしてそこでお前が出てくる。というかどこにいる。
「ここよここ!」
景気のいい音を立ててハルヒが出てきたのは、掃除用具入れの中からだった。なあ
ハルヒよ、お前も少しは世間体というやつを考えろ。どこに掃除用具入れの中に隠れる
女子高生が……
「何よ」
いや、なんでもない。
そうだな、掃除用具入れに隠れる女子高生がいないわけでもない。そこには今の
ハルヒとは何光年分も差がありそうな理由があったがな。ですよね、朝比奈さん。
「変なの。まあいいわ、それよりキョン。あんたね、謎の失踪をとげたクラスメイトに
久しぶりに会えたっていうのに、何よその態度は。あたしはそんな団員に育てた
覚えはないわ!」
そりゃ奇遇だな。俺もお前に団員教育とやらを受けた覚えはない……とはさすがに
口にしない。したって待ってるのは底無しの泥沼だからな。結果が同じなら白旗を上げる
のは早いにこしたことはない。
悪かった。だがなハルヒ、謎の失踪はともかく、どうして朝倉がここにいる。普通
おかしいと思うだろ。
「それは言えないわ」
何だそれ。
「詳しい事情は涼子から聞いたんだけど、とてもここじゃ話せないわ。FBIもびっくりの
話よ、もし聞いたらキョン、あんただって驚いて目を回すに違いないわ!」
いったいどんな話を吹き込んだ、朝倉。一応視線を振ってみると、声を出さずに
ごめんねと口の形だけが動いた。続いて、大丈夫、と。さすがに本当のことを話した
わけではないらしい。そんなに簡単に信用していいのか、という話もあるだろうが、
長門が特に何をするでもなく静観している以上、問題はないはずだ。たぶん。
わかったよ。俺はびっくりしたくないんで遠慮しとく。で、事情はともかくその
朝倉がここにいるってことは。
「そうよ。明日から涼子はあたしたちのクラスに戻ってくるの。昨日偶然街で見かけて
話を聞いてね、SOS団にだけ先にお披露目しようと思ったのよ。ほら、だからまずは
言うことがあるでしょう?」
何だよ言うことって、そう俺が口を開く前に。
「お帰りなさい、涼子」
長門が言った。ほらみなさいと鬼の首を取ったようなハルヒはさておき、正直俺は
驚いていた。朝倉も一瞬驚いたような顔を見せたが、すぐにそれを引っ込め、はにかむ
ようにしてただいまと答える。そうか、長門。俺が知らないだけで、お前にもいろいろ
あるんだよな、きっと。
「事情はよくわかりませんが、これからよろしくお願いしますね」
「あ、えっと、私もよろしくお願いします!」
事情はよくわかってますと言いたげな古泉の口調はともかく。朝比奈さん、やっぱり
何もわかってないんですね。あなたはそのまま綺麗な世界で生きてください。
「キョン、あんたは?」
あー、久しぶりだな、朝倉。
「そうだね、久しぶり」
何よそれと言い出しそうなハルヒを制して、朝倉がこちらに微笑んだ。そこにわずかに
申し訳なさそうな色が見えたのは、気のせいではないだろう。そうじゃなきゃ割が合わない、
なんてけちくさいことを言うつもりはないぜ? 俺にはそう見えた、それだけのことさ。
それはともかく、だ。薄々わかっているが一応聞いておかねばなるまい。なあハルヒ、
どうしてSOS団にだけなんだ。お前の性格ならクラス全員相手でも俺は驚かないぞ。
「そんなの決まってるじゃない」
そう言ったハルヒの表情を見て、ああこれを藪蛇というのかと思った。
「涼子もSOS団の団員になるからよ!」
ほらな。
さて、回想シーンは以上終了だ。肝心要なことは何一つ話しちゃいないんだが、
そんな話をハルヒの見ている目の前で出来るわけもない。それこそFBIもびっくりの
話になっちまう。
まあ、その場合目を回すのは古泉の『機関』とやら辺りになるんだろうけどな。
朝比奈さん(小)なら本当に卒倒してしまうかもしれないが、朝比奈さん(大)は
そうはいかないだろう。長門の親玉の方は考えるまでもない。むしろ、そういう
トンデモなケースこそ想定に入れているに違いない。
「どうしたのキョンくん。お疲れ?」
誰のせいだと思ってる。
「もしかして私?」
わかってて言ってることが見え見えなその反応に、俺はもう一つ溜息をつく。
憂鬱ってのはこういう気分のことを言うんだろうな、まったく。
「冗談よ、ごめんなさい。でも聞かないのね、どうして私が帰ってきたか」
それならさっきもう聞いた。FBIもびっくりなんだろ。
「だから、本当の事情。聞きたくない?」
頼むからこれ以上俺の悩みを増やさないでくれ。今だってハルヒにゃ話せない
裏話ってのが盛りだくさんなんだからな。
「じゃあ一つくらい増えてもいいよね」
長門、お前から何か言ってやってくれ。
「私は知りたい」
「ほらね」
ほらじゃなくてだな……長門、お前も何も知らないのか?
「私は彼女の再構成に関して、一切申請を行っていない」
となると、ますますハルヒ、か。あいつを特別扱いするのは好きじゃないが、
こればかりはどうにもならん。
「それじゃ、了解も取れたところで」
取れてないぞという言葉は当然無視された。ふと思う、こいつひょっとして
ハルヒに似てないか、と。
「外国、っていうのが甘かったのね、きっと。うん、でも死んだなんてことに
してたら、ますます涼宮さんの興味を引いちゃうし、仕方なかったかな」
まるで他人事のように話ながら、同意を求める朝倉。俺としちゃ答えようも
何もあったもんじゃないが、長門は小さく頷き返していた。それに満足したのか、
朝倉の話は続く。
「それでね、涼宮さんったら追跡調査をしていたみたいなの。たった一人で、ね。
細かいところは私も聞いてないんだけど、けっこういい所まで行っちゃった
みたい。おかげで、この先辻褄の合わないところが出て、彼女が世界に疑問を
持っちゃいけない、そう上が判断した。そんなところかな」
やっぱり状況を変化させるのは現場の行動よね、といつかと同じような台詞で
朝倉は話を締めくくった。何とはなしに身構えてしまったが、別にその手にナイフ
が握られているわけでも、わけのわからん空間に引き込まれてしまったなんて
こともない。朝倉は肩をすくめて苦笑しているだけだし、夕暮れの空は赤く
染まったままだ。
それで、辻褄合わせにお前が戻ってきたってことか。
「そう。涼宮さんが喜んで納得してくれそうな理由つきで、ね」
聞いてほしそうだが、どんなとはあえて聞くまい。
「彼女は涼宮ハルヒの安定のために再構成された。状況を改変するような力は
持ち合わせていない」
珍しく長門の方から口を挟んできた。つまりどういうことだ?
「私にはね、もう何の力もないってこと」
「朝倉涼子という存在は、あなたのような通常の人間と同義。そうとらえて
もらって問題ない」
要するに、朝倉はただのクラスメイト、そう思っていいってことか。
「そういうこと。これからよろしくね、キョンくん」
差し出された右手を素直に受けていいものかどうか、しばらく悩んでから結局
俺はその手を取った。考えても仕方ないし、どうしたって逃げられるもんじゃ
ないのもわかってる。なんせ、朝倉も俺たちSOS団の仲間入りだからな。
「ありがとう」
くすりと笑ってから、朝倉は呟くように言った。
「ねえ、奇蹟って信じる?」
その隣で、長門は黙ってこちらを見ている。回答待ち、というやつだ。
さて。どう答えたもんかね、まったく。
『あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る』
思い出すのは、あの台詞とそこから始まる一連の出来事。あのとき、こいつは
本気で俺を殺そうとしていた。間違いない。
だが待てよ、俺の中でそんな声がする。
誰より長門のことを知っていたはずの朝倉が、そんなことをするだろうかと。
ひょっとして、こいつは失敗しても構わないと思っていたんじゃないのか。
それは、どっちに転んでもいい、そう思っていたというだけで、俺を殺そうと
した事実が消えるわけじゃないのかもしれない。だとしても、朝倉が本当に何を
考えていたのかは俺にはわからない。なんたって、長門の考えが読み取れるように
なったのもつい最近だしな。それだってほんのわずかだ。
なら、朝倉が本当は止めて欲しかったと思っていなかったなんて、誰に言える?
もちろん逆も然りだが、今の朝倉を見れば、俺は断然前者を取りたいね。ああ。
甘い、そう言われるかもしれない。特に古泉なんて、あの笑顔のままでさらっと
そう言いそうだな。まあ、やつのことだから、そのすぐ後で、あなたの決定です
からとかなんとか言って、あっさり引き下がりそうなもんだ。朝比奈さんだって、
納得してくれるに違いない。あの人の場合、誰かに反対するところなんてなかなか
見られないが。ハルヒは論外だ、あいつはそういうところで他人を疑うようには
出来てない。その点は褒めてやってもいいと思うぜ、俺は。
「じゃあね、キョンくん」
朝倉の言葉に我に返れば、そこはいつのまにか長門のマンションの前だった。
お前もここに住むのか。
「うん。長門さんと一緒なの。うらやましい?」
そんな見え透いた罠にははまらないからな。
「そっか。キョンくんは涼宮さんの方がいいんだ」
そうくるかい。いや待て俺、落ち着け。ここは何を言っても負けだ。余計な
ことは一切口に、
「涼子」
意外な所で助け船が出た。
「彼をあまりからかわないでほしい」
長門、お前にフォローしてもらえる日が来るなんて夢にも思わなかったぞ。
だからな、そのなんだかちょっと寂しそうに見えなくもないような視線を向けて
くれるな。頼む。
「ふふ、ごめんごめん。あー、でもすっかりキョンくんに長門さんを取られ
ちゃったみたい。寂しいな」
どこが寂しいんだという口調のその言葉は無視して、俺は言う。
なあ、朝倉。お前が信じるんなら、あるんじゃないのか。
「キョンくん」
でな、そいつはきっとこれから起きるんだよ。
我ながらどうかと思う台詞だが、この際気にしないことにした。どうせ聞いてる
のは目の前の二人だけだ。それより気になるのは、これが朝倉にちゃんと伝わった
かどうかだ。つまり、お前が帰ってきたことが奇蹟じゃない、これから俺たちと
一緒に生きていくってことが奇蹟なんだ。ちょっとばかり気紛れな神様からの、な。
「ありがとう」
朝倉はそう言って顔を伏せた。だから俺はその言葉しか聞いちゃいなしし、何も
見ちゃいない。そのまま背中を向けてさっさと退場したね。なんかこう、らしく
ない、まったく。やれやれ。
翌日。
いまいち寝付けなかった俺は、にもかかわらず早朝から目が冴えて、無駄に早い
時間からいつもの坂をだらだらと登っている。どうでもいい話だが、妹はキョンくん
を起こせなかったと地団駄踏んでいた。妹よ、兄はお前のおもちゃではないぞ。
学校に着けば、校庭からは部活動に励む熱心な生徒の声が聞こえてくる。ハルヒの
やつが感化されて、早朝ランニングなんてものを取り入れないように祈っておこう。
無人の廊下を歩きながら、そんなどうでもいいことを考えつつ教室にたどり着き、
扉を開ける。
「おはよう、キョンくん」
なんとなく予想はしていたが、そこには朝倉の姿があった。何故か俺の後ろの席、
つまりはハルヒの席に、だ。
おはようさんと俺が返すと、小さく笑ってから朝倉は窓の外に目を向けた。
「涼宮さんはこの世界を見てたんだ」
どうだかな。世界の見え方なんて人それぞれだろ。そこに座っただけでハルヒの
世界が見えるんなら、俺は喜んでその席に座るぜ? ベストポジションだしな。
「そっか。そうだよね」
ふふ、と笑ってから、再び窓の外に視線をやる。お前にはお前の世界が見えてるん
だよな、朝倉。そいつが殺伐としたもんじゃないことを願ってるぜ。
ああ、そうだ。
「ん? 何?」
結局昨日言いそびれてたんだっけな。
お帰り、朝倉。
「……ただいま、キョンくん」
一拍間を置いて、朝倉は笑顔でそう言った。
さて、これでひとまず貸し借りなしだ。お前が加わってくれたおかげで、SOS団は
ますます騒がしくなりそうだけどな、悪いようにはならんだろうさ。朝比奈さんが
いて、長門がいて、古泉がいて、ハルヒがいる。視界を広げりゃ鶴屋さんだっている。
これだけメンツがそろってるんだ。
だからな、朝倉。
よろしく頼むぜ、今後とも、な。
"Return of Ryouko Asakura, or Ordinary Miracle in daily life" closed.